サーキュラーエコノミーの取り組み
お客様のライフスタイルの変化とともに、モノではなく機能を使用する考え方が新たな価値観としてグローバルに広がっています。また、欧州で、資源消費に依存せず、持続可能な経済成長を目指すサーキュラーエコノミーの実現が経済戦略の一つとして位置づけらたことを契機に、お客様の価値観の変化と合わせて、この流れがグローバルに進展しています。当社グループでは、このサーキュラーエコノミーの考え方も取り入れ、資源の有効活用と顧客価値の最大化に取り組みます。
当社グループの推進するサーキュラーエコノミーの取り組みには、サーキュラーエコノミー型事業の創出と従来の循環型モノづくりの進化という二つの側面があります。
モノではなく機能を使用するという新しい価値観を具現化するため、一つの製品を多くの人で共有する「シェアリングサービス」、機能をベースにしてサービスを充実させる「モノのサービス化」、製品そのものや製品に使われている部品を再生・再利用することで、その機能・価値・寿命を最大限に活用する「リペア/メンテナンス、リファービッシュ、リマニュファクチュアリング」事業などのサーキュラーエコノミー型事業を創出することに取り組みます。
一方、投入資源の削減と循環資源の活用、生産活動でのゼロエミッション化、製品のリサイクルである従来の循環型モノづくりに継続して取り組み、さらに、新規材料や最新のデジタル技術を活用し、循環型モノづくりを進化させます。
これらの取り組みを、設計、調達、生産の各プロセスで資源効率を高めることにより、お客様の使用時の価値を最大化するエコデザインの考え方を基軸に推進し、Panasonic GREEN IMPACTに掲げている「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の両立を目指します。
具体的な活動として、グリーンプラン2021に示す資源に関する目標達成に向けた取り組みを進めてきました。まず、サーキュラーエコノミー型事業の創出のために、既存事業に対して循環経済に関連する項目(製品の使われ方、製品のライフサイクル、製品の市場に関する10項目以上)に関する評価を行い、既存事業と循環経済の関連性を明確にする関連性マッピングをすべての既存事業に対して完了させました。今後、既存事業からサーキュラーエコノミー型事業への展開を図っていきます。
次に、再生樹脂利用量42kt以上(2019~2021年度累計)を達成しました。さらに、工場廃棄物リサイクル率99%以上も達成しました。
今後は、GIP2024に示す資源に関する目標達成に向けた取り組みを進めていきます。まず、完成させた既存事業と循環経済の関連性を明確にする関連性マッピングを用いて、各事業がサーキュラーエコノミー型事業として足りていない内容を強化することで、既存事業をサーキュラーエコノミー型事業へ変換していくことに加え、新たな事業に対しても循環経済との関連性を上記の項目を用いて明確にしたうえで、サーキュラーエコノミー型事業を2024年までに13事業立ち上げます。
次に、活用する部材に求められる特性への対応、供給量の安定確保、製造側での使いこなす工夫、リサイクル技術などをさらに進化させ、再生樹脂使用量90kt以上(2022~2024年度累計)を達成することを目指します。さらに、当社グループにとってゼロエミッション活動は資源の有効活用において重要な取り組みであり、工場廃棄物リサイクル率99%以上達成を継続していきます。
これらの取り組みを加速するために、パナソニックヨーロッパをグローバル推進リーダーとして、2020年4月よりサーキュラーエコノミープロジェクトを開始し、世界の各地域でプロジェクトの推進を継続しています。