Meet the IOC Young Leaders! Meet the IOC Young Leaders!

IOCヤング・リーダーズ・プログラムは、それぞれのコミュニティで実施されている草の根スポーツプロジェクトへのコーチング、資金援助、メンターシップのサポートを通じて、影響力のある若者たちの育成・支援をしています。彼らのプロジェクトの様子を覗いてみましょう!

Vol.07 Racing to Zero ‒ YYC Vol.07 Racing to Zero ‒ YYC

オルセイ・スミス(カナダ)

スポーツ環境でサスティナビリティを実現させたい

私はかつて、陸上競技とボブスレーで夏(ロンドン2012オリンピック)と冬(平昌2018冬季オリンピック)の2度のオリンピック出場を果たしました。競技から引退した今は、電力業界で技術者として働いています。私が「Racing to Zero YYC」プロジェクトを立ち上げたのは、スポーツとサスティナブルなエネルギーに対する強い関心が元になっています。このプロジェクトを通して、スポーツ大会や競技会の主催者がサスティナビリティの視点を無理なく業務に取り入れる事のできるツールを提供していきたいと考えています。

Racing to Zero ‒ YYCとは

私のプロジェクト「Racing to Zero YYC」は、サスティナビリティ、特に廃棄物削減をめぐる世界的な動きに沿って、草の根活動団体や地域、ボランティアによる陸上競技会に、サスティナビリティの専門知識とベストプラクティスを取り入れてもらうことを目指しています。そのために、以下の3つの柱からなるアプローチを採用しました。それは、1)使い捨てペットボトルの削減、2)競技会主催者に対して、サスティナビリティに配慮した大会運営計画を促す動機づけ、3)競技会参加者全員に、スポーツにおけるサスティナビリティに関する啓蒙を行うためのツールの提供、です。これを実現するためには、カルガリー市、カルガリー市トラック協議会、アスレチックス・アルバータ、アスレチックス・カナダ、カナダオリンピック委員会、地元の学校といった主要なステークホルダーからの支援が不可欠になります。

Racing to Zero ‒ YYCとは

具体的な活動について

1)従来の競技会では、水筒に水を補充できる設備がありませんでした。そのためアスリートや観客たちは売店などでペットボトルを購入するしかありませんでした。本プロジェクトは、競技会場に水飲み場を設置すると共に、より規模の大きな大会の実施時には仮設の水飲み場を準備・設置することのできる業者を見つけることができました。

2)どのくらいサスティナビリティに配慮した競技会運営ができているか、主催者が自分で判断することのできるデジタルチェックリストを提供しています。一連の質問に答えていくことでサスティナブルレベルがランク付けされ、参加者が使う会場までの交通手段に応じて、その大会全体における二酸化炭素排出量の目安まで知ることができます。

3)観客用には「ゲーム」というデジタルパスポートを開発しました。これによって、スポーツとサスティナビリティについて、一人ひとりができること、世界各地で行われている活動などについての知識を深めることができます。

COVID-19のため、カルガリーでは陸上の競技シーズンが中止となりました。そのため上記のツールは全て準備できていたのですが、水飲み場の設置を除くと、実際の現場で実施・活用することはできませんでした。

具体的な活動について
具体的な活動について

今後の展望

COVID-19が収束すれば、2021年の春夏にプロジェクトを再開する予定です。その後、この経験を活かして展開を拡大。国内の次の都市、新しい場所でこのプロジェクトの可能性に挑戦したいと思っています。そして将来的な夢は、よりサスティナブルなスポーツ大会を実現するためのコンサルティングを、ビジネスとして成立させることです。

今後の展望