Rio 2016

オリンピック大会の舞台裏

オリンピック大会の舞台裏 さらに進化した機能で
世界のオリンピック放送を支えた
「放送機器」

写真:リオオリンピックのIBC(国際放送センター)に設置されている多数のモニターや放送機器
顔写真:パナソニックブラジル株式会社 Goya

Goya
パナソニックブラジル株式会社
システムエンジニア

顔写真:パナソニック株式会社 山本耕司

山本耕司
パナソニック株式会社
機器納入統括責任者

顔写真:オリンピック放送機構(OBS) Sotiris Salamouris

Sotiris Salamouris
オリンピック放送機構(OBS)
最高技術責任者(CTO)

オリンピック放送の歴史は、放送技術の進化の歴史とも言える。1992年のバルセロナ大会では、オリンピック初のデジタル制作が始まった。2004年のアテネ大会ではHD放送が、2008年の北京大会ではフルHD放送がそれぞれ実施され、2012年のロンドン大会では3Dライブ放送が実現した。そのすべてのホスト映像制作をサポートしたのが、パナソニックの放送機器だ。そして、リオ大会でも、「AVC-ULTRA」というコーデックを採用したカメラレコーダーAJ-PX5000Gシリーズを提供。ネットワークを使ってファイルを転送することで、さらにスピーディーなワークフローを可能にした。2016年、リオの地で、オリンピック放送にまた新しい歴史が刻まれた。

かつてない作業効率の最適化を実現

「これまでは、撮影したデータを持ち帰って映像を取り込む作業が不可欠でした。しかし、今回のカメラレコーダーはネットワークを使い、撮ったその場ですぐにファイルを転送できる。情報の鮮度を落とすことなく映像を配信できるのです」。パナソニックの菅原は、ネットワーク機能のメリットをそう説明する。そして、この機能をさらに昇華させるのが、AVC-ULTRAコーデックだ。上は200Mbpsから下は6Mbpsまでビットレートが選択でき、いずれも高画質撮影が可能な優れものだ。

写真:リオオリンピック会場に設置されたHDカメラレコーダー

例えばネットワークが混信していても、6Mbpsで撮影すれば問題なくデータを転送できる。状況に応じた最適な撮影が、一台のカメラでできてしまうのだ。今後は、ファイルベースでの制作スタイルが主流になるだろう。パナソニックはリオでの経験を活かし、カメラだけでなく、スイッチャーなど全ての放送機材のネットワーク化を進めていく。平昌、そして東京大会でのさらなる映像革新のために。

写真:リオオリンピックのIBC(国際放送センター)で多数のモニターを使用し人々が作業している様子

新しい映像ソリューション「8K」「360°映像」

他にも、今大会新たに使用された映像ソリューションがある。大会期間中にパナソニックセンター東京で開催されたパブリックビューイングでは8K映像技術が使用され、アスリートたちの躍動を圧巻の映像美で映し出し、訪れた人々を魅了した。また、360°カメラで撮影した映像により、リオの街に居るようなバーチャル体験ができる「Stadium of Wonders in Tokyo」も人気を集めた。パナソニックブラジルの担当者であるゴヤは「近い将来、360°カメラや8Kを使った多様なコンテンツが楽しめるようになるでしょう」と、見解を示す。パナソニックの山本耕司は「オリンピックは、私たち技術者にとっても挑戦の場だと考えています。リオ大会の経験を生かし、今後もオリンピックの新しい楽しみ方を、パナソニックの放送技術で提案し盛り上げていきたいと思います」と、平昌、東京への意気込みを語った。

写真:パナソニックセンター東京で開催されたパブリックビューイングで8K映像を鑑賞する人々