HRモダナイゼーション
〜最先端テクノロジーによる社員体験価値の向上と⼈材マネジメント変⾰〜

「HRモダナイゼーション」は、「組織カルチャー変⾰」、「未来を創る多様な変⾰型リーダーの開発‧登⽤」と並ぶ、パナソニックグループにおける⼈的資本経営の重点取り組みの⼀つです。この取り組みを推進するため、⼈材マネジメントのあらゆる領域で最先端テクノロジーを活⽤しています。

HRモダナイゼーションによる変⾰

HRモダナイゼーションは、最先端テクノロジーとデータを活⽤し、社員の働き⽅や⼈材マネジメントのあり⽅を進化させる取り組みです。⼈事データや⽣成AIを駆使して、パナソニックグループで働くすべての社員の体験価値を向上させるとともに、組織‧⼈材マネジメントの最適化を図ります。さらに、⼈事業務の標準化‧効率化を推進することで、⼈事機能が事業戦略を⽀えるプロフェッショナル集団へと進化。⼀⼈ひとりがより創造的な仕事に集中できる環境を整え、社員⼀⼈ひとりのポテンシャルを最⼤限に引き出しながら、グループ全体で成果を共有し、社員の成⻑と組織の競争⼒強化につなげていきます。

「社員の体験価値向上」、「組織・人材マネジメントの高度化」、「HRに関わるオペレーションの効率化」の3要素をそれぞれアイコンで表現した図版

社員の体験価値向上に向けて


  • スキルの可視化と成⻑促進:ジョブディスクリプション(JD)と紐づけて⾃⾝のスキルや強み、課題を把握したうえで、今後の学びの機会を選択でき、短期間での成⻑が可能に。
  • キャリアの選択肢拡⼤:社員⼀⼈ひとりのスキル情報をもとに、AIが最適な研修や社内の新たなポジションを提案。キャリアの選択肢を広げることが可能に。
  • キャリアの⼀貫性維持:グループ内の別事業会社へ異動してもスキルデータを引き継げるため、中⻑期にわたって継続的なキャリア形成が可能に。

組織‧⼈材マネジメントの⾼度化に向けて


  • ⼈材ポートフォリオの可視化:グループ共通軸で⼈材‧スキルのポートフォリオを統⼀して可視化。⼈的リソースの課題を把握し、解決策を迅速に検討可能に。
  • 適材適所の実現:空きポジションにフィットする⼈材を、社内外から迅速に⾒つけることが可能に。
  • 外部ベンチマークの活⽤:グローバル標準のジョブ定義やスキルライブラリを使⽤することで、市場価値に⾒合った報酬設定が可能に。

HRに関わるオペレーションの効率化に向けて


  • 求⼈業務の⾃動化:JDとの連動や⽣成AIの活⽤により、キャリア採⽤や社内公募等の求⼈票を迅速に作成可能に。
  • 異動発令業務の効率化:グローバル標準の機能‧プロセスを活⽤して、異動発令などの⼈事業務を効率的かつ迅速に実施可能に。
  • 最新テクノロジーの活⽤:システムの定期アップデートにより、⽣成AIなどの最新機能を常に享受可能に。
  • スキルマスタの⾃動更新:年数回のマーケットデータの⾃動取り込みにより、スキルマスタの鮮度の維持向上が可能に。

関連情報:
‧HRモダナイゼーションは、パナソニックグループの「PX:7つの原則」ともリンクした取り組みです。システムの標準機能を積極的に活⽤することで、カスタマイズ開発を抑制し、グループ全体の⼈事システムのコスト適正化につながっています。

‧HRモダナイゼーションは、従業員意識調査における「⾰新的な働き⽅や仕事の進め⽅」の設問の肯定回答率向上にも寄与する取り組みです。

HR領域の変⾰事例

⽣成AIを活⽤し、HR領域の変⾰を加速する新たな仕組みが次々と⽣まれています。ここでは、キャリア⽀援の新しい形、⼈事サービスの進化、社員向けAI利活⽤基盤の整備などの事例をご紹介します。


⽣成AIを活⽤した学⽣の初期キャリア選択⽀援

パナソニックグループでは、⼈と⽣成AIを組み合わせたハイブリッドな採⽤活動を展開しています。2024年度には、学⽣が気軽に相談でき、共にキャリアを考える存在として、「AI Career Supporter」を導入しました。さまざまな事業領域と職種の組み合わせで数百種類の実習型インターンシップがある中、⽣成AIが学⽣の専攻や志向、⾏動特性に基づいて最適なテーマを提案。さらに、就職活動の選択肢に関するアドバイスも提供し、初期キャリアの検討をサポート。利⽤者アンケートでは、93%の学⽣が継続利⽤を希望するなど、⾼い満⾜度が得られています。

画像:「AI CAREER SUPPORTER」のUIサンプル

⼈事業務特化型の⽣成AI研修

パナソニックグループでは、⼈事業務における⽣成AIの利活⽤を推進するため、全社的な研修を実施しています。パナソニック ホールディングスおよび事業会社の⼈事社員を対象に、必須研修と位置づけ、⼈事全体で共通的に持つべき⽣成AIの活⽤⽅法について解説。実際の業務での活⽤シーンを想定した演習も取り⼊れ、受講後のスムーズな実践につなげています。受講者数は1,600⼈を超え、研修を通じて⽣成AIの活⽤が着実に根付きつつあります。

画像:Panasonic Transformation (PX) のロゴ

⽣成AIを活⽤した社内公募等のキャリア相談

パナソニックグループでは、年間約1,200⼈が公募異動を通じて新たなキャリアに挑戦しており、そのうち約500⼈はグループ共通制度を活⽤しています。こうした社内公募の仕組みをより多くの社員が活⽤しつつ、⼀⼈ひとりが⾃律的にキャリアを形成できるよう、⽣成AIを取り⼊れたキャリア相談ツールとして「公募AIキャリアサポート」を導⼊しました。
公募異動を検討中の社員が画⾯を開いて相談を開始すると、「キャリア相談」または「ポジションマッチング」のテーマを選ぶことができます。⽣成AIとの対話を通じて、⾃⾝の価値観を可視化し、今後のキャリアについて検討を進めやすい仕組みとなっています。

画面:「公募AIキャリアサポート」のUIサンプル

社員7万⼈向けのAIワンストップ⼈事サービス

⽇本地域の約7万⼈の社員向けに、「ワンストップ⼈事サービス」を提供しています。このサービスでは、個々のニーズに合わせた「マイページ」で⼈事情報や問い合わせの⼊⼝を⼀元化し、AIチャットボット「バーチャルエージェント」で⾃動回答‧申請を⽀援。さらに、従来の対⾯対応の安⼼感を「メタバース」で実現し、複雑な問い合わせには専⾨の「コンシェルジュ」が直接対応することで、セルフサービスと有⼈対応を融合した全⽅位のサポートを実現しています。

ワンストップ人事サービスの全体像。「マイページ」や「バーチャルエージェント」、「メタバース」、「コンシェルジュ」の機能で構成されている。

⾃社特化型のAIアシスタントサービス「PX-AI」

パナソニックグループでは、DX戦略「Panasonic Transformation(PX)」の⼀環として、2023年4⽉より⾃社特化型のAIアシスタントサービス「PX-AI」を国内約9万⼈の社員に提供開始。現在では、グローバルを含む約18万⼈へと展開を拡⼤しています。また、各事業会社の社内情報を反映したRAG(検索拡張⽣成)の構築も試⾏。さらに、⽣成AIを搭載した商品‧サービスの開発や、技術部⾨と連携した業務への活⽤の促進など、⽣成AIの利活⽤領域の拡⼤を図っています。

画面:「PX-AI」のUI
  • 「組織カルチャー変⾰」「未来を創る変⾰型リーダーの開発‧登⽤」「HRモダナイゼーション」という3つの重点取り組みの推進状況や、人材と多様性・働き方、キャリアに関する基本情報については、データで見るパナソニックグループの人的資本経営をご確認ください。