グループが目指す姿と地球環境問題の解決

当社グループの使命は、創業者の松下幸之助が生涯をかけて追い求めた「物心一如の繁栄」、すなわち「物と心が共に豊かな理想の社会」の実現です。1932年、創業者は事業を通じて、250年かけて「理想の社会」の実現を目指すと宣言しました(創業命知)。以来、当社はこの想いを受け継ぎ、時代時代の社会課題の解決のため、お客様お一人おひとりの幸せのために、様々なお役立ちを果たしてきました。現在、当社の使命達成を阻む最大の課題が地球環境問題です。限りある資源の枯渇、そして喫緊の気候変動/地球温暖化を少しでも食い止めるために、社会全体でCO2総排出量を一刻も早く実質ゼロに向かわせることが不可欠です。当社は、企業の責務遂行と貢献にいち早く行動し、より大きなお役立ちを果たして、絶対に解決へ導く、と長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT(PGI)」を2022年1月発表し、バリューチェーン全体の環境負荷の低減と、同時に、社会やお客様のCO2排出削減に貢献する取り組みを加速しています。
地球環境問題は、温暖化に限らず、資源の枯渇に対して同様に、事業活動への影響とお客様/社会への影響に向き合う重要性が高まっています。当社は資源の有効活用と顧客価値の両立に長年取り組んできましたが、資源効率向上が脱炭素化に寄与して資源消費を削減することを認識し、持続可能な社会実現に貢献することを事業運営の基盤とするため「サーキュラーエコノミー(CE)グループ方針」を定め、2023年11月にグループ内外に発信しました。各事業の特性に応じたCE課題の特定と戦略/行動計画の策定・実行につなげます。

サーキュラーエコノミーグループ方針(循環の3原則を抜粋)

  1. 製品をお使いいただける期間をできるだけ延ばし、ライフサイクルを通じて資源の生み出す価値を維持し高めていきます。そのために、製品設計やデザイン、ビジネスモデルをサーキュラー型に変革、サービスを拡充すると同時に、リサイクル活動にもさらに力を注ぎます。
  2. 材料の使用を最小化するとともに、リサイクル材料や再生可能材料の使用割合を拡大します。
  3. 顧客やパートナーと協力して、循環志向の経営、情報共有、製品使用の新しいあり方を共につくります。

全文はこちらをご覧ください。

Panasonic GREEN IMPACT

PGIは、2050年の持続可能な社会構築を見据えて、各事業領域で2030年の変革からバックキャストした環境戦略の全体像です。PGIは、責務の遂行(❶OWN)と、貢献の機会(❷CONTRIBUTION、❸FUTURE)、および社会やお客様へのポジティブな波及効果(+INFLUENCE)に分類され、❶❷❸を通じて2020年の世界のCO2総排出量317億トン※1の「1%」にあたる年3億トン以上※2の削減インパクトを2050年までに創出する宣言です。そして中間的マイルストーンとして、2030年度に「全事業会社の排出量(❶のスコープ1,2)の実質ゼロ化」と「約1億トンの削減貢献量(❷)の創出」を目指すとともに、2022-2024年度の行動計画「GREEN IMPACT PLAN 2024」を策定しました。

※1 2020年エネルギー起源CO2排出量(出典:IEA)
※2 CO2削減貢献量の排出係数は自社努力量を適確に測るため2020年基準で固定

パナソニックグループは、
自社のCO2排出を減らし、
社会のCO2排出削減に貢献しながら、
循環経済の実現にもつながる
様々な活動のインパクトを拡げることで、
「より良いくらし」と
「持続可能な地球環境」の
両立を目指します。

❶ OWN IMPACT
バリューチェーン全排出量(1.1億トン※3)を社会の脱炭素効果※4とともに実質ゼロにします。事業会社内(スコープ1,2)の2030年度までの実質ゼロ化をはじめ、部品や材料の生産時の排出量(スコープ3カテゴリ1)や製品使用時の排出量(スコープ3カテゴリ11)など、事業活動の全排出量(スコープ1,2,3)をゼロ化します

※3 2020年度実績値
※4 各電力事業者により電気のCO2排出係数が良化すること

❷ CONTRIBUTION IMPACT
現在の事業領域で社会やお客様の排出削減に1億トン以上貢献(削減貢献量)します。製品・サービスごとに貢献を可視化し、これを社会との共通のモノサシにします。

❸ FUTURE IMPACT
新技術、新事業の創出により1億トン以上の貢献(削減貢献量)を目指します。

+ INFLUENCE
PGIを生み出すコミュニケーション活動です。お客様や関係事業者様、国政府や投資家様の、需要や行動の変容を通じて、エネルギー需給の変革や脱炭素化に波及的にポジティブな影響を及ぼします。現時点で直接的なインパクトを算出できるものではありませんが、当社の使命の一部と自覚して取り組みます。

サーキュラーエコノミーグループ方針

Panasonic GREEN IMPACTは、地球環境問題に正面から向き合い、様々な事業活動のインパクトを拡げることで、その解決に貢献していくという決意を込めた、パナソニックグループの長期ビジョンです。
私たちは、資源効率が脱炭素化に寄与するとともに、地球上の限られた天然資源の消費を削減することが必要であることを認識し、持続可能な社会の実現に貢献するため、パナソニックグループのサーキュラーエコノミー方針を定めます。

サーキュラーエコノミーは、製品ライフサイクル全体で、材料資源の最も効率的な利用を目指す経済システムです。
パナソニックグループ各社は、以下の循環の原則に基づき、それぞれの事業特性に合わせたアプローチや、目標、個別の行動計画を定めます:

  1. 製品をお使いいただける期間を出来るだけ延ばし、ライフサイクルを通じて資源の生み出す価値を維持し高めていきます。そのために、製品設計やデザイン、ビジネスモデルをサーキュラー型に変革、サービスを拡充すると同時に、リサイクル活動にもさらに力を注ぎます。
  2. 材料の使用を最小化するとともに、リサイクル材料や再生可能材料の使用割合を拡大します。
  3. 顧客やパートナーと協力して、循環志向の経営、情報共有、製品使用の新しいあり方を共につくります。

パナソニック内外におけるグリーントランスフォーメーション(GX)の一環として、このサーキュラーエコノミー方針を策定することにより、私たちはリニア型からサーキュラー型ビジネスへの転換を推進していきます。

環境行動計画「GREEN IMPACT PLAN 2024」

長期環境ビジョンPanasonic GREEN IMPACTの2050年3億トンに至るマイルストーンとして、グループ全社の事業戦略に連動した2030年度の目標と、2022年度から2024年度までの3ヵ年の環境行動計画「GREEN IMPACT PLAN 2024」(GIP2024)を策定し、取り組んでいます。
GIP2024は重点課題を、自社バリューチェーン(VC)全体(スコープ1,2,3)のCO2排出の削減量(OWN IMPACT)と、お客様・社会へのCO2削減貢献量(CONTRIBUTION IMPACT)、ならびに資源/サーキュラーエコノミー(CE)として2024年度の目標値を設定しました。
OWN IMPACTでは、2020年度にVC全体で1.1億トンあった排出量から、事業成長とともに、2030年度に排出量3,145万トン、2024年度に1,634万トンをそれぞれ削減します。その中でも、2030年度までに事業活動によるCO2排出量(スコープ1,2)を実質ゼロにした工場(「CO2ゼロ工場」)を、全事業会社で達成する計画です。CONTRIBUTION IMPACTでは、お客様・社会への削減貢献量を2030年度に9,300万トン※5、2024年度に3,830万トン※5創出します。
資源/CEの重点取り組みは、下記の3項目です。

  1. 工場廃棄物のグローバルでのリサイクル率99%以上の常態化(ゼロエミッション)
  2. 再生樹脂の使用量を3年間累計9万トンに増加
    (2019-21年度累計の使用量43,300トンの2倍)
  3. 新たな「CE型の事業モデル」を2024年度までに累計13以上で展開し、資源の有効活用とお客様価値の最大化を目指す

さらに、社会課題の大きさやお客様・社会との共感を考慮し、事業領域や地域の特性・ニーズに合わせて「生物多様性」「水」「化学物質」「地域社会」「順法」の各課題にも継続的に取り組みます。

※5 PGI策定時(2020年度)の排出係数(IEA2021)で算出

▪GIP2024二年目の状況

自社バリューチェーン全体のCO2排出量は、2020年の1億751万トンが2023年度は1億2,652万トンと、1,901万トン増加(OWN IMPACTはマイナス)となりました。スコープ1,2は、省エネ・再エネともに進展してCO2ゼロ工場は44拠点、削減量は68万トンとなりました。スコープ3は、排出量の7割強を占める製品使用時において算定対象とする領域の拡大等により増加しました(2020年度比で510万トン増)。
一方で、お客様・社会への削減貢献量(CONTRIBUTION IMPACT)は、当社グループの重点事業が成長したことと、貢献事業の新たな可視化を進めたことで3,697万トンと2020年度比で拡大しています。
また資源/CEの領域では、廃棄物リサイクル率は、グローバルで99.3%となり目標水準を維持しました。再生樹脂使用量は、2022年度からの2年間で計2.96万トンですが、廃樹脂の回収から再加工・再使用までのサプライチェーン強化・安定化などの競争力強化を進めて挽回を図っています。そしてCE型事業モデルの構築は、新たに3事業が立ち上がって累計13事業となり、2024年度の目標を1年前倒しで達成しました。

GREEN IMPACT PLAN 2024,2030目標と2023年度実績

GREEN IMPACT PLAN 2024,2030目標と2023年度実績

※6 GHGプロトコル(排出量の算定・報告の基準)による区分
※7 2020年度の排出量から当該年度の排出量を減算した量
※8 当社の製品・サービスが導入されなかったと仮定した場合のライフサイクル排出量から導入後の排出量を差し引いた量。電気の排出係数はIEC2021で算出
※9 再資源化量/(再資源化量+最終処分量)
※10 当社グループの製品に利用された再生樹脂に含まれる再生材の質量
※11 スコープ1,2とスコープ3カテゴリ11に加えてカテゴリ1(調達)やカテゴリ12(廃棄)などの増減分を含む。カッコ内は21年以降に算定可能となった製品の排出量相当も反映した20年度実績(PGIの起点)と23年度実績との比較
※12 電気の排出係数はIEA World Energy Outlook 2℃シナリオで算出

▪CO2関連指標の2023年度状況

CO2排出量(図上段)
2023年度の当社のCO2排出量は1億2,652万トンでした。2020年度の1億751万トンから1,901万トンの増加(OWN IMPACTはマイナス)です。この3年間で責務としての削減対象品目の拡大や算定式の精緻化を進めたことが大きく影響しています。一方で2023年度の対象範囲で2020年度を推定すると1億3,860万トンとなり、2020年度からの3年間で1,208万トン削減したことになります。
バリューチェーンの全排出量の7割強を占める製品使用時の排出量(スコープ3カテゴリ11)は、2020年度の33事業8,593万トンから、2023年度には対象を56事業として9,103万トンに増加しました。
2021年度以降に算定式が確立した事業の排出量と、2022年度からは冷媒関連機器のお客様使用時のフロン放出量を追加しました。低環境負荷冷媒(CO2/プロパン)の普及による使用時フロン放出の低減を目指します。また2022年度からお客様が冷媒関連機器を廃棄される際に放出される冷媒(スコープ3カテゴリ12)の回収拡大を目指して、冷媒の廃棄時の影響の算定法も精緻化して追加しました。当社は責務としてのスコープ3の削減対象を的確に認識し、算定範囲や算定法の見直しによる精度向上に、引き続き取り組んでまいります。

CO2削減貢献量(図下段)
2023年度の当社製品・サービスのCO2削減貢献量(CONTRIBUTIONIMPACT)は3,697万トンとなり、2024年度の目標3,830万トンに近づいています。対象事業は2020年度の28事業から、2023年度は56事業に拡大しました。過去から可視化に取り組んできた26事業(2020年度時点で28事業)では、当社で最大の貢献量を創出している車載用円筒形リチウムイオン電池の算定法をライフサイクル視点で精緻化した結果による減少分の影響などで2020年度の2,347万トンが2023年度は2,700万トンと353万トンの増加でした(なお車載用円筒形リチウムイオン電池の算定法の見直しを行わなかった場合は2,870万トンと523万トンの増加でした)。一方で新たに30事業で可視化が進み、2023年度は997万トンを創出しました。

Panasonic GREEN IMPACTは、一刻も早い気候変動の阻止のために、当社の責務と事業機会の両面に真摯に向き合い、一つひとつの取り組み(ACT)の積み重ねによって、お客様や社会とともにカーボンニュートラルを目指すビジョンです。「排出量」と「削減貢献量」はその概念や活用目的が異なり、自社の責務(排出量)はお客様や社会への貢献(削減貢献量)で相殺するものではなく、表裏一体の関係として適確に合理的に把握した上で、ともに加速すべきものと考えます。
特に「削減貢献量」は算定法の自由度が高く、社会共通のモノサシとなるためには課題も多く残されています。標準化が進んで当社が採用している算定法と異なるものになれば、その時点で算定式を見直し、目標や結果の数値も更新しますが、更新の有無にかかわらず対象各事業の競争力を高めて順次達成することで、脱炭素化の早期達成に貢献します。そして事業の変革と成長を加速していることを示す証として、今後も変化の内容や進捗を報告していきます。

GREEN IMPACT PLAN2024(GIP2024):CO2関連指標の2023年度状況

GREEN IMPACT PLAN2024(GIP2024):CO2関連指標の2023年度状況

削減貢献量

CONTRIBUTION/FUTURE IMPACTは一般的に「CO2削減貢献量(以降、削減貢献量)」と呼ばれます。削減貢献量は、当社グループが提供する製品やサービスを導入いただくことで、導入されなかった状態(参照シナリオ。ベースラインシナリオとも呼ばれる)と比較して、お客様や社会のCO2排出の削減に貢献した量(排出を回避した量)の価値を示す指標です。「排出量」と「削減貢献量」はCO2に関する指標という点では共通していますが、「排出量」は自社のバリューチェーン(VC)でCO2を削減する責務を測るもので、「削減貢献量」は事業によるお客様や社会への脱炭素の貢献を測る指標であり、算定法と活用の目的が異なります。また「削減貢献量」で自社VCの「排出量」を相殺することはできません。

削減貢献量の算定方法に関する国際的な標準規格の策定はまだ途上です。当社は国際標準化を目指す議論※14に積極参加するとともに、これらに準拠した合理的な算定法の開発や開示とその進化に取り組んでいます。今後、標準化されていく算定方法が当社が採用する方法と異なった場合は、標準化への準拠とともに目標を修正した上で達成に取り組みます。また開示情報の客観性を高めるため、本書に記載の算定法や根拠データは第三者機関の検証を受けています。

削減貢献量の定義※13

削減貢献量は、あるソリューションによるCO2削減への影響を、そのソリューションが使用されない参照シナリオと比較したときの、社会に対するプラスの影響と定義される

※13 WBCSD "Guidance on Avoided Emissions"(2023/3)より当社が修正

2023年度に販売した製品・サービスのCONTRIBUTION IMPACTは、56事業で計3,697万トンでした。新たに7つの製品・サービスの数値化によって増加した一方で、車載用円筒形リチウムイオン電池の算定法を精緻化した結果の減少分などで、全体では前年度と同等でした。当社はCO2削減効果を仕組みごとに次の4つに分類しています。
「電化」:化石燃料よりもエネルギー利用効率に優れる電化機器や部品の普及
「置き換え」:従来と同じ効能をもたらしつつ省エネ性能を向上した製品の普及
「ソリューション」:建物空間や設備などシステム全体の電力使用量を最適化
「その他」:上記に含まれない多様な貢献。クリーン発電や断熱効果、配送削減等
現在の主な対象事業は「くらし事業」(ヒートポンプ機器、照明、冷蔵庫、太陽光発電システム等)と「エナジー事業」(車載用円筒形リチウムイオン電池等)で、これらは当社グループ売上高の約50%を占めます。電化機器の社会普及に伴って電力需要は高まりますが、機器自体や接続する空間等のエネルギー利用効率を継続的に高め、各地域の系統電力の負荷量低減と再エネ化の促進につなげます。

※14 2023年3月に発行されたWBCSDとGXリーグからの削減貢献量ガイダンス・指針や、IECでの議論
 (詳細は削減貢献量の認知・価値化活動 ■標準化活動に記載しています)

下記サイトにはお客様や社会のCO2削減に貢献する商品の事例を掲載しています

社会の脱炭素化にはエネルギー供給側と需要側の両面での取り組みが不可欠です。エネルギー供給事業者様の努力で再エネ化が進むことを前提に、当社は多様な製品・サービス単位でエネルギー利用効率を向上するとともに、モビリティ、建物等の空間全体、サプライチェーンプロセスなど、社会経済システムのレベルでエネルギー利用の最適化に貢献します。当社は、脱炭素に貢献する事業への変革と成長を加速させている証として、削減貢献量の合理的な算定と開示を続けます。
削減貢献量は、VC全体の排出量が可視化されて削減に貢献する事業者やソリューションを識別する指標となりえます。削減貢献量を事業の評価の仕組みの中で活かし、投資の判断にも加えられることで、脱炭素に資する事業の競争が活性化され、強固で効率的な脱炭素VCの構築につながることを期待しています。

CONTRIBUTION IMPACT

単位:トン

算定例

:下記で詳しく記載

CONTRIBUTION IMPACT

※15 Air to Water
※16 Building Energy Management System
※17 Home Energy Management System

電化 ヒートポンプ式 給湯・暖房機器(エコキュート、A2W※18

※18 A2W(Air to Water):欧州向けヒートポンプ式温水給湯暖房機

主な削減対象となる製品ライフステージ

原材料・素材 製造 輸送 使用 廃棄・リサイクル

主な販売地域:エコキュート日本A2W欧州

■概要
ヒートポンプは、気体を圧縮や膨張させると温度が変化するという性質を利用して大気中の熱エネルギーを水や空気に移動する電化技術で、化石燃料燃焼による熱の利用と比較して利用効率に優れる(約2.44.3※19)。さらに、ガス機器からは都市ガスの燃焼時に必ずCO2が排出される一方、本電化機器が普及し、使用される個々の電源で再エネ構成が年々高まることを前提に、脱炭素社会への移行の加速に寄与する。

※19 経済産業省「トップランナー制度」の情報から当社試算

■削減貢献メカニズム
各市場に普及している平均的なガス燃焼式の給湯・暖房と比べて、同量の能力を持つ本機器がライフタイムで使用する電気のCO2排出量は少なく、その差分が削減貢献量。

給湯・暖房エネルギーによる1台あたり平均CO2排出量

■CO2削減貢献量の算定式

活動量 活動量あたりの削減量 CO2排出関連数値・係数 期間

■ベースライン(比較対象)
同量の給湯・暖房に要する熱量を獲得するためのガスの燃焼によるCO2排出量。
寒冷地の多い欧州などではガス燃焼による従来型の給湯・暖房が主流である。
(A2Wは既存ガス機器の配管を利用して電化に移行可能)

■定量化の範囲(考え方と合理性)
使用時。ヒートポンプ機器とガス機器ともにCFPは「使用時」が相対的に大きい※21ため、カットオフできる範囲と当社判断。

※21 当社ヒートポンプ機器のバリューチェーンでの排出量で「使用時」は79.9%(2020年度当社実績)

CFP(Carbon Footprint of Products):製品・サービス(1単位)が原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出する温室効果ガス排出量のCO2換算値

■活動量(台)
(エコキュート)
日本での年間販売台数にガス機器からの置き換え率70%※22を乗じた数

※22 日本の工業会データ。推定寿命を終えたエコキュート同士の置き換えを計上から除外

(A2W)欧州における年間販売台数※23(台)

※23 2008年より販売開始のためA2W同士の置き換え率はカットオフできると当社判断

■活動量1単位あたりの削減貢献量(原単位)
ヒートポンプ機器とガス機器の双方で、同量の給湯・暖房効果をもたらすために要した年間エネルギー使用量のCO2換算量の差分

■期間(フロー方式:販売年度にその生涯分の排出量を一括計上)

  • 補修部品の保有年数
  • 期間中、CO2削減効果は持続する

電化 車載用円筒形リチウムイオン電池

※昨年度のサステナビリティデータブックでの開示から、ライフサイクル視点で算定式を見直し

主な削減対象となる製品ライフステージ

原材料・素材 製造 輸送 使用 廃棄・リサイクル

販売地域:北米

■概要
ICE(内燃機関車)からEV(電気自動車)への移行はエネルギー効率の優位性※24に加え、直接排出するCO2量が少なく、世界の運輸部門の脱炭素化をもたらすことが期待される。特に、内燃機関車でないBEV(二次電池式電気自動車)は電気によりモータを駆動させて動力とすることからICEの燃料供給機能に相当する充電池はBEVにおいて最重要な部材の一つと認識されている。

※24 エネルギー効率(消費エネルギー量のうち車輪に届く割合)ICE:16-25% BEV:87-91%
出典:Yale Climate Connections. August,2022 "Electrifying transportation reduces emissions AND saves massive amounts of energy"

■削減貢献メカニズム
当社の充電池を搭載したBEVとICEが同じ距離を走行した場合、BEVはエネルギーの動力への変換効率が高いため、燃油消費量と充放電量をCO2に換算した量の差分が生じる。

米国におけるICEとBEV各1台の全ライフサイクルCO2排出量

参照 ICCT( The international council on clean transportation)
Global-Vehicle-LCA-White-Paper-A4-revised-v2.pdf( theicct.org)

■CO2削減貢献量の算定式

活動量活動量あたりの削減量CO2 排出量期間

■ベースライン(比較対象)
ICEのガソリン使用を含む製品ライフサイクル全体でのCO2排出量

■定量化の範囲(考え方と合理性)

充電池、ガソリンの原材料の採掘から廃棄・リサイクルまでの各段階と、BEVとICEそれぞれの車体走行分を比較した総CO2排出量の差分

■活動量(台)
車載用円筒形リチウムイオン電池の年間販売容量をBEV台数に換算した値

■活動量1単位あたりの削減貢献量(原単位)
ICEからBEVへの乗り換えによる1台の走行距離あたりの製品ライフサイクル全体での総CO2排出量の差分

■期間(フロー方式:販売年度にその生涯分の排出量を一括計上)

生涯走行距離
日、米、欧の年間走行距離の平均値×自動車の寿命(10年)

■2023年度のCO2削減貢献量:1,203万トン

置き換え 電化製品同士の置き換えによる使用時の省エネ効果

主な削減対象となる製品ライフステージ

原材料・素材 製造 輸送 使用 廃棄・リサイクル

主な販売地域:日本、中国、北米、中南米、欧州、東南アジア、中近東など

■概要
普及が進んだ大量の電化製品が消費するエネルギーの利用効率性を向上することは、製品が使われる地域の系統電力の負荷を低減し、電源の再エネ化のハードルを下げて、需要側から脱炭素社会への移行を促進する。さまざまな耐久性の高い電化製品の特徴が、ライフサイクルCO2排出量(CFP)の支配的なステージが、顧客や社会で製品が使用される期間全体を通じたエネルギー利用によることである(照明や冷蔵庫などの大型製品で8-9割を占める)。充分な耐用年数を経た製品は、使用時に同等の機能・性能を持っているエネルギー効率が向上した新製品への更新によって顧客と電源側のCO2削減効果を生む。

■削減貢献メカニズム
耐用年数が経過した電化製品が、同等機能を持つ新製品に置き換えられた前後での、生涯(ライフタイム)使用時の省電力量をCO2に換算した量。

ドライヤーの例

ナノイー効果を高めると同時にモーター性能向上などにより速乾大風量化を実現(従来品比で省エネ28%)

【例】ドライヤーの従来品と最新製品1台あたりのライフタイムでの使用電力量によるCO2排出量

■CO2削減貢献量の算定式

活動量 活動量あたりの削減量 CO2排出関連数値・係数 期間

■ベースライン(比較対象)
新製品と同等の機能を持つ電化製品の、販売地域ごとの普及状態※27での市場の平均的な機器が消費する生涯(ライフタイム)電力量のCO2換算量。

※27 例:ドライヤーの国別の普及率など

■定量化の範囲(考え方と合理性)

使用時。電化製品の平均的なCFPは「使用時」が支配的※28であり、置き換え前後の使用時以外のCO2排出量の差分の影響はカットオフできると当社判断。

※28 電化製品のバリューチェーンでの排出量で「使用時」は平均で約8~9割を占める

■活動量(台、個 など)
新製品の販売地域ごとの置き換え前の状況(普及率等)に応じた年間販売数量

■活動量1単位あたりの削減貢献量(原単位)
販売地域ごとの当該製品と比較対象の生涯(ライフタイム)使用での消費電力量※29のCO2換算量の差分。

※29 例:設計上の定格電力×年間の使用時間など

■期間(フロー方式:販売年度にその生涯分の排出量を一括計上)

  • 製品ごとに設定。補修部品の保有年数(5~10年)や基本性能が維持できる使用時間、使用回数など。
  • 期間中、CO2削減効果は持続する。
  • 電化製品は適切な使用やメンテナンスにより耐用年数は伸びるため、5年から10年間という期間は保守的な見積りとして当社判断。
  • 耐用年数の伸長によって資源有効利用によるCO2削減効果も期待される。

CFP(Carbon Footprint of Products):製品・サービス(1単位)が原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出する温室効果ガス排出量のCO2換算値

ソリューション(熱ロス減) 熱交換気システム

主な削減対象となる製品ライフステージ

※30 本システムの使用期間における空調にかかる室内からの熱ロス減によるCO2排出削減

原材料・素材 製造 輸送 使用※30 廃棄・リサイクル

主な販売地域:日本、中国、北米、欧州

■概要
民生部門/業務部門の脱炭素化には居住空間やオフィスの冷暖房負荷低減が重要であり、熱交換気システムは室内からの熱ロス低減、空質維持による快適性を同時に実現する。換気時に熱交換素子で室内外の熱を交換して、室内に送り込む空気の温度をあらかじめ冷やす/温めることで冷暖房負荷を低減し、さらに空気清浄も付与した高機能システムであり、高い気密性が求められる日米欧や中国などの住宅や店舗、ビルなどで幅広く利用可能。

■削減貢献メカニズム
同じ条件下の室内空間において、本システム導入により市場平均的な換気方式と比べて空調機器の運転で消費される電力・燃油の使用が削減された量のCO2換算値。

熱交換気システムの仕組み(冬季)

※熱交換率は機種によって異なります

換気由来の熱ロス分を補ったエネルギーのCO2排出量

■CO2削減貢献量の算定式

活動量 活動量あたりの削減量 CO2排出関連数値・係数 期間

■ベースライン(比較対象)
現在の市場平均的な通常換気方式のシステムを導入した住宅などでの空調機器の運転による販売地域ごとの消費電力量と燃油使用量のCO2換算値。

■定量化の範囲(考え方と合理性)

使用時の差分。換気機器本体同士のCFPでは使用時の比率が支配的(約8割)であり、かつ使用時以外の影響は同等であることから、カットオフできる水準と当社判断。

CFP(Carbon Footprint of Products):製品・サービス(1単位)が原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出する温室効果ガス排出量のCO2換算値

■活動量(台)
本システムの中核機能である熱交換気ユニットの年間の販売台数

■活動量1単位あたりの削減貢献量(原単位)
日本の住宅の居住空間における通常の換気システムを使った平均的な空調負荷量を、販売地域ごとに当社シミュレーションによって算出。
通常の換気方式と熱交換方式における居住空間の空調機器の運転で消費されるエネルギー量の差分に、販売地域ごとの電力や燃油※31のCO2排出係数を乗じる。

※31 燃油:灯油を採用

■期間(フロー方式:販売年度にその生涯分の排出量を一括計上)

  • 熱交換気ユニットの設計寿命(10年)
  • 期間中、CO2削減効果は持続する。

その他(熱ロス減) 真空断熱ガラス

主な削減対象となる製品ライフステージ

※32 本製品の使用期間における建築物の冷暖房負荷低減によるCO2排出削減販

原材料・素材 製造 輸送 使用※32 廃棄・リサイクル

販売地域:日本

■概要
民生部門や業務部門等の脱炭素化には、建築物の断熱性向上によって室内温度を維持して居住空間やオフィス等における冷暖房負荷を低減することが有効な手段である。当社試算では日本の平均的な戸建住宅におけるすべての熱ロス量のうち「窓」からの熱ロスは30-40%におよぶ。本製品は薄さと高断熱性を同時達成したことで、既存の建築物の開口部(窓)にもそのまま採用できるため、既存の建築物をはじめ幅広い室内空間に対して適用拡大するポテンシャルを持つ。

■削減貢献メカニズム
真空断熱ガラスは単板ガラスやLow-E複層ガラスと比較して大きく断熱性に優れる※33。これを建物の窓材に採用することで、空調機器の運転に必要な電力を削減した量のCO2換算値。

真空断熱ガラスの導入有無による住宅の冷暖房エネルギーのCO2排出量とガラスのCFPの比較

■CO2削減貢献量の算定式

活動量 活動量あたりの削減量 CO2排出関連数値・係数 期間

■ベースライン(比較対象)
日本の各住宅における空間全体の空調運転に消費される電力量のCO2換算値。
本製品導入でリフォーム時は単板ガラス、新築時はLow-E複層ガラスを置き換える設定。

■定量化の範囲(考え方と合理性)

  • 使用時:住宅全体の冷暖房で消費される電力に起因したCO2排出量。
  • ガラスのCFP:真空断熱ガラスのCFPは単板/Low-E複層ガラスより大きい。
    (ただし使用時はガラスからのCO2排出量はゼロ)真空断熱ガラスと、単板ガラスのCFPの差は削減貢献量の31%、Low-E複層ガラスの差は同じく19%を占めることから、CFPの差はカットオフせずに削減貢献量より減ずる。

■活動量(m2
年間の真空断熱ガラスの販売量

■活動量1単位当たりの削減貢献量(原単位)

  • 使用時:各ガラス窓ごとに住宅の冷暖房で消費される電力量を算出した差分
    ※日本建築学会の標準気象データと冷暖房熱負荷計算ソフトを用いて木造2階建/床面積120m2の戸建住宅の年間消費電力量を当社でシミュレーションして試算
  • ガラスのCFP:各ガラスごとに日本板硝子協会データより当社算定

■期間(フロー方式:販売年度にその生涯分の排出量を一括計上)

  • 真空断熱ガラスの設計寿命。
  • 期間中、CO2削減効果は持続する。
  • 日本の住宅の寿命は一般的にさらに長いと考えられるため、CO2削減効果は保守的に見積られていると当社判断。

CFP(Carbon Footprint of Products):製品・サービス(1単位)が原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出する温室効果ガス排出量のCO2換算値

その他 宅配ボックス

主な削減対象となる製品ライフステージ

※36 本製品の使用期間における宅配便輸送によるCO2排出削減

原材料・素材 製造 輸送 使用※36 廃棄・リサイクル

販売地域:日本

■概要
日本の家庭部門では電子商取引の増加と生活様式変化に伴って不在時間が増加し、宅配便の再配達回数が増えることによって宅配事業者の物流負荷量が増加している。家庭に宅配ボックスを設置することで、再配達が回避され、荷物を受け取る人の煩わしさの解消や宅配事業者の労働時間短縮と同時に、配達にかかる車の燃料等のエネルギーの消費に伴うCO2排出量が削減され、地域物流網の負荷量軽減と低炭素化に貢献する。

■削減貢献メカニズム
再配達の回避によって宅配事業者が再配達のために車で移動する際に用いるエネルギー消費(ガソリンなどの化石燃料の燃焼)のCO2排出量を削減する。

宅配ボックス1台有無によるCO2排出量
(再配達による宅配事業者の車両からのCO2排出量と宅配ボックス自身のCFP

■CO2削減貢献量の算定式

活動量活動量あたりの削減量CO2排出関連数値期間など

■ベースライン(比較対象)
宅配ボックス非設置の住宅で受取人が不在時、宅配便を受け取れなかった場合、宅配事業者が再配達に要する平均エネルギー使用量のCO2換算量

■定量化の範囲(考え方と合理性)

使用時(宅配ボックスの使用による宅配事業者の配達にかかる削減貢献量)。
宅配ボックスは使用時の排出量はゼロだが、CFP全体では削減貢献量に対して20%(当社試算)あり、これは追加的な影響であるため削減貢献量より減ずる。

■活動量(台)
年間の宅配ボックスの販売台数

■活動量1単位当たりの削減貢献量(原単位)

  • 再配達1回あたりのCO2削減貢献量:0.46kg(国土交通省実証データ)
  • 再配達回数:当社実証データ

■期間(フロー方式:販売年度にその生涯分の排出量を一括計上)

  • 宅配ボックスの設計寿命。
  • 期間中、CO2削減効果は持続する。
  • 本製品は適切な使用やメンテナンスによって耐用年数はさらに伸びることから設計寿命を採用することはCO2削減効果の保守的な見積りであると当社判断。

CFP(Carbon Footprint of Products):製品・サービス(1単位)が原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出する温室効果ガス排出量のCO2換算値

削減貢献量の認知・価値化活動

現在のGHGプロトコルは、自社の事業活動に伴うCO2排出量を評価できますが、事業を通じた社会への貢献(機会:ビジネスチャンス)は含まれません。一方、削減貢献量の考え方はありますが、統一基準が未確立、社会の認知度が低いのが実情です。よって、企業の脱炭素貢献が適切に評価される環境を整備することで、そのための企業努力(技術開発・イノベーション)を促進し、カーボンニュートラル社会実現の加速に寄与していく仕組みづくりが必要です。
環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」(PGI)は自社だけでなく社会全体のCO2排出量削減を対象として目標設定しており、企業の脱炭素貢献を適切に評価する「モノサシ」としての削減貢献量の意義や認知拡大を、同じ志を持つ企業、金融機関などのステークホルダーとともにグローバルに進めることが重要です。そこで、グローバルな基準の統一化・認知拡大・周知に向けて以下の活動を推進中です。

▪標準化活動

■IEC(国際電気標準会議)
2020年9月、IEC規格の標準化活動が日本提案により始まりました。具体的には、新技術(AI、IoT、デジタルツインなど)の削減貢献量の算定、算定方法の要求事項の提供、コミュニケーションと情報開示の要求事項の確立を行い、国際規格番号:IEC63372、タイトル:「電気電子製品およびシステムからの温室効果ガスの排出、排出削減、削減貢献の算定とコミュニケーション -原則、方法、要求事項およびガイダンス」を作成しています。2024年5月からは、IEC TC111(電気・電子機器、システムの環境規格)において委員会原案投票が開始されており、順調に進めば2025年前半にIEC規格として発行される見込みです。当社グループはこの初期段階から参画して取り組んでいます。

■WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)
WBCSDは、持続可能な開発を目指す先進的な企業約200社が加盟するグローバルな組織で、持続可能な社会への移行に貢献するために協働しています。パナソニック ホールディングス(株)(PHD)はWBCSDが目指す理念に共感し、グループのPGI活動を加速させるためWBCSDに加盟しました。また、2023年にWBCSDが発行した「削減貢献量ガイダンス」に基づき、WBCSDおよび会員企業と密に連携し、規格の改定や削減貢献量の普及促進活動に取り組んでいます。

■GXリーグ※37
世界全体のカーボンニュートラル実現に向けて、日本企業が持つ気候変動への貢献の機会面(市場に提供する製品・サービスによる排出削減等)が適切に評価される仕組みを構築することを目的に、当社は昨年に引き続きGXリーグにおける取り組みの1つである「市場創造のためのルール形成」において、「GX経営促進ワーキング・グループ(WG)」のリーダー企業として参画しました。
当社グループの長期環境ビジョンで活用している、気候関連の機会を評価する開示項目の一つである削減貢献量の認知拡大のため、2022年度に公表されました「気候関連の機会における開示・評価の基本指針」に続き、2023年12月に金融機関による活用事例集を、2024年5月に事業会社による推奨開示仮想事例集を他の策定企業と共同で発行しました。

※37 GXとは、「グリーントランスフォーメーション」の略。2022年2月に経済産業省産業技術環境局が「GXリーグ基本構想」を発表。GXに積極的に取り組む「企業群」が、官・学・金でGXに向けた挑戦を行うプレイヤーとともに、一体として経済社会システム全体の変革のための議論と新たな市場の創造のための実践を行う場として「GXリーグ」を設立。

▪国際的イベントでの削減貢献量の訴求

2022年度の国際イベントでの認知・普及活動の結果、2023年のG7において成果文書に明記され、2023年度も継続して認知・価値化活動に取り組んでいます。

■G7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合
2023年4月、成果文書に「削減貢献量を認識することに価値がある」と明記されました。

■G7広島 首脳会合
2023年5月、成果文書に「脱炭素ソリューションを通じ他の事業者の排出削減に貢献するイノベーションを促すための民間事業者の取り組みを奨励・促進」と明記されました。

■GGX×TCFDサミット
2023年10月、経済産業省が開催した、国際GX会合とTCFDを統合した国際イベント「GGX×TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)サミット」にて、当社グループは企業の「課題解決力」と「削減貢献量」をテーマとするパネルディスカッションに登壇し、削減貢献量は企業が気候変動問題の解決にどれだけ貢献したかを測る指標であり、その活用は社会全体の脱炭素化につながると説明しました。また削減貢献量がG7サミットの成果文書に明記されるほど、企業の脱炭素貢献を評価するものとして関心が高まっている一方で、それがフェアであり、比較可能なものであることの重要性に言及しました。

■COP28(第28回気候変動枠組条約締約国会議)
2023年12月、当社グループはジャパン・パビリオンで経済産業省が主催するセミナーに参画し、WBCSD、GFANZ(Glasgow Financial Alliance for Net Zeroの略で、経済の脱炭素化の加速に取り組んでいる主要な金融機関の世界的な連合)、BlackRockら関係機関と積極的に議論を行いました。「Tech for Transition」をテーマにしたセミナーでは、削減貢献量に関する「テクノロジーXルール作り」をテーマに議論を交わしました。また、「ネットゼロ社会に向けた削減貢献量の適切な評価」セミナーにて、企業や事業を評価する指標として削減貢献量が金融業界で活用されるようにするためには、算出方法が標準化され、公平かつ企業間の比較が容易であることが必要と示唆しました。

■CES2024
2024年1月、CES2024のプレスカンファレンスにて、G7広島サミット首脳会合にも触れ、パナソニックグループが今後も社会をリードし、削減貢献量の概念の確立やルール策定、さらには世界全体への浸透に貢献する意思を表明しました。