環境:グリーンロジスティクス

輸送におけるCO2排出量の削減

当社グループ物流部門においても地球温暖化防止への貢献とともに、輸送効率向上、輸送コスト削減を目的に、輸送におけるCO2排出量削減に取り組みとして、モーダルシフトや低公害車の導入、バイオ燃料の導入、輸送距離の削減、積載率の向上に重点的に取り組んできました。2023年度の輸送におけるCO2排出量は、グローバルで74.1万トン、そのうち国際間の輸送が21.5万トン、日本国内の輸送が11.5万トンでした。

グリーンロジスティクスの重点取り組み

輸送におけるCO2排出量

2023年度の輸送におけるCO2排出量は、グローバルで74.1万トン、そのうち国際間の輸送が29.0%、日本以外の地域内輸送が55.5%、日本国内の輸送が15.5%。

輸送手段別輸送量(日本)

2023年度の輸送手段別輸送量(日本)は7.7億トンキロ、手段別では航空が0.03%、トラックが92.59%、船舶が6.68%、鉄道が0.70%。

営業部門と連携した積み合わせ輸送(同送/同載)の取り組み

当社グループは輸送効率向上の取り組みとして、同一倉庫出荷の利点を活かし、営業部門と連携して異なる部門間の積み合わせ輸送(同送/同載)の取り組みを進めています。2017年からスタートした2日前確定注文制度により、当日配車から前日配車が可能となり給湯とエアコンとの積み合わせ輸送が実現可能となりました。これにより、車両手配数が削減でき、CO2削減に加え輸送危機対応も同時に実現できました。2023年度の積み合わせ輸送実績は、3,786車(前年比81%)で同載割合は43%となり、CO2削減効果は年間117トン相当で、対象輸送においては5.5%のCO2削減になりました。

モーダルシフト(JRコンテナ活用)

当社グループは輸送のムダをなくす取り組みとして、トラックに代わる輸送手段のためにJRコンテナを活用しています。九州(小郡センター)から滋賀(彦根工場契約倉庫)間を10t車貸し切りで往復輸送契約し、往路は材料運搬(積載率80%前後)に対して、復路は通函返却(積載率25%程度)であり、復路のムダを解消するため片道輸送が可能なJRコンテナに置き換えました。往路はこれまでと変わらず日々JRコンテナで材料運搬し、復路は4日に1度まとめて通函返却することによりトータル物流コストを抑制し、19.2t/年(前年比70%減)のCO2排出量を削減しました。トラック輸送からJRコンテナ切り替えにより環境貢献に寄与しています。

販売地域に近い港での陸揚げ

当社グループでは、製品輸送の効率化を目指し、海外で生産した製品を輸入する場合、販売地域に近い港で陸揚げする取り組みを拡大しています。従来は兵庫県尼崎市にある西日本グローバル物流センター(GLC)に近い港で集中して陸揚げし、西日本GLCで一旦保管した後、需要に応じて各地域に輸送していましたが、販売地域に近い港で陸揚げする比率を高め、日本国内の陸送距離を減らすことにより、CO2排出削減につながることはもちろん、拠点間配送による入庫・出庫・配送料の削減にも貢献できます。2023年度は、販売量が多く従来から取り組んできた洗濯機を筆頭に電子レンジ/理美容商品/温水洗浄便座/暖房商品/電話機/ファクス等において販売地域に近い港での陸揚げ取り組みの精度をさらに向上させるとともに、特に食洗機では初めて小牧港への陸揚げを実現させ、国内輸送をさらに減少させました。今後も対象商品の拡大を図るとともに各地域での需要予測の精度を高め、在庫の偏りを減らすことにより販売地域に近い港での陸揚げを拡大していきます。

環境との調和にこだわり、モーダルシフト拡大

完成品輸送については、モーダルシフト率約45%以上を目標に、500㎞以上の輸送となる、札幌、仙台、東京、鳥栖の前線倉庫へ向けた輸送を中心に鉄道貨物輸送比率の向上を推進中です。2023年度は物量の多い東京に対して、31ft(10tタイプ)の鉄道コンテナを増便することにより、モーダルシフト率48.7%を達成し、前年から物流CO159トンの削減に成功しました。他にも、輸送効率向上による抜本的なCO2排出削減にも取り組んでいます。

大阪摂津倉庫(製品出荷)
関東地方への長距離輸送
写真は積載重量10tタイプの鉄道コンテナ

写真:積載重量10tタイプの鉄道コンテナ

鉄道貨物協会様雑誌インタビュー記事
24年3月号

写真:鉄道貨物協会様雑誌インタビュー記事 24年3月号

‘05年からエコレールマーク認定取得。訴求活動を継続

子供向け工場見学冊子

‘07年に冊子を刊行してから、延べ20万人を超える小学生に工場見学していただき、当社の環境取り組みを訴求しています。

商品カタログ

‘12年に商品認定を取得しエコレールマーク掲載中。
取り組み実績を付加価値としてお客様へ訴求しています。

※令和5年度 国交省HP
エコレールマーク認定商品一覧内に掲載
・アルカリ乾電池:「全種類」
・パナソニック製:「マイクロ電池」
・パナソニック製:「LEDライト」
・ニッケル水素電池:「eneloop」

輸送に使用したストレッチフィルムの再生利用

物流における廃棄物削減の取り組みとして、2014年度より使用済みのストレッチフィルムを再生利用する取り組みを、野添産業(株)様と開始し、2023年度も継続しています。従来、輸送に使用したストレッチフィルムは廃棄していましたが、野添産業様がポリエチレン製廃棄物などを原材料として活用し、製造されたゴミ袋を当社グループが購入しています。2017年度からは中国が廃プラスチックの輸入を2017年末に禁止したことを受け、これまで野添産業様と取り引きがなかった当社グループ拠点も取り組みを開始しました。また、野添産業様の埼玉県のリサイクル工場の本稼働も受け、関東地区での取り組みが拡大したことなどで、合計324トンのストレッチフィルムを再利用することができました。
今後も使用済みストレッチフィルムの有効活用と、物流における廃棄物削減の取り組みを進めていきます。

野添産業(株)様とのストレッチフィルムの再利用スキーム

野添産業(株)様とのストレッチフィルムの再利用スキーム。当社が野添産業(株)様から購入、輸送に使用した後のストレッチフィルムはゴミ袋などに再生され、当社が再度購入。

バイオディーゼル燃料の使用

当社グループは、社内の事業場等から回収した使用済みてんぷら油(廃食油)をバイオディーゼル燃料に転換し、生産・調達・販売で使用する車両へ活用する取り組みを進めています。2023年度からは、バイオディーゼル燃料の製造・販売の事業者である油藤商事株式会社様にご支援いただき、当社の草津拠点の廃棄物を収集運搬いただいている近畿環境保全株式会社様の車両にバイオディーゼル5%の燃料を供給し、バイオ燃料のさらなる使用拡大に取り組んでいます。2023年度のバイオ燃料使用量は1272リットルでした。
※バイオ燃料使用量については株式会社レボインターナショナル様も含まれます。