未来を創る多様な変⾰型リーダーの開発‧登⽤
〜ポテンシャル重視で、多様な変⾰型リーダーを⼤胆に登⽤〜

「変⾰型リーダーの開発‧登⽤」は、「組織カルチャー変⾰」、「HRモダナイゼーション」と並ぶ、パナソニックグループにおける⼈的資本経営の重点取り組みの⼀つです。多様な意⾒を積み重ねて質の⾼い意思決定を⾏い、変⾰を推進できるリーダーの継続的な育成に取り組んでいます。

多様な変⾰型リーダーの⼒で、より良い意思決定を

持続的な事業成⻑を通じて「物と⼼が共に豊かな理想の社会」を実現するには、質の⾼い意思決定が⽋かせません。そのためには多様な変⾰型リーダーの育成と登⽤が不可⽋です。パナソニックグループでは、経営者に求められる⼈材要件として、経営基本⽅針の実践を⽀える「Panasonic Leadership Principles」(11項⽬)のリーダーシップ⾏動に加え、以下の要素を重視しています。

  • 経験:事業経営、海外拠点の経営、ビジネス創出など
  • 知⾒とスキル:意思決定‧判断⼒、戦略⽴案‧実⾏⼒など

「未来を創る多様な変⾰型リーダーの開発‧登⽤」においては、経営における質の⾼い意思決定を実現していくために、各社の経営チームにおける多様性(⼥性‧⽇本以外の国籍‧キャリア⼊社者)⽐率を重要指標と設定しました。また、性別による能⼒の差はないにもかかわらず、⽇本地域では当社グループの管理職に占める⼥性の割合が低い現状があります。この現状を、違いを強みとして活かし新たな価値を⽣み出していくDEI推進の課題の代表事例と位置付け、⽇本地域における⼥性管理職⽐率も重要指標としています。

変革型リーダー育成のためのKPIを示した図表。「経営チームにおける多様性比率」の目標は2028年時点、2031年時点ともに半数以上であるのに対し、2025年時点の現状は54%(7人/13人)。日本地域における「女性管理職比率」の目標は2028年時点12%、2031年時点16%であるのに対し、2025年時点の現状7.9%。

※1 上記は、パナソニック ホールディングスにて設定‧モニタリングしているKPIです。今後は、各事業会社でもモニタリング予定です。

※2 現状の経営チームにおける多様性とは、2025年4⽉1⽇付けのパナソニック ホールディングスの執⾏役員13⼈のうち、「⼥性:5⼈、キャリア⼊社:5⼈、⽇本以外の国籍:2⼈」となっており、これらの属性の重複を除くと7⼈が該当します。

質の⾼い意思決定を⾏うために

パナソニックの未来を創る後継者育成


不確実性が⾼まる事業環境においては、理想の未来を⼤胆に描き、多様な視点を活かして質の⾼い意思決定を実⾏し、変⾰を推進できるリーダーの存在がこれまで以上に重要となります。
こうしたリーダーを継続的に育成するため、「グループの全重要ポストの⼈材要件とサクセッションプランの策定」、「中⻑期かつ意図的な後継者の⾒出し‧育成‧モニタリング」を推進しています。

後継者育成計画の策定と推進フローを示した図。左から順に、「グループの全重要ポストの人材要件の設定・可視化」、「サクセッションプランの策定(多様性推進のアクション加速)」、「中長期かつ意図的な後継者の見出し・育成・モニタリング(女性/日本地域以外人材の登用加速)の3段階になっている。

重要ポストに求められる⼈材要件を明確化し、次世代リーダーの計画的な育成と配置するための仕組みとして「タレントマネジメントコミッティ」を設置。短期‧中期‧⻑期の視点で「後継者の⾒出し(みいだし)‧育成‧モニタリング」を実施しています。

なお、パナソニックグループにおける経営ポストは以下の2体系があり、これらに対して後継者育成のプラットフォームを整備し取り組みを進めています。

  • トップ経営層:事業会社社⻑、分社社⻑、パナソニック ホールディングスの執⾏役員
  • 事業経営層:事業会社執⾏役員、分社経営会議メンバー

上記のうち、トップ経営層の後継者育成については、候補者を「即時任命可能な⼈材」「5年以内に任命可能な⼈材」「10年以内に任命可能な⼈材」として可視化し、合計23の重要ポストに対する育成計画を策定。また、各地域と連携したグローバル幹部開発研修や、若年層の早期⾒出しを⽬的とした選抜研修など、包括的な後継者育成プログラムを展開し、次世代リーダーの育成を加速させています。

⼥性リーダーの採⽤および計画的育成(⽇本地域)


パナソニックグループでは、報酬体系上、性別‧性⾃認を含む個々の属性による格差はありませんが、経営チームや管理職への⼥性登⽤は男性に⽐較して遅れているのが実態です。未来に向かって、より多様なメンバーの知恵を引き出し、イノベーティブな商品‧サービスを⽣み出すために、採⽤の強化、働き⽅の選択肢の拡⼤やキャリア開発の⽀援などを通じて、⼥性リーダーの獲得と計画的な育成に取り組んでいます。(当社グループのDEIの取り組みについてはこちら

事例①

PLPアセスメントによる後継者育成のモニタリング
パナソニックの未来を創る後継者育成計画

パナソニックグループでは、現任の事業会社社⻑、パナソニック ホールディングスや⼀部の事業会社の役員等を対象に「PLPアセスメント」(360度アセスメント)を実施しています。経営基本⽅針の実践を⽀える⾏動指針「Panasonic Leadership Principles(PLP)」を基準としたリーダーシップ⾏動の発揮状況を上位者/同等者/下位者がアセスメント。⽇常の⾏動を周囲からどう捉えられているかを認識することで、⾃らの⾏動を振り返り、⾃らが変えていくべき⾏動を考える機会を提供します。さらに、次世代のトップ経営層の育成を⽬的として、「即時任命可能な⼈材」「5年以内に任命可能な⼈材」「10年以内に任命可能な⼈材」は本アセスメントの対象となっています。

2024年度に実施したPLPアセスメントでは、現経営者と次世代トップ層の強みは「誠意をもって行動する」「自主責任感を持つ」である一方、「世界一の生産性を追求する」「違いを強みとして活かす」は今後伸びしろがあることが明らかになりました。今後の経営者育成プロセスでは、これらの強化に取り組んでいます。

事例②

製造現場でのジェンダーギャップ解消
⼥性リーダーの採⽤および計画的育成(⽇本地域)

  • 「組織カルチャー変⾰」「未来を創る変⾰型リーダーの開発‧登⽤」「HRモダナイゼーション」という3つの重点取り組みの推進状況や、人材と多様性・働き方、キャリアに関する基本情報については、データで見るパナソニックグループの人的資本経営をご確認ください。