輸送におけるCO2排出量の削減

当社物流部門においても地球温暖化防止への貢献とともに、輸送効率向上、輸送コスト削減を目的に、輸送におけるCO2排出量削減の取り組みとして、モーダルシフトや低公害車の導入、バイオ燃料の導入、輸送距離の削減、積載率の向上に重点的に取り組んできました。2024年度の輸送におけるCO2排出量は、グローバルで71.9万トン、そのうち国際間の輸送が20.5万トン、日本国内の輸送が11.2万トンでした。

グリーンロジスティクスの重点取り組み

輸送におけるCO2排出量

2024年度の輸送におけるCO2排出量は、グローバルで71.9万トン、そのうち国際間の輸送が28.5%、日本以外の地域内輸送が55.8%、日本国内の輸送が15.7%。

輸送手段別輸送量(日本)

2023年度の輸送手段別輸送量(日本)は7.5億トンキロ、手段別では航空が0.03%、トラックが90.14%、船舶が7.87%、鉄道が1.96%。

営業部門と連携した積み合わせ輸送(同送/同載)の取り組み

当社は輸送効率向上の取り組みとして、同一倉庫出荷の利点を活かし、営業部門と連携して異なる部門間の積み合わせ輸送(同送/同載)の取り組みを進めています。2017年からスタートした2日前確定注文制度により、当日配車から前日配車が可能となり給湯とエアコンとの積み合わせ輸送が実現可能となりました。これにより、車両手配数が削減でき、CO2削減に加え輸送危機対応も同時に実現できました。2024年度の積み合わせ輸送実績は、4,092車(前年比108%)で同載割合は41%となり、CO2削減効果は年間140トン相当で、対象輸送においては6.9%のCO2削減になりました。


モーダルシフト推進取り組み

パナソニック(株) くらしアプライアンス社 ビューティ・パーソナルケア事業部 彦根工場において、従来のトラック輸送では、環境負荷の増加やドライバーの拘束時間の長期化など、複数の課題が顕在化していました。これらの課題を解決するため、輸送手段をトラックからJR貨物輸送へ切り替える方針を決定し、JR京都貨物駅にて現場・現物の確認および関係者との交渉を実施しました。モーダルシフトの実現に向けては、輸送リードタイムが1日延長されることへの対応が必要となったため、在庫管理体制や月末納品ルールの見直しを行いました。その結果、環境負荷の低減と物流課題の解決を同時に達成することができました。
具体的には、CO2排出量を約70%削減し、ドライバーの拘束時間も約70%短縮することに成功しました。さらに、年間で約500万円のコスト削減も実現し、持続可能な物流体制の構築に大きく貢献する取り組みとなりました。
本活動は、2024年度省エネ大賞「資源エネルギー庁長官賞」受賞


販売地域に近い港での陸揚げ

当社では、製品輸送の効率化を目指し、海外で生産した製品を輸入する場合、販売地域に近い港で陸揚げする取り組みを拡大しています。従来は兵庫県尼崎市にある西日本グローバル物流センター(GLC)に近い港で集中して陸揚げし、西日本GLCで一旦保管した後、需要に応じて各地域に輸送していましたが、販売地域に近い港で陸揚げする比率を高め、日本国内の陸送距離を減らすことにより、CO2排出削減につながることはもちろん、拠点間配送による入庫・出庫・配送料の削減にも貢献できます。2024年度は販売量が多く従来から取り組んできたテレビを筆頭にマッサージ機/アイロン/レコーダー/ポータブルテレビ/電話機等において販売地域に近い港での陸揚げ取り組みの精度をさらに向上させるとともに、特にヘッドホンや海外に生産移管された炊飯器では東西GLCへの陸揚げスタートし、国内輸送を更に減少させました。今後も対象商品の拡大を図るとともに各地域での需要予測の精度を高め、在庫の偏りを減らすことにより販売地域に近い港での陸揚げを拡大していきます。


バイオガストラックの導入

パナソニック エナジー(株)は、製品物流におけるCO2排出量の削減に向けた取り組みを推進しています。輸送方法やルートの最適化を進めるとともに、国内では(株)エコトラック様と連携し、従来のディーゼルトラックに代わって、走行時のCO2排出量をゼロとみなせるバイオガス燃料トラックの実証実験を行ってきました。この取り組みは、2025年から一部で実用化を開始する予定であり、今後はその活用範囲を拡大し、原材料の調達物流にも展開していく計画です。


輸送に使用したストレッチフィルムの再生利用

物流における廃棄物削減の取り組みとして、2014年度より使用済みのストレッチフィルムを再生利用する取り組みを、野添産業(株)様と開始し、2024年度も継続しています。従来、輸送に使用したストレッチフィルムは廃棄していましたが、野添産業様がポリエチレン製廃棄物などを原材料として活用し、製造されたゴミ袋を当社が購入しています。2017年度からは中国が廃プラスチックの輸入を禁止したことを受け、これまで野添産業様と取り引きがなかった当社拠点も取り組みを開始しました。また、野添産業様の埼玉県のリサイクル工場の本稼働も受け、関東地区での取り組みが拡大したことなどで、合計314トンのストレッチフィルムを再利用することができました。
今後も使用済みストレッチフィルムの有効活用と、物流における廃棄物削減の取り組みを進めていきます。

野添産業(株)様とのストレッチフィルムの再利用スキーム

野添産業(株)様とのストレッチフィルムの再利用スキーム。当社が野添産業(株)様から購入、輸送に使用した後のストレッチフィルムはゴミ袋などに再生され、当社が再度購入。

バイオディーゼル燃料の使用

当社は、社内の事業場等から回収した使用済みてんぷら油(廃食油)をバイオディーゼル燃料に転換し、生産・調達・販売・廃棄で使用する車両へ活用する取り組みを進めています。2023年度からは、バイオディーゼル燃料の製造・販売の事業者である油藤商事株式会社様にご支援頂き、当社の草津拠点の廃棄物を収集運搬頂いている近畿環境保全株式会社様の車両に、バイオディーゼル5%の燃料を供給し、バイオ燃料のさらなる使用拡大に取り組んでいます。2024年度のバイオ燃料使用量は399リットルでした。

※バイオ燃料使用量については(株)レボインターナショナル様も含まれます。