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最後発から世界初のミラーレス一眼が

デジタル一眼カメラ「LUMIX G1」

2008

2000(平成12)年、松下電器は、それまでグループ内の複数の部門で別々に進められていたデジタルカメラ事業を、全社開発体制のもとに集約し、再スタートさせた。他社と差別化するためにドイツの名門メーカーであるライカカメラ社と協業し、新たに「LUMIX」が誕生する。2004(平成16)年に発売したコンパクトカメラ「LUMIX FX7」は、20mmの薄さと手ブレ補正ジャイロが評判を呼び大ヒット。その後も「LUMIX」の快進撃は続く。

2006(平成18)年、開発陣は、デジタルカメラ事業参入時からの念願であったデジタル一眼市場に挑戦する。デジタル一眼カメラの開発に際して当社が採用したのは、2002(平成14)年にオリンパスと米国コダック社が提唱した「フォーサーズ」(Four Thirds)規格。同規格は、撮像素子サイズ、レンズマウント径、バックフォーカス長など、デジタル一眼レフカメラを想定した規格である。従来の一眼レフの規格は特許技術のかたまりで仕様が公開されていないのに対して、「フォーサーズ」は仕様を公開するオープンなフォーマットであることが採用の決め手になった。こうして完成した最初のデジタル一眼レフカメラ「LUMIXL1」は、従来の一眼レフと同様の操作感や撮影を楽しめるのはもちろん、「ライブビュー」などデジタルならではの機能が注目された。さらに「フォーサーズシステム」により、当初から充実した交換レンズ群を揃えることができたこともあって、ハイアマチュアなど、多くのユーザーを獲得することができた。

2008(平成20)年、パナソニックは次のステップへコマを進める。「フォーサーズ」をさらに進化させた「マイクロフォーサーズ」規格を提案したのだ。ミラーボックスを取り去って完全ミラーレス化することでフランジバックが短くなり、光学設計の自由度を大幅に高めることができる。そこに、様々なデジタル技術を加えることで生まれる新しいデジタル一眼のフォーマットであった。
その1号機が、「LUMIX G1」である。デジタル一眼の最後発であったパナソニックが、世界に先駆けてミラーレス一眼を誕生させたのだった。G1は、「ミラーレスならでは世界最小・最軽量」「見たままが撮れるライブビュー」など、それまでのデジタル一眼の概念を大きく変えた。当社は、その後もミラーレス一眼を次々に進化させていく。2009(平成21)年春にはハイビジョン動画撮影に対応した「LUMIX GH1」が、同年秋にはコンパクトなフラットデザインの「 LUMIXGF1」が登場。今では、デジタル一眼カメラの市場において、パナソニックが先鞭をつけたミラーレス一眼が主流になっている。

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