パナソニックグループにおける変化の兆し
「組織カルチャー変革」や「変革型リーダーの開発・登用」などの取り組みを通じて、人と組織の可能性を引き出す変化が各組織へ広がっています。こうした小さな変化の兆しがやがて大きなうねりとなり、グループ全体の進化を加速させる力へとつながっていく。その可能性を信じ、人と組織のポテンシャルを最大限発揮できる環境づくりをさらに推し進めていきます。
各組織での変革事例
各組織の部門長は、組織や事業の状況を踏まえて「組織デザイン:6つの原則」を元に自由に組織カルチャーをデザインし、具体的なアクションプランへと落とし込むことができます。実際に変革が進んでいる組織では、リーダーが起点となってさまざまな取り組みが実践されており、成果が生まれています。
IHクッキングヒーターSBU(パナソニック株式会社)
IHクッキングヒーターSBU※では、「UNLOCK Our Potential with Speed」を掲げ、現場の実行スピードにこだわった変革を進めています。例えば、拠点のワンフロア化や経営情報のオープン化、日々のミニ経営会議を通じて現場課題を迅速に共有し、その場で意思決定しながら実行のスピード向上を図っています。さらに、公募による課長ポストの総選抜を実施したり、部門長直下に「部長付きポジション」を設けて将来のリーダー候補に大きな権限を委ねたりすることで、一人ひとりの挑戦の後押しと変革型リーダーの育成につなげています。
※「SBU」は「Strategic Business Unit」の略称で、BU内の特定の事業領域を担う組織単位です。
アビオニクスBU(パナソニック コネクト株式会社)
アビオニクスBU※では、Happy Colleagues (仲間たちの幸せ)を掲げ、タイムリーかつ共感を重視した戦略発信や手挙げによる挑戦の機会の創出などに取り組んでいます。例えば、毎月開催する「All Hands Meeting(全社員参加のミーティング)」では、経営陣とメンバーが戦略や取り組みを共有する対話の場を設けています。社員自身が登壇し、自らの言葉で実践内容を発信することで、戦略への理解と共感を深めています。 また、社内コミュニケーション基盤を活用した日常的な対話に加え、海外駐在や経営参画などの手挙げ制プログラムを通じて、社員の主体的な挑戦を支援。さらに、部門横断の1on1などを通じて、組織の枠を越えて協働できるカルチャーの醸成に取り組んでいます。
※「BU」は「Business Unit」の略称で、事業運営を担う組織単位です。
モバイルソリューションズ事業部(パナソニック コネクト株式会社)
モバイルソリューションズ事業部では、「利益にこだわる経営」の実現に向けて、事業の無駄を徹底的に見直す改革を推進しています。改革の背景や方針は、All Hands Meetingや1 on 1ミーティングなどを通じて社員と共有しながら進めています。
また、経営数値や会議資料をできる限りオープンにし、組織のフラット化による迅速な意思決定を推進。さらに、人材の流動化や抜擢を通じて多様な知見を取り込み、業績向上と社員エンゲージメント向上につなげています。
中国・北東アジア社(パナソニック株式会社)
中国・北東アジア社では、「中国のことは中国で決める」という方針のもと、社員4000人の意見も取り入れながら「組織デザイン:6つの原則」に基づいた組織デザインに取り組んでいます。意思決定の面では、「チャイナスピード、チャイナコスト、チャイナスタイル」の実践を重視。現場に近い意思決定体制を確立することで、市場や顧客の変化に迅速に対応できる組織を目指しています。また、現地社員のリーダー登用を積極的に進め、多様な人材が活躍できる環境を整備。さらに、他社や他拠点からの学びを推奨し、外部の知見を積極的に取り入れることで組織の成長を加速させています。
グループ横断型の変革事例
「組織デザイン:6つの原則」を構成する6つのテーマ「評価・報酬(Reward)」「意思決定(Decision Making)」「情報共有・学びのプロセス(Information)」「採用・トレーニング・リーダー選抜(People)」「仕事デザイン(Task)」「組織構造・配置(Structure)」それぞれについても、グループ横断型の取り組みが加速しています。
大部屋活動
パナソニックグループの国内外の拠点では、現場の課題を迅速に解決するための手法として「大部屋活動」を導入しています。事業部門のトップをはじめ、製造、技術、生産技術、品質管理、調達、管理などの責任者・担当者が定期的に集まり、組織や機能の垣根を越えて課題を共有。その場で議論し、対策や方向性を決定することで、迅速な意思決定につなげています。
パナソニック インダストリーのフィルムキャパシタBU 富山拠点では、毎朝30分の大部屋活動を実施。さまざまな困りごとを組織横断で議論し、その場で対策を決定しています。例えば、出荷プロセスの改善により、リードタイムを3日から半日に短縮するという成果も生まれています。
レジリエンスプログラム
パナソニックグループでは、人間の特性への理解を深めることを通じて一人ひとりの能力を最大化し、変化に強い人と組織になることを目的とした「レジリエンスプログラム」を2021年度に導入しました。本プログラムでは、「Peak Performance」「Resilience」「Integration」の3つの軸のもと、医学・心理学的知見を活用しながら、個人と組織の成長について学びます。このプログラムを経てレジリエンスを高めた社員が主体となり、共通目的に向かって困難なプロジェクトに挑むチームの結成、開発・製造・販売を一体化させた活動の加速、多様な職種の知見を結集した新商品開発など、さまざまな成果が生まれています。
また、2025年度からは、電機メーカーや半導体メーカーなどの経営層が参加する他社合同プログラムも実施しています。
AI利活用促進:日本での取り組み
パナソニックグループでは、自社独自のAI基盤を活用しながら、職場でのAI利活用を推進しています。毎年、日本地域の社員約7万人を対象に実施しているアンケート調査では、2025年度の生成AIの業務利用率は66%となり、前年から29ポイント向上しました。
また、自ら手を挙げた社員が活動する「PXアンバサダー」制度では、現場からのリクエストに応じて課題解決を支援。2025年度は62人のアンバサダーが活動し、386件の現場課題の解決につなげました。さらに、「現場PXコンテスト」では生成AIなどを活用した先進事例を募集。2025年度は272件の応募テーマが集まり、その中から優れた取り組み3件を表彰しました。
AI利活用促進:中国での取り組み
パナソニックグループの中国地域では、独自のAI基盤「OoKoO」を構築し、カルチャー醸成、業務へのAI活用、AIプラットフォームおよびガバナンス体制の構築を一体的に推進しています。2025年度は利用者数8,500人、利用回数延べ292万回を記録し、約73万時間の業務工数削減につながりました。
また、「AI推進アンバサダー」制度では、70人のアンバサダーが活動し、計32回のワークショップを開催するなど、現場課題の解決に向けたAI活用を支援しています。「AI教育プラットフォーム」は53社・6,400人に展開され、学習時間は延べ58,032時間に達しました。さらに、「AIコンテスト」ではAI活用事例を募集し、2025年度は計3回のコンテストを実施。在華法人向けコンテストには15社23テーマ、全社員向けコンテストには延べ2,607人が参加し、優れた取り組みを表彰しました。
ジョブ型人材マネジメント
パナソニックグループの一部の事業会社では、社員の主体的なキャリア形成や事業競争力の強化を目的に、ジョブ型人材マネジメントの取り組みを進めています。
例えば、パナソニック インダストリーでは、「マネジメント」と「スペシャリスト」の2つの等級体系を導入し、多様なキャリア形成を支援しています。また、パナソニック コネクトでは、ジョブディスクリプションによる職務・役割の明確化や事業戦略と連動した人材配置を推進し、成長領域での人材強化につなげています。さらに、内閣官房主催の「ジョブ型人事推進会議」にも参画し、自社の取り組み事例を紹介するなど、「ジョブ型人事指針」の作成にも協力しています。
パナソニック インダストリーにおけるジョブ型人材マネジメントのサイクルを示した図
アルムナイコミュニティ
パナソニックグループは、退職後もアルムナイ※と緩やかにつながることができる「アルムナイコミュニティ」を2024年4月に本格始動しました。コミュニティにはアルムナイと現役社員が参加でき、現在685名(2026年7月時点)のメンバーが参加しています。メルマガ配信やオンラインイベント、年1回程度のリアルイベントを通じてネットワークを築ける機会を提供。仕事や立場を問わず気軽に参加できる場とし、多様な経験を持つアルムナイとのつながりを通じて新たな協業・共創が生まれています。
※アルムナイとは英語で「卒業生、同窓生」という意味があり、一般的には定年退職者以外の離職者を指す。
社員の自発的なコミュニティ活動
パナソニックグループでは、社員が自発的に集まり、経営や職場をより良くするためのコミュニティ活動(ERG:Employee Resource Group)が活発に行われています。所属や職位を超え、同じ価値観や関心を持つ仲間がつながることで、新たなアイデアや協力関係が生まれています。テーマは、障がい・ジェンダー・技術開発・ビジネスモデル構築・居場所づくりなど多岐にわたり、事業や職場環境の改善にも貢献。2024年7月開催の社内イベント「ERGカーニバル2024」には、26団体が参加しました。社員一人ひとりのつながりが、グループ全体の変革を後押ししています。
違いを強みとして活かす、DEI(Diversity, Equity & Inclusion)の取り組み
パナソニックグループは、人的資本経営に関わる取り組みの一環として、ダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)、インクルージョン(包括性)を推進しています。
一人ひとりが互いの個性を受け入れ、組織として活かしあうことで、より高い価値を生み出し、社会へのお役立ちを果たせるよう、様々な取り組みを推進しています。
重点取り組みの推進状況や、人材と働き方に関する基本情報については、データで見るパナソニックグループの人的資本経営をご確認ください。





