写真:車いすでオフィスを移動する社員 写真:車いすでオフィスを移動する社員

ダイバーシティ、エクイティ、そしてインクルージョン。
パナソニックグループが、これらをどのように定義しているのかをご紹介します。

「DEI」とは?

「Diversity」「Equity」「Inclusion」それぞれの概念を表した図

「DEI(ディー・イー・アイ)」は、「Diversity(ダイバーシティ、多様性)」「Equity(エクイティ、公平性)」「Inclusion(インクルージョン、包括性)」の頭文字からなる略称です。企業経営において、社員それぞれが持つ多様な個性が最大限に活きることがより高い価値創出につながる、という認識が近年拡がりつつあり、DEIの取り組みが推進されています。

パナソニックグループでは、DEIを次のように定義しています。

Diversity(ダイバーシティ、多様性)
挑戦する一人ひとりの個性を互いに受け入れ、尊重し、個性に価値を見つけることです。
ここでいう個性とは、人の内面や外面、つまり価値観、文化、宗教、性格、経験、性的指向、性自認、人種、民族、国籍、言語、性別、年齢、障がい、健康、家族、社会的地位、学歴、職歴等のあらゆる違いを指します。

Equity(エクイティ、公平性)
挑戦する一人ひとりに対する機会の提供の公平性を追求することです。
それは一人ひとりの個性に応じて、誰もが情報やツール、仕組みなどを活用して挑戦する機会を得られるように支援し、公正に処遇する職場を実現することです。

Inclusion(インクルージョン、包括性)
挑戦する一人ひとりが個性を発揮し、組織として活かしあうことです。
それは会社の目指す方向に向けて貢献したいと願う一人ひとりが主体的に経営に参加し、言うべきことを言い合える状態です。その結果、私たちはより高い価値を生み出すことができます。

DEIを推進する理由とは?

DEI(ディー・イー・アイ)は、最近登場した新しい概念のように思われがちですが、じつはパナソニックグループのルーツそのものです。⼀⼈ひとりが持てる能⼒・スキルを最⼤限発揮し、お客様や社会へのお役⽴ちを果たすため、DEIの取り組みをグループ全体の経営基本⽅針の実践の⼀つとして位置付け、推進しています。

創業者 松下幸之助の想い

写真:従業員と談笑する創業者 松下幸之助

創業者 松下幸之助はかつて、すべての人に異なった天分、特質が与えられているとして、次のように語っています。

「天は二物を与えず、ということわざがありましょう。これは裏を返せば、天は必ず一物は与えてくれているということだと思うのですね。そのように、異なった天分、特質が与えられているということは、いいかえれば万人万様、みな異なった生き方をし、みな異なった仕事をするように運命づけられているとも考えられます。ある人は政治家として最もふさわしい天分が与えられているかもしれない、またある人は、学者に、技術者に、商人にといったように、みなそれぞれに異なった使命が与えられ、異なった才能が備えられていると思うのです。

成功というのは、この自分に与えられた天分を、そのまま完全に生かし切ることではないでしょうか。それが人間として正しい生き方であり、自分も満足すると同時に働きの成果も高まって、周同の人々を喜ばすことにもなると思います。そういう意味からすれば、これこそが“人間としての成功”といえるのではないでしょうか。」

創業者 松下幸之助の想いを継いで、私たちは挑戦する社員一人ひとりがその個性と能力を存分に発揮できる環境づくりを重視し、DEIの取り組みを推進。素直な心で衆知を集める経営に挑戦し、社会課題と向き合い、解決を図ることで「理想の社会」の実現、より多くの人々の幸せに貢献していきます。

「経営基本方針」としての実践

写真:1960年の「経営基本方針」表紙
1960年代に発刊した
「経営基本方針」
画像:2021年の「経営基本方針ハンドブック」表紙。「船の舵を取る船長の手元」のイラスト
2021年にリニューアルした
「経営基本方針ハンドブック」

パナソニックグループは、全ての企業活動を進める上で、創業者の松下幸之助によって確立された経営理念に則ることを趣旨としてまいりました。

2022年4月に自主責任経営の徹底を目的として新たな「事業会社制」に移行しましたが、これに先立ち、綱領に謳われた「社会生活の改善と向上を図り、世界文化の進展に寄与」する、すなわち私どもの事業の目的である「社会の発展への貢献」を実践する際の拠り所となる「経営基本方針」を、現在の社会情勢や事業環境に照らしながら約60年ぶりに大きく改訂いたしました。

一人ひとりが持てる能力・スキルを最大限発揮し、その一人ひとりがあるべき理想の姿を考え抜き、お互いに言うべきことを言い、多様な人財の異なる意見を積み重ねて迅速に質の高い意思決定をし、弛みなく改善を重ねることで、誰にも負けないお客様や社会へのお役立ちを果たす。そして常に現在の状況を素直に見極め、社会の状況に合わない、あるいはより良い方策があるならば、躊躇せず少しでも早く新たなより良い道を選ぶ。私たちが本来持っていたこの基本的な考え方と行動の指針を再び浸透させるための改訂です。

グループ全体のDEIの取り組みについても、「経営基本方針」の実践の一つとして推進してまいります。

出典:パナソニックグループの経営基本方針(「はじめに」を要約しております)

経営基本方針の実践を目指すための行動指針

グループ共通の行動指針として、「Panasonic Leadership Principles」をトップダウン&ボトムアップで議論しながら策定しました。チームを持つマネージャーであるかどうかにかかわらず、一人ひとりがリーダーシップを発揮し、日々この行動指針を実践しています。

Panasonic Leadership Principlesのロゴマーク

関連情報:

社員の自発的なコミュニティ活動(ERG)

パナソニックグループでは、会社の取り組みとは別に、所属や職位に関係なく「経営や職場をよくしたい」という想いを軸に仲間が集まり、自発的なコミュニティ活動を展開しています。コミュニティのテーマはさまざま。障がい、ジェンダー、ビジネスモデル構築、技術開発、居場所づくりなど多岐にわたります。

※ERG: Employee Resource Group(従業員リソースグループ)の略。ここでは、同じ価値観や思いを持つ社員が事業会社・部門を越えて主体的に活動する組織・団体全般を指します。