ブランド保護の取組み
企業の重要な資産であるブランドその他の知的財産を無断で使用し、権利者の築き上げたブランド価値にただ乗りする模倣品は、お客様に対して品質問題(事故・ケガ)を引き起こすだけでなく、社会全体に対して下記のような問題を引き起こし、健全な社会づくりの阻害要因となり得ます。
- 経済的損失 : 税収減、開発意欲の減退
- 安全問題 : 犯罪/テロ組織の資金源、国家安全保障の脅威の増大
- 環境問題 : 押収された模倣品の廃棄、製造工程での衛生管理や原材料調達への配慮
そのため、模倣品対策は、企業の社会的責任であると考えています。当社グループは、「お客様の保護」、「ブランドを含む知的財産の保護」の視点に加え、「社会課題の解決」という視点で、模倣品対策に取り組んでいます。 2019年には、当社グループの働きかけも一助となり、日本政府の「SDGsアクションプラン」への「模倣品対策強化」の追加が実現しました。現在では、模倣品対策の業界団体である国際知的財産保護フォーラム(IIPPF)において、「模倣品の撲滅はSDGsの達成に貢献する」という考えのもと、当社グループは、政府・他社・各国政府と連携し、積極的な活動を推進しています。
当社グループは、お客様や社会に被害が及ぶことを阻止するために、上流から下流まで模倣品の様々な流通段階において幅広い対策をグローバルで実施しています。
具体的対策
作らせない
売らせない
EC市場対策
Eコマースにおける模倣品出品サイトの巡視及び削除申請
販売店舗摘発
模倣品販売店や、倉庫等の摘発に向けての調査や当局との協力
税関対策
税関での模倣品を差止すべく、税関登録や税関職員向けの研修実施
買わせない
消費者啓発活動
お客様や取引先向けの注意喚起
啓発動画を制作し、動画を通じたデジタルでの啓発活動
<消費者啓発動画>
出前授業
学生等向けの知財啓発教育
<活動例>
- 当局主催の研修への当社講師派遣
例)特許庁による海外途上国職員の人材育成研修(2019年、2020年、2022年、2023年)
USPTO主催のASEAN職員向け研修(2021年)等 - 出前授業 2022年度私の行き方発見プログラム ~和歌山県立 古佐田丘中学校~
- 出前授業 2022年度私の行き方発見プログラム ~広島県 広島市立安西中学校~
<出前授業参加生徒の感想例>
- 電化製品を作る会社と思っていたが、偽物の取締りもして、地球のためにも活動していることを知った。
- これからの自分の将来にも関わってくるので、偽物に注意しようと思った。
- SDGsや偽物についてもう少し関心を深めようと思った。
ロビー活動
業界団体活動
日本政府や業界団体を通じての外国当局に対して法制度や法運用の改善を求める働きかけ
<活動例>
- IIPPFを通じての海外政府との意見交換(運用やルール改正等)
- IIPPFでの幹事としての活動(2021年度 国際知的財産保護フォーラム)
- 啓発ワーキング・グループの立ち上げによる社会全体での啓発活動の推進
関連ニュース
2023年6月9日
当社が幹事を務めるIIPPF業界活動で、初めてWCO(世界税関機構)との共同で、大学生向けに啓発活動を実施
昨今の急増するオンラインの模倣品に対しては、従来の権利者の対策だけでは十分ではなく、社会全体で取組むことで、模倣品の撲滅・より良い社会になるという考えのもと、賛同する各企業・団体の皆さまと共に、特許庁・ジェトロのサポートを受け推進致しました。
ゼロからの企画ということで、会場探しやチラシも手作りでしたが、活動の趣旨に賛同頂ける大学もみつかり、会場等多大なるサポートのお陰で、無事開催できました。
―「国際ファッション専門職大学様」コメント:
今回初めて接点をもちましたが、IIPPF幹事であるパナソニックさんの「社会のために」という熱い思いに共感し、会場提供等を決めました。
参加の各企業さんの事例も非常に興味深いものであり、素晴らしい業界の活動と感じております。