山形

昭和27年、山が先駆けた流通革新。

「顧みますと、清野社長さんとのお付合いは昭和七年に独立・ご創業されてまもない頃でございまして、爾来、山形県下の電機業界の草分けとして、また当社代理店として戦前・戦後の苦難期を通じ、常に格別のご愛顧・お引立を頂戴いたしてまいりました」――昭和57年、創業30周年を迎えられた山形ナショナル電機株式会社(創業時・山形ナショナル電器販売株式会社、現・山形パナソニック株式会社)に向け、創業者松下幸之助はお祝いの言葉の中で深く感謝の気持ちをあらわしています。

山形ナショナル電機は、昭和初期の松下電器製作所時代からナショナル製品の代理店を営んできた清野源太郎初代社長が、松下幸之助の経営理念や情熱に傾倒し昭和27年、松下電器本体との共同出資で設立した新しい構想の『販売会社』です。技術革新がとどまることを知らなかった家電業界。商品は無数に増え、旧態依然の問屋的感覚では多メーカーへの対応は困難になると見通して描いた『一社一メーカー製品の卸販売』です。

電機業界の流通革新の先駆けとなった体制は私たちの販売モデルになりました。また清野氏は販売店が集まる『山形ナショナル会』をつくり、経営講習会を開いたり、家電になじんでいただくための婦人教室を開催。これもまた各地のお手本になり全国に広がりました。代理店さまとメーカーである私たちとの共存共栄の思想から生まれた『販売会社体制』。これからも揺るぎない絆で、地域社会への貢献をめざしてまいります。

大正7年の創業以来、私たちがここまで歩んでこられたことは、山形のみなさまをはじめとする、たくさんの方々のご愛顧とご信頼の賜物と心より感謝申し上げます。これからも変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

おかげさまで、パナソニックは創業100周年を迎えました。