平成29年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞（開発部門）を受賞

2017年4月19日、平成29年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰の表彰式が開催され、パナソニック株式会社から5名が科学技術賞（開発部門）を受賞しました。

同賞は、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、もって日本の科学技術水準の向上に寄与することを目的とし、文部科学省が表彰しています。

今回の当社の受賞者と業績は以下のとおりです。

藤原 弘明／オートモーティブ ＆ インダストリアルシステムズ社 電子材料事業部 部長
古森 清孝／同 課長
井上 博晴／同 課長
北井 佑季／同 主任技師
橋本 昌二／松下電子材料蘇州 有限公司 経理

インターネットのデータトラフィック量の爆発的な増大に伴い、ITインフラ機器では信号処理の高速・大容量化が要求され、それらに搭載される電子回路基板には低伝送損失、高多層化が求められていました。そのため回路基板材料には、低誘電性、層間に均一に樹脂を充填するための高樹脂流動性、高耐熱性が要求されていました。また、環境負荷低減のため鉛フリーはんだへの対応も求められていました。

本開発では、新規の低分子量ポリフェニレンエーテル樹脂とポリマーアロイ化による、独自の樹脂設計技術により、従来技術では困難であった低誘電性と高樹脂流動性の両立、ならびに高耐熱性の付与を可能としました。さらに、超低粗化銅箔の表面処理を最適化することにより低伝送損失化と高い界面密着力を両立しました。

高耐熱、高多層、高速伝送対応回路基板材料

藤原 弘明

このたび名誉ある文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞することができ、たいへんうれしく光栄に思います。高速伝送対応多層基板材料「MEGTRON（メグトロン）」の開発・実用化に関わった多くの社内外の皆様に心から感謝を申し上げるとともに、長年、私を支えてくれた家族に感謝します。開発をスタートしてから約15年、日本や海外の多くのお客様に本材料をお使い頂き、社会発展の貢献に微力ながらお役に立てたことを誇りに思っています。今後もお客様に喜んで頂き、社会の発展に貢献できる商品・技術の創出に取り組んで参ります。

古森 清孝

この度、このような名誉ある賞を受賞することができたことは、諸先輩方を始め関係者の皆様方のご支援ご協力の賜物で、感謝申し上げます。また、セットメーカ様、プリント基板メーカ様、原材料メーカ様の皆様にも多大なご支援ご協力を得られたことも大きな成功要因と感じ、感謝致します。これを励みに、引き続き高付加価値新商品で社会に貢献する所存です。

井上 博晴

材料は商品として表舞台に出てこないため、一般の方にはあまり認知されていません。そのような中で、このような名誉ある賞を頂いたことは材料開発に携わる者として、大変嬉しく思っております。今回の受賞を励みに、今後も産業界へ貢献できるよう技術開発および商品の実用化に取り組んでいきたいと思います。

北井 佑季

この度は、文部科学大臣表彰科学技術賞をいただけたことに驚くとともに、大変うれしく思っております。高速・大容量通信は世の中の大きなトレンドになっていますが、その基幹ネットワーク機器の高性能化を陰ながら支える材料を開発できたことを誇りに思っています。今後も社会ニーズに合致した技術や商品を開発し、より豊かな暮らしの実現に少しでも貢献したいと思います。

橋本 昌二

このような名誉ある賞を頂き、大変光栄に存じます。量産に至るまでには様々な製造課題・品質課題がございました。課題を解決していく過程において、社内外を含め多くの方々にご支援を賜りました。これら無くしては、実用化は成しえなかったと思います。心より感謝申し上げます。これを励みに、今後も量産安定化、技術開発に取り組んでまいりたいと思います。