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アフリカの子どもたちに給食を。支援と自らの健康管理の両立を図る試み

パナソニック独自の寄付の方法も。みんなが参加しやすい工夫を重ねて導入

今年1月から調査や各拠点での検討、調整を行って、8月から実施。現在は東京、大阪など8拠点の社員食堂で、TFTの活動に参加できます。最初に導入を決めた東京・港区にある東京パナソニックビルの人事総務グループ責任者、中村好伸さんに聞いた話を紹介しましょう。

「社員から、『子どもたちが温かい給食を食べられて、私たちはカロリーを抑えた食事をできるWIN-WIN(双方にメリットがある)の社会支援プログラムがある』と聞いたことが、始まりです。会社がポンと大きなお金を出すのではなく、従業員の力を結集して行う事業であることに意味があります。導入を決めた理由はもう一つあって、実は当拠点は社内でワースト2位の肥満陽性率の高さなのです。ワースト2脱出と、全社的に給食事業支援を広げるパイロット版として考えています」

写真:レジの横に積まれた寄付用の小皿と、それを取る社員

レジ横に積み上がった小皿。TFTメニュー以外を選んだ人はこの小皿1枚が20円の支払いとなります。みなさん、次から次へと小皿を取り、レジに出す人が多くて驚きました。

写真:社員食堂で支援のきっかけを語る、なかむらさん

渉外本部の中村好伸さん。「パナソニックの寄付で1校運営するのが第一ステップ。グローバルに展開するのが将来の夢です」と語ります。

ここの社員食堂では、毎週月曜日、丼ものと麺類の2メニューを、TFTのガイドラインに沿った野菜中心の栄養バランスがとれた料理としています。さらに、支援だけをしたい人は、レジに指定の小皿を出せば20円支援できる仕組みにしています。これは、「その日のTFTメニューが好みじゃない人も参加できるように」と考えた中村さんのアイディアです。麺類を対象にしたのも、昼は麺類しか食べない中村さんの発案。その結果、1日700食のうち200食がTFTメニューとして出るうえに、寄付だけの人も含めて毎週約4割の人が寄付をするという結果が出ています。この好成績を教えてくれたのは、このビルと品川の2拠点で食堂の管理運営を担当する総務担当マネージャー、中島康行さんです。

「社内でこの試みを立ち上げるに当たって、苦心したのは社員に主旨を理解してもらうことです。TFT提供のPOPもテーブルに置いていますが、それ以外に大きな文字で書いた手づくりのポスターを作って目につくところに貼り、告知することにしました。メニューを考案するに当たっては、幸い、ここの食堂を担当するエームサービスさんが他の企業でのTFT実施経験があり、積極的に協力してくださいました。最初は定食ものも出したのですが、味が薄くなりがちなローカロリーメニューは人気が下がりがち。満腹感の得られる丼ものにすると、完売するようになりました」

写真:TFT導入の苦労や利用拡大の工夫を語る、中島さん

パナソニックビジネスサービス株式会社の中島康行さん。「以前から社会貢献には興味を持っていました。健康志向で、社会貢献ができるTFTはいいプログラムだと思います」

写真:社員食堂の入り口に置かれた、丼と麺類のTFTメニュー2種

この日の東京パナソニックビルのTFTメニューは、きんぴら麦ご飯と鶏照焼丼セット、490円。野菜タンメン410円でした。

写真:食堂のテーブルに置かれたTFTへの参加を呼びかける立て札

中島さんの手製POP。認知度を上げるための苦労がしのばれます。