サーキュラーエコノミーの取り組み
お客様のライフスタイルの変化とともに、モノではなく機能を使用する考え方が新たな価値観としてグローバルに広がっています。また、欧州で、資源消費に依存せず、持続可能な経済成長を目指すサーキュラーエコノミーの実現が経済戦略の1つとして位置づけられたことを契機に、お客様の価値観の変化と合わせて、この流れがグローバルに進展しています。当社グループは、「サーキュラーエコノミーグループ方針」に則り、資源の有効活用と顧客価値の最大化に取り組みます。
当社グループの推進するサーキュラーエコノミーの取り組みには、サーキュラーエコノミー型事業の創出と従来の循環型モノづくりの進化という2つの側面があります。
モノではなく機能を使用するという新しい価値観を具現化するため、1つの製品を多くの人で共有する「シェアリングサービス」、機能をベースにしてサービスを充実させる「モノのサービス化」、製品そのものや製品に使われている部品を再生・再利用することで、その機能・価値・寿命を最大限に活用する「リペア/メンテナンス、リファービッシュ、リマニュファクチュアリング」事業などのサーキュラーエコノミー型事業を創出することに取り組みます。
一方、投入資源の削減と循環資源の活用、生産活動でのゼロエミッション化、製品のリサイクルである従来の循環型モノづくりに継続して取り組み、さらに、新規材料や最新のデジタル技術を活用し、循環型モノづくりを進化させます。
これらの取り組みを、設計、調達、生産の各プロセスで資源効率を高めることにより、お客様の使用時の価値を最大化するエコデザインの考え方を基軸に推進し、Panasonic GREEN IMPACTに掲げている「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の両立を目指します。
【サーキュラーエコノミーの取り組みコンセプト】
循環型モノづくりの進化とサーキュラーエコノミー型事業の創出により
資源の有効活用と顧客価値の最大化に取り組みます
具体的な活動として、GIP2024に示す資源に関する目標達成に向けた取り組みを進めてきました。
まず、完成させた既存事業と循環経済の関連性を明確にする関連性マッピングを用いて、各事業がサーキュラーエコノミー型事業として足りていない内容を強化することで、既存事業をサーキュラーエコノミー型事業へ変換していくことに加え、新たな事業に対しても循環経済との関連性を上記の項目を用いて明確にした上で、サーキュラーエコノミー型事業を創出してきました。この取り組みから得られた知見に基づき、サーキュラーエコノミーの取り組みコンセプトを構成する要素を、6つの主要なサーキュラーエコノミー型事業タイプに分解し、活用可能なフレームワークとして構築しました。その結果、2024年度までにGIP2024の目標である13事業を上回る15のサーキュラーエコノミー型事業を立ち上げました。
一方で、再生樹脂の使用量については、2022年度から2024年度の累計で4.5万トンとなり、目標としていた9万トン以上には届かず、未達成となりました。これは、活用する部材に求められる特性への対応、供給量の安定的確保、製造側での使いこなす工夫、リサイクル技術開発など、複数の課題により再生樹脂の使用が順調に進まなかったことが主な要因です。今後は、このような課題に対する取り組みを加速させ、再生樹脂の使用拡大を着実に推進していきます。また、2024年度の工場廃棄物リサイクル率は99.2%となり、引き続き99%以上を維持しました。
今後は、GIP2024+1に示された資源関連の目標達成に向けて、取り組みをさらに強化していきます。具体的には、CE型事業を16事業数にまで拡大する予定です。再生樹脂の使用についても、GIP2024目標未達を踏まえ、2025年度単年で2.5万トン以上の使用を目指します。
また、当社グループの事業をサーキュラーエコノミー型事業へ移行することを促進するため、2020年4月にパナソニックヨーロッパをプロジェクトリーダーとして「グローバルサーキュラーエコノミープロジェクト」を立ち上げました。サーキュラーエコノミーの原則に対する理解が継続的に深まり、事業運営に適用する必要性が高まったことから、このプロジェクトは2023年に異なる組織体制に移行しました。事業とのより強固なつながりは、2023年11月に策定した「サーキュラーエコノミーグループ方針」、Panasonic GREEN IMPACT へのサーキュラーエコノミーの正式統合への重要な基盤となりました。