生物多様性に関する考え方
私たちの社会生活や事業活動は、様々な自然がもたらす恵み(NCP:Nature's contributions to people)によって支えられています。また、持続可能な開発目標(SDGs)や国連生物多様性条約の長期ビジョンである「自然共生社会」の実現に向けては、気候変動対策、資源循環の推進、生物多様性保全が相互に密接に関連していると認識されています。
2022年12月には、カナダ・モントリオールで開催された生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)において、「昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)」が採択されました。この枠組みは、2050年ビジョン「自然と共生する世界」の実現を目指し、2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復軌道に乗せる、いわゆるネイチャーポジティブの実現をミッションとして掲げています。その達成に向けて、23のグローバルターゲットが設定されています。
こうした国際的な潮流を踏まえ、当社グループではネイチャーポジティブに関する基本的な考え方を重視しています。「GREEN IMPACT PLAN 2028」における生物多様性保全においても、従来の方針を継続し、「ネイチャーポジティブをめざして事業活動が生態系に与える影響を低減・回復」に貢献するという方針のもと、取り組みを推進しています。
GIP2028の3つの目標
| 目標 | SDGs | |
|---|---|---|
| 持続可能な原材料調達 | 木材・紙など、持続可能な調達を推進 | 12,13,15,17 |
| 事業所緑地(土地利用) | 生物多様性に配慮した事業所緑地の活用 | 13,15,17 |
| 製品・サービス | 生物多様性保全に貢献する製品やサービスの提供 | 11,12,15,17 |
| 目標 | SDGs | |
|---|---|---|
| 持続可能な原材料調達 | 木材・紙など、持続可能な調達を推進 | 12,13,15,17 |
| 事業所緑地(土地利用) | 生物多様性に配慮した事業所緑地の活用 | 13,15,17 |
| 商品・サービス | 生物多様性保全に貢献する商品やサービスの提供 | 11,12,15,17 |
グループ内での啓発活動とTNFDへの対応
当社グループでは、生物多様性およびネイチャーポジティブに関する理解と認知の向上を目指した社内啓発活動を推進しています。その一環として、サステナブル経営推進コンソーシアム内にネイチャーポジティブワーキンググループを2024年度に開設しました。本ワーキンググループでは、有識者による講演や、環境を管掌するグループCTOとのパネルディスカッションの実施に加え、研究開発部門や各事業会社を対象とした社内ワーキングを開催し、当社グループにおける取り組みの共有および最新動向の情報発信を行っています。これにより、事業活動と生物多様性の関係性に対する理解を深め、全社的な意識醸成を促進しています。
また、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)への対応も進めています。具体的には、LEAPアプローチに基づく分析を実施し、事業活動と生物多様性や水などの自然資本との接点を把握するとともに、依存関係および影響の特定、リスクと機会の評価、シナリオ分析などを進めています。TNFDの報告についてはこちらを参照ください。
3年ごとに見直し計画するGREEN IMPACT PLANは、生物多様性条約の生物多様性行動計画(BAP)に相当します。
持続可能な原材料調達の取り組み
当社グループでは、「グリーン調達基準書」において生物多様性保全への配慮を明記し、サプライチェーン全体で取り組みを推進しています。
特に木材調達においては、生物多様性の保全と資源の持続可能な利用を目的として、2010年にWWF(世界自然保護基金)ジャパンと協議のうえ「木材グリーン調達ガイドライン」を策定しました。本ガイドラインに基づき、サプライヤーに対する実態調査を毎年実施しています。
さらに、2021年度にはWWFジャパンとの意見交換を通じて、木材調達における要求事項が従来の合法性の確保にとどまらず環境面および社会面(人権)への配慮へと拡大していることを確認しました。これを受け、調達における対策を検討するきっかけとなりました。
伐採時の合法性が確認できない木材・木質材料(区分3)の削減
2025年度の木材調達実態調査結果は、以下のとおりです。
WWFジャパンと協議・策定した木材グリーン調達の考え方
土地利用分野の取り組み
事業所緑地と近隣に点在する緑地や公園とのつながりによるエコロジカルネットワーク形成で、鳥やチョウ、トンボなどの生きものが周辺に点在する緑地や水辺の間を移動できるようになり、生息できる空間が広がることになります。事業所の緑地は、こういった地域の生物多様性保全に貢献できる大きな可能性を持っています。特に都市部では野生生物が生息・生育できる自然環境がほとんど残されていないため、たとえ小さくても、その地域本来の植生や水辺などを備えていれば、様々な生きものにとって大切な場所となります。
定量評価手法に基づく外部認証の取得
パナソニック(株)草津拠点は、生物多様性に配慮した事業場として2018年3月に(一社)いきもの共生事業推進協議会の「いきもの共生事業所認定(ABINC認証)」※1を取得しました。審査の中では、自然環境を適切に保全し多様な生きものに応じた緑地づくりを進めていること、特定外来種についても適宜管理が行われ、モニタリング設置で状況把握されていること、また、自治体や小学生など外部関連主体・地域の人とのコミュニケーションに緑地が積極的に活用されていること、などが評価されました。
2011年から継続しているモニタリング調査で840種の動植物が確認され、都市化が進む地域において重要なビオトープであり、地域のエコロジカルネットワークの形成にも貢献していることがわかりました。また、ドングリをテーマとした小学生向け環境学習の継続的な実施が「生物多様性の主流化に貢献する取り組み」として高く評価され、2020年1月に第2回ABINC賞 優秀賞を受賞しました。
また、2024年10月からはパナソニック ホールディングス(株)(PHD)が共存の森において、京都大学および大阪産業大学と連携し、生物多様性保全に関する学術調査および共同研究を開始しました。現在は、周辺環境を含む広域への影響の解明や、森の形成過程に関する調査・研究を進めています。
2026年2月には、京都大学生態フィールド学系の3センター(フィールド科学教育研究センター、生態学研究センター、野生動物研究センター)とPHDが研究交流会を開催しました。この場では、当社グループが有する技術と生態学分野の知見を融合させ、生物多様性へのさらなる貢献や、新たな事業創出につながる研究テーマの発掘に向けた意見交換を行いました。
2026年3月には、京都大学フィールド科学教育研究センターとPHDがネイチャーポジティブの実現に向けた連携協定を締結しました。京都大学フィールド科学教育研究センターが有する長期的・広域的なフィールド研究の知見と、PHDが保有する企業活動の場を掛け合わせることで、人材育成、研究、社会貢献、自然および生態系の保全といった分野における連携を深化させ、持続可能な社会の発展に寄与することを目指します。2026年3月に開催された第73回日本生態学会大会では、これまでの連携の成果として、共存の森に関する研究発表を4件実施し、都市緑地としての共存の森における生態系の理解を深める取り組みを進めています。
【関連リンク】
<外部認証と表彰>
- しが生物多様性取組認証制度3つ星マーク取得(2018年)、2回目認証更新(2026年3月)※2
- ABINC認証取得(2018年3月)、2回目認証更新(2024年2月)
- 第2回ABINC賞 優秀賞(2020年1月)
※1 ABINC認証は、企業と生物多様性イニシアチブ(JBIB)が開発した土地利用通信簿(環境アセスメントとしての生物多様性定量評価ツール)の実施といきもの共生事業所ガイドラインに基づき、事業場緑地の整備、管理を第三者の評価により認証する制度
※2 「しが生物多様性取組認証制度」は、事業者が行う生物多様性保全に関する取り組みを、1つ星~3つ星で知事が認証するもので、都道府県が生物多様性に関する幅広い取り組みを認証するものとして、全国でも初めての制度
<国際取り組み30by30への参画>
2022年3月には、世界が推進する2030年までに陸域海域の30%を自然環境エリアとして保全する取り組み(30by30)に対して共存の森も貢献できると考え、環境省の30by30アライアンスへ加盟し、2023年10月に「自然共生サイト」として正式認定され、OECM※3として国際データベースにも掲載されています。また、2024年には地域生物多様性増進法に基づく「自然共生サイト」として改めて認定されました。
※3 OECM:Other Effective area based Conservation Measure国立公園等の保護地域以外の場所で生物多様性保全に貢献する場所(例:社寺林、企業保有林、企業緑地、里地里山等)。日本の30by30は、国立公園等保護地域とOECMを合わせて30%の達成を目指すとしている。
自然共生サイト認定ロゴマーク
ABINC認証
しが生物多様性
取組認証制度
3つ星マーク
パナソニック(株)共存の森全景
工場敷地における生物多様性保全の推進
門真地区におけるビオトープの整備・活用
パナソニック エレクトリックワークス(株)は、大阪府門真市にある事業所の敷地内において、2009年よりビオトープを整備・維持管理し、事業活動と自然環境の共生を目指した生物多様性への取り組みを進めてきました。
門真地区のビオトープは、池や植生などを備え、水生昆虫や鳥類をはじめとする生きものが利用できる環境を再現した空間です。本取り組みは、大阪府が推進する「おおさか生物多様性パートナー協定」に基づき、社外アドバイザーと連携しながら、専門的な知見を活かした保全・管理活動として位置づけています。
これまで従業員を中心とした管理を継続してきましたが、社会状況の変化により一時的に活動が停滞した時期もありました。2024年度からは補修工事および管理活動を再開し、再びトンボなどの生きものが確認されるなど、工場敷地内における生息環境の回復が見られています。
このビオトープは、生きものの生息空間としての役割に加え、従業員が自然に触れ、生物多様性への理解を深める場としても活用されています。身近な場所にある自然を通じて、生態系の大切さを実感することが、日々の業務や意思決定における環境配慮につながっています。
今後はネイチャーポジティブの取り組みの一環として、確認された動植物の種数や変化に関するモニタリング結果の整理・活用、従業員参加型の保全活動や観察機会の拡充、門真周辺の緑地や水辺とのつながりを意識した生態系保全への貢献、ネイチャーポジティブ貢献に資する製品開発の実証実験の場としての活用など多面的な観点を取り入れながら取り組みを進めていきます。工場敷地内という限られた空間においても、生物多様性の維持・再生に資する取り組みを継続していきます。
門真地区ビオトープ
製品・サービス分野の取り組み
当社グループは、生物多様性保全やネイチャーポジティブにつながる製品・サービスの開発・販売に取り組んでいます。
フードロス削減に貢献する製品
フードロスは、必要以上の食料生産を引き起こし、土地利用や水資源の増加を通じて生態系に負荷を与える要因となります。当社グループは、食品の効率的な利用を支える製品の提供を通じて、食料廃棄の削減を促進し、資源利用の抑制と環境負荷の低減を図り、生物多様性の保全に貢献していきます。
コンパクトベーカリー
本製品は、「食べきりサイズで毎回「焼きたて」/小さく置ける。美味しく焼ける。業界最小※4コンパクトベーカリー」というコンセプトのもと、約0.6斤※5サイズの焼きたてパンがおうちでかんたんに味わえるホームベーカリーです。約0.6斤※5=5枚切り食パンの3枚分にあたり、2~3人の小人数世帯に、毎回焼き立てでちょうどいい量を提供します。食パンを余らせて廃棄することなく、適量を継続的に調理・消費できるため、日常生活におけるフードロス削減に寄与します。
※4 幅18.8×奥行28.5×高さ24.3cm。2024年7月3日現在。国内ホームベーカリー市場において(当社調べ)
※5 当社1斤比、約0.6斤相当
スチームオーブンレンジ
本製品は、「ありものの食材を、好きな量だけ、ムダなく調理する」というコンセプトのもと、冷凍・冷蔵・常温の食材を問わず自動調理を可能にした家庭用調理家電です。調理の失敗や使い切れない食材の発生を抑えることで、日常生活の中で無理なくフードロス削減に貢献します。
「冷凍・冷蔵・常温」いずれの食材も下準備なしで調理できる「おまかせグリル」や「凍ったままワンボウル」機能を搭載しています。これにより、使い切れずに余りがちな食材や、傷みやすい生鮮食品を無理なく冷凍保存・活用でき、食品の廃棄を抑制します。
食材の量や状態をセンサーで自動判別し、加熱時間や火加減を自動制御します。レシピや計量に頼らず「ある分だけ」調理できるため、つい作り過ぎてしまい食べ残しが発生する、といった家庭内フードロスの典型的な課題を軽減します。
ヒートグリル皿と複数の加熱方式を組み合わせた自動制御により、裏返し不要で安定した仕上がりを実現します。加熱ムラや焦げによる「失敗して捨ててしまう料理」を減らすことで、調理工程における食材ロスの発生を抑えます。
冷蔵庫AIカメラ「NY-PCZE2」
当社の冷蔵庫※6に「冷蔵庫AIカメラ」を設置することで、庫内の見える化を実現します。本製品は、広角および挟角望遠の2つのカメラで冷蔵室の棚やドアポケット、野菜室、冷凍室を撮影し、外出先から庫内状況を確認できます。これにより、食材の重複購入や買い忘れを防ぎ、食品の無駄を削減します。さらに、野菜室の画像をAIが解析し、野菜の種類や入庫日を自動認識することで、適切なタイミングでの消費を支援します。また、「KitchenPocket」アプリと連携し、使用すべき食材に応じたレシピを提案することで、フードロスの削減にも貢献します。
マイクロウェーブコンベクションオーブン
カフェなどの飲食店では、販売予測の難しさやフードロス、人手不足といった課題により、テイクアウト用の軽食メニューを拡充するのが困難です。そこで当社は、敷島製パン(株)(Pasco)様と共同で、専用の調理プログラムおよびメニューを開発。当社のマイクロウェーブコンベクションオーブンと、Pascoの焼成後冷凍パンや洋菓子を組み合わせた、飲食店向けの食ソリューションを提供しています。当社独自の技術により、通常約2時間かかる自然解凍工程が不要となり、冷凍状態から短時間で焼きたての美味しさを実現。これにより、来客数を予測して事前にパンを解凍する必要がなくなり、フードロスの削減に貢献します。
自動計量IH炊飯器
本製品は、当社独自の計量技術とIoT技術を搭載し、業界で初めて「米と水の計量・投入から炊飯まで」を全自動で実現しました。さらに、専用アプリと連携することで、外出先から炊飯量(0.5合~2合,0.5合単位)や炊き上がり時間の設定が可能です。米と水の計量を含む炊飯の手間を大幅に削減し、急な予定変更にも対応できます。必要な分だけ炊飯し、炊きたてごはんを食べ切るスタイルにより、フードロスの削減にも貢献します。また、保温機能をあえて搭載しない「食べ切りスタイル」の提案により、一般的な2合炊飯器と比べて約65%の省エネを実現しています。
その他生物多様性に貢献する製品
セルロースファイバー樹脂「kinari」:生物多様性に配慮した素材開発と製品展開の取り組み
2023年3月、環境省よりネイチャーポジティブ経済移行戦略が公表され、「バイオマス(廃材含む)を含むプラスチックに代わる素材へのアップサイクリング」の事例として、セルロースファイバー樹脂「kinari」(天然原料を55~90%使用)が掲載されました※7。
また、完全生分解性を目指した開発にも取り組んでおり、2022年度には植物由来の生分解性樹脂(ポリ乳酸など)を複合した、土壌分解可能な成形材料を開発しました※8。
さらに2025年には、海洋中で微生物により水とCO2に分解される海洋生分解性素材(天然原料95~100%使用)を開発し、日本バイオプラスチック協会が認証する「海洋生分解性バイオマスプラ」マークを取得しました※9。
これらの取り組みを通じて、樹脂使用量の低減に向けた技術や素材を製品へ展開しながら、持続可能な社会の実現に向けた企業活動を推進しています。
植物の成長を刺激し助ける「バイオCO2変換」(商品名:Novitek(ノビテク))
パナソニック ホールディングス(株)(PHD)は、住友化学(株)様およびパナソニック環境エンジニアリング(株)(PESENG)との三社共創により開発した、シアノバクテリア由来のバイオスティミュラント剤※10「Novitek(ノビテク)」を実用化しました。ノビテクは、シアノバクテリアの光合成によってCO2を原料として産生される成分を活用した天然物由来の資材で、植物の成長を穏やかに刺激します。この成分により、高温や低日照などの過酷な環境ストレス下においても、作物の生育と収量を改善します。この効果は農産物生産現場における現地評価により検証されており、トマト、こまつな、ねぎ、ばれいしょなど多様な作物において増収効果が確認されています。ノビテクの製造はPESENGが担い、2026年4月1日より住友化学(株)様より販売を開始しています。PHDは、この取り組みを技術面でサポートし、農業分野における持続可能な成長に貢献しています。
※10 「バイオスティミュラント」は植物や土壌により良い生理状態をもたらす様々な物質や微生物の総称
リリース
昆虫の生態に配慮した光環境づくりに貢献する屋外用LED誘虫器「ムシキーパー」
夜間照明は人々の安全性や利便性を支える一方で、光に引き寄せられる昆虫の行動や、生態系への影響が課題として指摘されています。屋外用LED誘虫器「ムシキーパー」は、こうした課題に対し、昆虫が誘引されやすい紫外光・青色域の光を用いて周囲の照明に集まった虫を特定の場所にとどめることで、建物内部や人の生活空間への侵入・拡散を低減します。
従来の電撃殺虫器のように虫を駆除するのではなく、昆虫の習性を理解し、行動をコントロールする設計とすることで、不要な殺傷を避け、生態系への影響を抑制し、清掃負担や騒音といった運用面の課題軽減にも貢献します。
殺虫機能のない虫対策機器
LEDの光で虫をおびき寄せ拡散を低減
包装材における取り組み
当社グループでは、製品特性や包装材の利用実態を踏まえ、お客様の利便性と環境配慮の両立に取り組んでいます。製品ごとに包装仕様の見直しを進め、発泡スチロールなどのプラスチック使用量の削減や再利用可能な包装の採用など、製品の輸送および保護に必要な性能を維持しながら、環境負荷の低減を図っています。こうした包装材における資源利用の削減や適正化は、原材料の調達や廃棄に伴う環境への負荷を抑えることを通じて、生物多様性への影響の低減にもつながるものと捉えています。
パナソニック コネクトグループ 製品
当社では、製品特性や利用実態を踏まえ、お客様の利便性と環境配慮の両立に取り組んでいます。梱包材については製品ごとに見直しを進め、一部製品では発泡プラスチックから紙素材への切替や再生材の活用を推進し、環境負荷低減を図っています。また、取扱説明書などの同梱印刷物についても、未使用のまま廃棄されるケースがあることを踏まえ、「必要な情報を、必要な形で届ける」あり方の見直しを行い、情報提供のデジタル化とWeb連動の推進により、印刷物削減を進めています。今後も、お客様の利便性と環境配慮を両立する情報提供の最適化に継続的に取り組んでいきます。
液晶レーザープロジェクタの事例
PT-VMZ82シリーズ
| 梱包資材へリサイクル部材を採用 |
クッション材を発泡EPEからペーパートレイ製品とし、企業・学校における環境負荷低減に貢献
製品情報:PT-VMZ82シリーズ(本製品サイトには、パッケージの紹介はありません。)
レッツノート、タフブックの事例
【日本 モデル】CF-SR4/CF-QR4シリーズ
FZ-40[E/F/G/H]シリーズ
| 電子化を推進し、印刷物を大幅削減 |
<印刷物の削減率>(質量比)
レッツノート 約90%削減(2022年度比)
タフブック 約60%削減(2023年度比)(当社調べ)
製品情報:FZ-40Jシリーズ
パナソニック エレクトリックワークス(株) 製品
パナソニック エレクトリックワークス(株)では、環境配慮思想を取り入れた設計「Archi Design(アーキデザイン)」のもと、包装材および取扱説明書等における資源削減の取り組みを進めています。
主に電材&くらしエネルギー製品を対象として、数多くの製品で採用しています。
Arch Design https://www2.panasonic.biz/jp/archidesign/
包装材の取り組み
梱包材の情報表示を最適化することで印刷面積を抑えていきます。また、企画自体も統一し積載・輸送効率を上げることで、環境負荷に配慮していきます。 |
取扱説明書等の取り組み
| 取扱説明書や施工説明書を電子化し、使用する紙やインクの削減を目指します。QRコードからアクセスして情報を見ることで、施工現場での利便性の向上へも貢献をしていきます。 |
パナソニック(株) 製品
ドラム式洗濯機の事例
【日本 モデル】NA-LX129D
| パルプモールド開発※12による、脱発泡スチロール梱包 |
※12 設計段階でのシミュレーションと実機を用いたテストにより、80kg超の大型製品の輸送に対応可能なパルプモールドを開発。
これにより、大型家電製品の脱発泡スチロール梱包を実現。
【参考】家電製品協会での製品紹介:2024-13.pdf
電子レンジの事例
【欧州 モデル】NN-DF38
| “ZERO PLASTIC PACKAGING” パルプモールドと天然素材の不織布を組み合わせ、完全な脱プラスチック梱包を実現 |
製品情報:NN-DF38
クリーナーの事例
【日本 モデル】MC-NS10KE
| プラスチックの緩衝材を削減し、脱発泡スチロール梱包を実現 |
製品情報:MC-NS10KE
| 【MC-PB60J】「JAPAN PACKAGING CONTEST2024」のGOOD PACKAGING『スティック型掃除機環境配慮パッケージ』で入賞 ・外装のテープレス封減・段ボールによる緩衝材の実現と段ボール使用量の削減・配置の工夫で容積縮小 |
【参考】日本包装技術協会でのMC-PB60Jのパッケージ紹介:
日本パッケージコンテスト2024
一眼カメラの事例
【日本 モデル】LUMIX DC-S1RM2
| 包装における脱プラスチックと包装材使用量の削減を達成 |
- 包装材の部品点数を前機種比で70%削減
- プラスチック材料使用量を95%削減
- 環境負荷を軽減するため、パルプモールド、竹素材を使用
- 紙・段ボール使用量を67%削減
- 個装箱の体積も前機種比で36%削減
- 汎用品であるUSBケーブルやACアダプターを非同梱
(前機種DC-S1Rと比較 当社調べ)
製品情報:DC-S1RM2
製品利用や製品の売上げを活用した環境保全への貢献
省エネ製品利用による環境価値創出と生物多様性保全への還元の取り組み
パナソニックHVAC&CC(株)では、家庭部門における省エネルギーの取り組みを、気候変動対策にとどまらず、生物多様性の保全・再生につなげる仕組みとして、「エアコン環境貢献プログラム」を推進しています。本プログラムでは、省エネ性能の高いルームエアコン「エオリア」の使用によって削減されたCO2排出量を、国が認証するJ-クレジットとして創出しています。2025年度は、本プログラムの活動の一環として、植林活動や里山再生活動など、自然環境の保全・再生に資する環境貢献活動を実施しました。
これにより、家庭での省エネ行動による環境価値を、森林や生態系の保全につながる具体的な取り組みに還元する循環を目指しています。
次世代が手にする未来の森と空気のはじまり
自然素材の竹ポットを使って環境に優しい苗付け体験
NGO・NPO等環境保全活動団体への寄付
ヘアードライヤー ナノケアの売り上げの一部を環境保全に取り組む団体へ寄付
(対象機種:EH-NA0J、EH-NA0K)
パナソニック(株)では、本体や梱包材のプラスチック削減、バイオマス塗料の採用など環境に配慮した、ヘアードライヤー ナノケアの売上金額の一部を活用し、海洋プラスチックごみの削減や、海の生物多様性保全などの環境保全に取り組む団体への寄付を継続しています。2023年9月以降、アースウォッチ・ジャパン、荒川クリーンエイド・フォーラム、公益財団法人 日本自然保護協会を支援しており、これらの資金は、河川・海岸の清掃活動や保全活動、海洋生態系の調査研究、環境教育などに活用されています。さらに、寄付とあわせて、各団体が取り組む環境保全活動に、従業員やその家族などが主体的に参加する機会を設けることで、生物多様性への理解や意識の向上にもつなげています。
環境DNAを用いた魚類調査プロジェクトへ従業員が参加
セパレート型コードレススティック掃除機の売り上げの一部を環境保全に取り組む団体へ寄付
(対象機種:MC-NS10KE)
パナソニック(株)では、本体の再生プラスチック活用や、梱包材の発泡スチロール不使用など環境に配慮したセパレート型コードレススティック掃除機「MC-NS10KE」を通じて、生物多様性の保全と次世代育成に貢献する取り組みを進めています。本製品の売上の一部は、環境保全活動への寄付に活用され、日本環境協会が推進する「こどもエコクラブ」を支援しています。こどもエコクラブは、子どもたちが地域の自然や生きものに触れ、調べ、守る活動を通じて、自然を大切に思う心や、環境問題の解決に自ら考え行動する力を育成し、地域の環境保全活動の環を広げることを目的とした全国的な取り組みです。こうした活動支援を通じて、自然と人が共生する社会の基盤づくりに寄与するとともに、製品の購入が身近な生物多様性保全につながる仕組みを構築しています。
こどもエコクラブ 全国フェスティバル2026の様子
支援により制作された取材ノートを使う子どもたち
NGO・NPO・ベンチャー企業との協働や支援による生物多様性保全
MSCおよびASC認証取得のサステナブル・シーフードの社員食堂への導入
当社グループは20年以上にわたりWWFジャパンへの支援や協働※13、NPOなどへの寄付、従業員参画による環境保全活動等を通じて「海の豊かさを守る活動」を行っています。現在の主な活動は、2018年3月より日本初でスタートしたMSCおよびASC認証の※14サステナブル・シーフード※15(持続可能な水産物)の社員食堂での継続的な提供です(累計57拠点)。現在、在宅勤務等による従業員の出社状況に伴う社員食堂での喫食数の減少や、物価高騰などの影響を受け、導入済拠点でも提供を中止せざるを得ない拠点が出るなど、この取り組みにとって困難な状況が続いていますが、黄海エコリージョン支援プロジェクト※16を起点としたMSC認証取得アサリの社員食堂提供などの取り組みを推進し2026年3月末段階で、延べ16万3千食以上を喫食しています。
社員食堂等のサステナブル・シーフード提供の推進や、従業員や次世代に向けたサステナブル・シーフードやIUU漁業問題※17に関する定期的・継続的な啓発活動、メディア等を通じた発信により、消費者である従業員や一般の方々の消費行動の変革を促進し、SDGs「14:海の豊かさを守ろう」への貢献と生物多様性の主流化を推進しています。
累計導入50拠点を突破
当社グループも支援し、日本初のASC認証
取得を実現した南三陸戸倉産のカキフライ
<外部表彰>
- 第1回ジャパン・サステナブルシーフード・アワード:イニシアチブ部門チャンピオン(2019年11月)
※13 有明海干潟保全支援(2001-2006年)、黄海エコリージョン支援(2007-2015年)、南三陸の環境配慮型の養殖業復興支援(2014年~2024年)等
※14 MSC認証は海洋管理協議会が持続可能で適切に管理された漁業を認証するもので、ASC認証は水産養殖管理協議会が環境と社会への負荷を最小限にする責任ある養殖業を認証するもの
※15 MSC認証、ASC認証による持続可能な水産物の生産に加え、CoC認証※18で管理されたシーフード
※16 世界的に重要な海である黄海の自然を保全するために、WWF ジャパンが2002年4月から「黄海エコリージョン保全プログラム」を開始し、2007年9月には、当時のパナソニック(株)の支援により、「黄海エコリージョン支援プロジェクト」が開始
※17 IUU 漁業問題:Illegal(違法)、Unreported(無報告)、Unregulated(無規制)で行われる漁業。資源管理の実効性を脅かしている国際問題の一つ
※18 CoC:Chain of Custody の略。加工・流通・販売過程における管理やトレーサビリティ確保についての認証
ベンチャー企業との協業による社会課題への挑戦
パナソニック ホールディングス(株)(PHD)は合同会社シーベジタブル様と共同で、海藻養殖を通じて生物多様性の保全、食料問題の解決、CO2削減などの社会課題解決に取り組む実証契約を2024年に締結しました。この取り組みでは、PHDのロボット技術やIoT技術と、シーベジタブル様の海藻養殖技術を融合させ、環境負荷の低減や食料供給の安定化に向けた可能性検討を協働で実施しています。さらに、2024年11月26日からは、シーベジタブル様が養殖した海藻をPHDの社員食堂で定期的・継続的に提供を開始しました。この取り組みは健康と環境に配慮したフレンドリーメニューの一つとして、グループ内31拠点の社員食堂に拡大し、従業員に対して生物多様性の現状や水産業が抱える問題を伝えるとともに、ネイチャーポジティブへの理解促進と行動変容を促す活動も展開しています。
シーベジタブル様による海藻養殖の様子
養殖海藻の社員食堂での提供
NGO・NPOを通じたグローバルでの生物多様性保全活動推進
市民ネットワークとの連携で里山・河川の保全活動を継続
当社グループでは国内の会社・労働組合と退職者会が、パナソニック エコリレー ジャパン(PERJ)として一体となり、様々な環境保全活動を行っています。
PERJが活動を展開している「枚方市・穂谷里山保全活動」「丹波篠山市・ユニトピアささやま里山再生活動」「門真市・エコネットワーク活動」「大阪市淀川・城北ワンド、庭窪ワンド※19保全活動」は、2010年10月PERJスタート時から今日まで、関係団体※20と連携して活動を継続してきました。その間、地元企業や近隣大学、市民団体などと連携し、環境活動を行う次世代の育成に貢献している点が評価され、下記のように多くの表彰をいただきました。
<外部表彰>
- 枚方市環境表彰(2018年2月)
- 生物多様性アクション大賞入賞(2018年12月)
- 門真市環境表彰(2019年2月)
- 大阪市環境表彰(2020年2月)
淀川での活動の様子
ユニトピアささやま
里山再生活動の様子
また、2012年からボランティアとともに里山再生に取り組んできたユニトピアささやまの「里山再生エリア」は、草津拠点の「共存の森」に続き環境省が推進する自然共生サイトの認定を受けており、さらに2025年に施行された地域生物多様性増進活動促進法に基づく制度の下でも、継続して認定を取得しています。
自然共生サイト認定は、これまで主に環境省の行政施策として、民間の森や里山など生物多様性の保全に貢献している場所を評価・認定する制度として運用されてきました。一方、地域生物多様性増進活動促進法では、保全されている場所そのものだけでなく、地域で継続的に自然を守り育てる「活動計画」を国が認定する法制度へと発展しており、企業や地域主体による長期的な生物多様性保全活動を制度的に後押しする仕組みとなっています。
この「里山再生エリア」は、企業の保養地内にある里山環境を活用し、生物多様性の保全を目的として管理されています。現在では、希少種を含む多様な生物相が確認されており、それらを環境教育の場として活用していることや、モニタリング体制が整備されていることなどが、認定の主なポイントとなりました。
「里山再生エリア」は、パナソニックグループ労働組合連合会が運営する施設内に広がる自然環境を活かし、社員やその家族、退職者にとどまらず、地域の住民や自然に関心を持つ学生・研究機関など多様な人々が自然と触れ合い、共感を育む場として活用されています。地域社会とともに里山を守り育てることで、生物多様性の価値を共有し、次世代へとつなぐ役割を担っています。
このように、企業拠点内の森と地域と共生する里山という二つの自然共生サイトをグループ内に有することは、パナソニックが自然との共生を企業活動の一部として捉え、ネイチャーポジティブの実現に真摯に取り組んでいることを示しています。今後も、自然への敬意と感謝を大切にしながら、地域社会とともに生物多様性の保全、里山保全につながる活動、自然教育活動などに取り組んでいきます。
※19 ワンドとは川の本流とつながっているが、河川構造物などに囲まれて池のようになっている地形のこと。魚類などの水生生物に安定した棲み処を与えるとともに、様々な植生が繁殖する場ともなっている。
※20 NPO、市民団体、大学、行政、自治体、研究所、企業、地元農家など、多くのステークホルダーと連携
ブルーカーボン生態系保全の取り組み
当社グループは、「陸のCO2を減らすために海の生態系を増やす取り組み」として、ブルーカーボン生態系の保全・再生に取り組む「Act for BLUE CARBON」を推進しています。海藻やマングローブ、アマモ藻場などの海洋生態系は、陸上生態系以上にCO2を吸収・貯留する機能を有するとともに、海の生物多様性を支える重要な基盤です。一方で、海水温の上昇や汚染などにより、これらの生態系は消失の危機に直面しています。こうした課題に対し、当社グループでは、マングローブ植樹やアマモ藻場の再生、海洋ごみ削減に向けた清掃活動などを国内外で定期的・継続的に展開しています。これらの取り組みには従業員が参加しており、実体験を通じて生物多様性保全への理解を深める機会となっています。
そのうち、2025年11月には横浜・海の公園にて、NPOや他企業と協働でアマモの播種(種まき)を行い、総勢約75名、うち当社グループから従業員とその家族の13名が参加しました。また、当社グループが開発したCO2由来植物成長刺激剤「ノビテク®」を活用し、アマモへの成長促進効果を実験的に測定しています。
今後も、地域社会やNPO等と連携し、自然環境の保全と回復を通じて、持続可能な社会の実現を目指しています。
アマモ藻場再生活動(日本)
生物多様性に関連するイニシアチブ等への参画
当社グループは、下記の生物多様性のイニシアチブや業界団体等へ参画することで、生物多様性条約COP15で決定したGBF(昆明・モントリオール生物多様性枠組)の2030年の23ターゲットやTNFD、SBTNなど世界の生物多様性に関する動向や勉強会を通して、日本国内の方針の的確な把握をし、当社グループ事業へのフィードバックを行い機会とリスクを検討しています。
<加盟・参加>
- TNFDフォーラムメンバー
- 経団連自然保護協議会
- 企業と生物多様性イニシアチブ(JBIB)
- 産業と環境の会 生物多様性保全対策委員会
- 電機・電子4団体※21生物多様性ワーキンググループ
また、海洋プラスチックごみ問題解決のイノベーションを加速するためのクリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)へはパナソニックホールディングスが会員となっています。
※21 (一社)日本電機工業会(JEMA)、(一社)電子情報技術産業協会(JEITA)、(一社)情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)、(一社)ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)の4団体
経団連生物多様性宣言
イニシアチブ ロゴマーク