4人で始めた活動が、全校へ波及。
「地球にやさしくできて嬉しかった!」

2022年4月20日

八王子市立七国小学校の吉井先生(右)と、米山さん(左)・池田さん(中央)

無電化地域へあかりをお届けする活動、「みんなで“AKARI”アクション」。今回は、学校全体で取り組んでいただいた八王子市立七国小学校の取り組みについてご紹介します。活動の中心となった4年生の担任を務める吉井裕美先生に、お話を伺いました。小さなグループの活動をきっかけに、SDGsへの興味関心は、クラス全体へ、そして学校全体へと波及。子どもたちにも、大きな変化が生まれたそうです。

子どもたちの手で見つけ出した「みんなで“AKARI”アクション」

小学校4年生のカリキュラムには、子どもたちの探求心を養う「総合学習」という時間があります。学校長がSDGsに注力していることから、吉井先生のクラスでもSDGsを取り上げました。「SDGsとは何か」を、冊子等を活用して伝えた後、「では、自分たちには何ができるか」を子どもたちに問いかけ、実際に取り組もうと提案したことから活動は始まりました。

子どもたちは「やるぞ!」とスイッチが入り、グループを作って独自に調べ始めました。 「このグループは、始めは “寄付”に着目したのですが、募金などお金が必要な活動は『誰が出すか』という課題があり自分たちにできない。何かいいものはないかと、休み時間になるとタブレットとにらめっこしながら、『あれもダメ。これもダメ』とずっと探していましたね。」と吉井先生は話します。

そしてようやく見つけたのが“AKARI”アクション。リサイクルで送料も不要。そして寄付したものを売ったお金が電気になって発展途上国に届くというしくみ自体がとてもわかりやすく、子どもたちも「やってみたい!」となったそうです。

1つのグループの活動が学校全体へ

この授業ではグループごとに途中経過を発表する機会があります。 その際、子どもたちは「自分たちはこんな理由で古本を集めている」 と発表して、まずは「古本はこちらへ」という段ボール箱を廊下に おいて広く呼びかけました。さらに給食や休み時間などには、 隣のクラスや他学年のクラスにも古本を集めるために積極的に 説明に回ります。その時に質問を受けることも多いらしく、 自分たちも“AKARI”アクションの内容をより詳しく勉強していき、 子どもたちは自発的に活動を進めていきました。

手づくりのリサイクルBOX

“AKARI”アクションに取り組んだグループがいち早く活動を開始 しましたが、その子たちが事務室に電話を借りにきて問合せている 様子を見て、「何やっているんだろう」「すごいな」と刺激を受けた 子どもたちも積極的に活動を始められたそうです。

例えば、マイクロプラスチックが海にどのくらい落ちているのかを 、わざわざ海まで調べに行ったグループや、バングラディシュに 学習用品を寄付する活動に取り組んだグループもあります。「給食の 時間になると、どのグループも他クラスや他学年に活動をアナウンス しに行くために、急いで食べて出て行って、教室に誰もいなくなるんです(笑)。こんなに盛り上がるとは想像しませんでした。」

他のクラスへの説明用ポスター

「頑張れた」と胸をはれる活動に

活動時の問い合わせも子どもたち自身で行いました。子どもたちは メールの方が慣れていますが、その場ですぐに答えがわかる方が よいと電話を選びました。しかしとても緊張して、台本も自分たちで 作っていましたが、受話器を持ちながら震えていました。ひとつ 質問して回答をもらうごとに「ちょっと待ってください」と、 隣にいる吉井先生に確認をとります。「きっと電話の向こうの ご担当者は大変だったと思いますが、丁寧に対応してくださった おかげで、子どもたちいわく「頑張れた」そうです。」

きしゃぽんに問い合わせる子どもたち

そして今回の寄付総額が100円だったことに、子どもたちはみんな 驚きました。「『これだけ一生懸命やってもたいした金額にならな かった』『すごく頑張ったけど集まらなかった』という経験から、 寄付の大変さや多くの方を豊かにするのは簡単ではないんだという ことを学ぶことも、重要だと思っています。」後日、子どもたち宛に ”AKARI”アクションの運営協力を頂いている「きしゃぽん」※  の 久保田さん・中島さんから手紙が届き、皆「大成功だったし、私たち 満足よね」とすごく喜んだそうです。次の活動へのモチベーションと なり、吉井先生はまたやりたいなと子どもたちと話しています。
(*古本やCD・DVD、貴金属・ブランド品などを、嵯峨野株式会社が 運営する寄付サービス)

さらに活動を通して、SDGsにも興味を持ち、地球に対しても考えるようになったようです。活動に参加した米山さくらさんの作文があるので、ご紹介します。

「最近、テレビでは毎回SDGsのことを見ます。SDGsのことを知らない人も25%くらいいるようです。びっくりしました。私は学校の総合の授業でSDGsにどはまりしました。12番、作る責任、使う責任について勉強しました。池田さんらと一緒にチームを組み、本をリサイクルする取り組みをして、少しでも地球にやさしくすることができて嬉しかったです。外ではリサイクルマークをよく見ます。見れば見るほど興味が湧いてきます。なんで今まで地球が危ないということに気がつかなかったのだろうと思いました。これからも地球にやさしいことをしていきたいです」

教室での授業の様子
教室での授業の様子

「みんなで”AKARI”アクション」は使い終えた本・CD・DVD・おもちゃなどをリサイクル頂くことで、どなたでも無電化地域にあかりを届けることができます。皆さまの行動が世界の誰かの未来を照らすことに繋がります。あかりを無電化地域に届ける活動に、ぜひご参加ください。

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