
大西 歩太
パナソニック コネクティッドソリューションズ社
メディアエンターテインメント事業部 マーケティング部 放送システム推進課

山本 耕司
パナソニック コネクティッドソリューションズ社
メディアエンターテインメント事業部 マーケティング部 放送システム推進課

John Paul Giancarlo
国際オリンピック委員会(IOC)
テクノロジーリーダー
パナソニックの放送機器は、オリンピックの記録システムとしてバルセロナ1992オリンピックに採用されて以降、平昌2018冬季オリンピックで13大会目となる重責を担った。大会映像記録機器となったパナソニックの放送用カメラシステム「P2HD」シリーズをはじめ、より高画質・高品質で映像を記録できるAVC-ULTRA コーデック採用のハイエンドカメラレコーダー(AJ-PX5000Gシリーズ)を含む多数の放送機器が国際放送センター(IBC)などに納入され、高品質で合理的な放送運営をサポートした。
蓄積したノウハウとサポート体制で厳しい環境下を克服
平昌2018大会での大きな課題は極寒の気候だとオリンピックの放送に長く携わっているパナソニック コネクティッドソリューションズ社の山本耕司は言う。「この過酷な環境の中で、放送関係者の方々がいかにベストな状況で映像の制作や放送をおこなう体制を整えられるか、それをサポートするのが13大会にわたりオリンピックの記録システムとして放送機器を使用していただいているパナソニックの責任です。」
過去、パナソニックが築いてきた寒冷地での使用実績、そこで蓄積されたノウハウを活かせるよう、寒さを想定した十分なテストや事前準備をしているからこそ関係者からの信頼が得られる。
サポートの拠点となるのは、国際放送センターIBC内にあるパナソニックのサポートルームだ。IBCの構築が本格化する2017年の11月30日から、パラリンピック終了後の2018年3月31日まで、大会中は2交代制でスタッフが常駐する。これだけ手篤い対応をするベンダーは他に無い。ホスト局のOBSをはじめ、オリンピックのために集まる世界の放送関係者に対して、オンタイムでのサービスやテクニカルサポートが実施できるようにしたいというパナソニックの思いがあるからだと山本は言う。 「問題があれば、サポートルームに持ち込んでいただいたらすぐに対応できるので、喜んでいただいています。ここで検証ができることも大きいですね。機材単体ではなくシステムを組んでみて原因を追及することができるので。」
そうやって得たノウハウはやがてパナソニックの強みとなり、次の製品へ、次の大会へとフィードバックされ、さらなる信頼へとつながるからだ。
平昌2018大会での多くの評価を受けて大西は「お客さまからいただいた信頼をいかに守って発展させていくかというところにも、パナソニックの責任がある。」と言う。
次回の東京2020大会。パナソニックの地元で開催されるオリンピックが、放送システムの歴史に刻まれるような大会となるよう、パナソニックの技術を結集してホスト局や各国の放送局の新たな映像制作や放送に貢献していくことが目標となる。 「東京2020大会では、やはり4K、8Kといった映像制作、そして放送というのが見えてくると思います。パナソニックとして、技術、商品、システムやサービスでどのように対応していけるのかがこれからの課題です。」
東京大会を契機に4K放送が現実的な段階に入る可能性は十分にある。そこにパナソニックが貢献できるよう、スタッフは期待を寄せて取り組んでいるのだ。