小さなアクションが大きなうねりへ
門真市でひろがる“AKARI”の輪

2022年7月15日

NPO法人トイボックス 実島さん(右から1番目)

無電化地域へあかりを届ける活動「みんなで“AKARI”アクション」では、さまざまな活動が全国に広がっています。今回ご紹介するのは、大阪府門真市の活動。NPO法人トイボックスの職員で門真市民プラザのプラザ長でもある実島直美さんが「生涯学習のきっかけのひとつとして拡がってほしい」という想いで、回収ボックスを市民プラザに置いたことをきっかけに、設置の4ヵ月後には門真市全域へ拡がる活動になりました。小さなひとつのアクションが、大きなうねりを生み出した背景とは?実島さんに伺いました。

市民大学の1講座がきっかけ。座学をこえて

「みんなで“AKARI”アクション」参画のきっかけとなったのは、個人的な小さな疑問だったと実島さんは話します。実島さんは生涯学習の場として、市民プラザの生涯学習センター内に誕生した「かどま大学」という市民大学の運営に携わっています。2021年度は、門真市に本社を置く当社もかどま大学の全5回の講座を持ちました。テーマは「企業市民活動」でその中の1つが「みんなで“AKARI“アクション」でした。

※企業市民として社員一人ひとりが取り組む社会貢献活動

「パナソニックは門真市に本社があって距離的には近い存在ではあるのに、どこか遠い存在でした。だからパナソニックがCSR活動としてどういう想いで取り組んでいるのだろうかと、非常に興味があったんです。なかでも“AKARI”アクションは興味深かったですね。座学として受講するだけでなく、その後、自分たちで活動を展開することもできる。市民といっしょに取り組むことで生涯学習や地域活動の輪を拡げるきっかけになると期待が膨らみました。」

実島さんは、まず門真市民プラザに回収ボックスの設置を決定。さらに門真市内の施設、門真市民文化会館「ルミエールホール」、門真市立市民交流会館「中塚荘」、公民館の施設長たちにも声をかけ、同時に合計4カ所への設置が決まりました。「門真市民は地域活動が活発」と実島さんがいうとおり、回収ボックスの噂は市民の間でどんどん拡大。門真市自治体の注目も寄せられ、あっという間に門真市の活動へと拡がっていったのです。

門真市内の企業が、次々と参画しはじめる

2022年2月1日、門真市はパナソニックと「無電化地域へのソーラーランタン寄附活動」に協力すると事業連携協定を締結。門真市が「みんなで“AKARI”アクション」活動に力を入れていることが大々的に知られるところとなりました。実島さんは、これを機に門真市内のあらゆる企業に活動への参画を促そうと奔走します。

宮本 一孝 門真市長から寄付をいただきました

「門真市内の多くの企業に知ってもらって、参加してほしいと思いました。リリースによりパナソニック1社の企業活動ではなく門真市が主体となっての活動であると明確になり、『地域貢献になるのだ』と受け止めて快く賛同くださる企業が多かったです。寄付後の使用実態が明確であったことも、一般的な寄付金の使われ方への不安を払拭したのだと思います」。現在、門真市では30個の回収ボックスが設置されています(2022年6月時点)。

門真市民プラザ
イオン古川橋駅店様
(株)タカゾノ様

設置場所が増えるにつれ、実島さんは「今度はあそこに置いたらどう?」と設置先を紹介されたり、「みたよ!」「本を持って行ったよ!」と声をかけられる機会が増えました。「驚きもありますが、門真市民は協力的だから、やっぱりと思う気持ちも強いです」と実島さんは嬉しそうに話します。各所の設置先から写真とともに定期的に実島さんにも連絡が入るそうですが、回収ボックスの中身は、絵本もあれば大人が読む書籍などもありバラエティ豊か。幅広い年齢層の方々の関心が伺えました。

設置側も市民も、みんなが熱い門真市の波

「学校という場以外で学ぶ生涯学習の目的は人が生涯にわたり学び・学習の活動を続け、 学習を通じていかに心豊かに過ごせるかということ」と実島さんは話します。「そのためには市民大学の講座を受講して終わりではなく学習のきっかけづくりとして、いかに展開させるかを私たちは常に意識しています。その点、今回の活動は、1企業だけでなく他の企業とも市民とも協力するという点で非常に新しく、これからの生涯学習、地域活動のカタチになるのではないかと感じました。」

門真市では、設置側の企業や団体だけでなく、市民の積極的な協力も特徴的です。実島さんは「自分にとっては不要となったけど捨てるのはもったいないと感じていた本やCD、DVDが今度は世界のどこかで役に立つんだという点が、多くの方の心に響いたのだと思います。人のために何かができることは、幸福感につながりますから。今回の活動で私が目指したのは、ますボックスをみて『これは何?』と注目してもらい、さらに『無電化って何だろう?』と疑問が湧き、『市民活動って何なんだろう?』と気づいてもらう。気づきは大きな学びになります。とてもよい気づきのきっかけづくりになって、パナソニックさんにとても感謝しています。」

門真市では、設置した企業がさらに関係先を紹介してくれるなど、今もまさに活動の輪は拡大中だそうです。「さらに新たな展開を考え中」という実島さん。門真市のうねりは、まだまだ大きくなりそうです。

ご協力いただきました門真市民の皆様

協力団体 : 特定非営利活動法人トイボックス

「こどもとちいき」をテーマに地域コミュニティが持続的に活性化するために人口減少時代に合わせた仕組みを構築し、こどもの成長に合わせた継続的で一貫した支援を実現し、すべてのこども達が笑顔で成長できる社会を実現することを目的にしています。

「みんなで”AKARI”アクション」は使い終えた本・CD・DVD・おもちゃなどをリサイクル頂くことで、どなたでも無電化地域にあかりを届けることができます。皆さまの行動が世界の誰かの未来を照らすことに繋がります。あかりを無電化地域に届ける活動に、ぜひご参加ください。

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