「組織デザイン:6つの原則」は、グループ全体での議論を重ね、現場での実践を前提に策定されました。この原則を指針とし、各社の現場ではそれぞれの状況に応じたユニークな実践事例が⽣まれています。
「組織デザイン:6つの原則」の策定プロセス
組織カルチャーは、組織の成⻑を⽀える基盤であり、事業の競争⼒強化に不可⽋です。この共通認識をもとに、パナソニックグループの経営会議メンバーや各事業会社のトップ、⼈事メンバーが議論を重ね、「組織デザイン:6つの原則」を策定しました。
現場での実践事例
パナソニックグループでは、「組織デザイン:6つの原則」に基づいた多様な挑戦が、さまざまな現場で始まっています。6つの要素のいずれかに関連した、カルチャー変⾰の実践事例をご紹介します。
※現時点では⽇本地域の事例を中⼼に掲載していますが、今後、他地域の事例も追加予定です。
ジョブ型⼈材マネジメント
パナソニック インダストリーは、社員の挑戦を後押しするため、「役割‧⼈財要件定義」と「2つの等級体系」を導⼊しました。「役割‧⼈財要件定義」では、社内外の視点を踏まえた⼈財要件を明確化し、社員が主体的にキャリアを選択できる環境を整備。2024年4⽉には、「マネジメント」「スペシャリスト」の2つの等級体系を導⼊し、組織を率いる道と専⾨性を究める道のどちらかを選べる仕組みを整備。両コース間の異動も可能とし、公募型異動‧登⽤制度とあわせ、柔軟なキャリア形成を⽀援しています。
データ‧テクノロジーを利活⽤できる⼈材の育成
パナソニックグループは、DXを軸に企業変⾰を進める 「Panasonic Transformation(PX)」の⼀環として、データ‧テクノロジーを利活⽤できる⼈材の育成に注⼒しています。「PXアンバサダー」制度では、⾃ら⼿を挙げた社員が現場課題の解決を⽀援。2024年度グループ全体で62名が活躍中で、累計170件以上のお困りごとを解決しています。
また、「現場PXコンテスト」を開催し、社内のPX事例を公募したところ、過去2回(2024年9⽉、2025年3⽉)の開催を通じて803件もの応募が寄せられました。グループCEOに加え、社外取締役や有識者も優秀事例を選出する審査に参画し、PXの取り組みは全社へと広がりを⾒せています。
アルムナイコミュニティ
パナソニックグループは、退職後もアルムナイ※と緩やかにつながることができる「アルムナイコミュニティ」を2024年4⽉に本格始動しました。コミュニティにはアルムナイと現役社員が参加でき、現在541名(2025年5⽉末時点)のメンバーが参加しています。メルマガ配信やオンラインイベント、年2回のリアルイベントを通じてネットワークを築ける機会を提供。仕事や⽴場を問わず気軽に参加できる場とし、多様な経験を持つアルムナイとのつながりを通じて新たな協業‧共創が⽣まれています。
※アルムナイとは英語で「卒業⽣、同窓⽣」という意味があり、⼀般的には定年退職者以外の離職者を指す。
社員の⾃発的なコミュニティ活動
パナソニックグループでは、社員が⾃発的に集まり、経営や職場をより良くするためのコミュニティ活動(ERG:Employee Resource Group)が活発に⾏われています。所属や職位を超え、同じ価値観や関⼼を持つ仲間がつながることで、新たなアイデアや協⼒関係が⽣まれています。テーマは、障がい‧ジェンダー‧技術開発‧ビジネスモデル構築‧居場所づくりなど多岐にわたり、事業や職場環境の改善にも貢献。2024年7⽉開催の社内イベント「ERGカーニバル2024」には、26団体が参加しました。社員⼀⼈ひとりのつながりが、グループ全体の変⾰を後押ししています。
レジリエンス研修
パナソニックグループでは、⼈間の特性への理解を深めることを通じて⼀⼈ひとりの能⼒を最⼤化し、変化に強い⼈と組織になることを⽬的とした「レジリエンスプログラム」を2021年度に導⼊しました。
本プログラムでは、「Peak Performance」「Resilience」「Integration」という3つの軸を設定。医学‧⼼理学的知⾒をもとに、個⼈のパフォーマンス向上、逆境を⾃⾝と組織の成⻑に転換する知性、多様性を活かす組織づくりについて学びます。このプログラムを経てレジリエンスを⾼めた社員が主体となり、共通⽬的に向かって困難なプロジェクトに挑むチームの結成、開発‧製造‧販売を⼀体化させた活動の加速、多様な職種の知⾒を結集した新商品開発など、様々な成果が⽣まれています。
違いを強みとして活かす、DEI(Diversity, Equity & Inclusion)の取り組み
パナソニックグループは、⼈的資本経営に関わる取り組みの⼀環として、ダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)、インクルージョン(包括性)を推進しています。
⼀⼈ひとりが互いの個性を受け⼊れ、組織として活かしあうことで、より⾼い価値を⽣み出し、社会へのお役⽴ちを果たせるよう、様々な取り組みを推進しています。
- 「組織カルチャー変⾰」「未来を創る変⾰型リーダーの開発‧登⽤」「HRモダナイゼーション」という3つの重点取り組みの推進状況や、人材と多様性・働き方、キャリアに関する基本情報については、データで見るパナソニックグループの人的資本経営をご確認ください。