当社グループは、地球環境問題の解決への貢献を事業マテリアリティ※1の一つと位置づけています。特に、喫緊の社会問題である気候変動と資源枯渇に対して、2050年頃までに気温上昇を1.5℃に抑制するカーボンニュートラル(CN)社会※2と資源循環型経済システム(サーキュラーエコノミー:CE)※3の実現が不可欠であると認識しています。

これらの課題に対し、企業としての責務を果たし、社会とお客様への貢献を一層加速するため、2022年1月にグループ共通の長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT(以下、PGI)」を発表しました。

PGIは、気候変動の抑止・資源の循環という社会課題を、リスク低減、成長機会、収益機会、資本市場の評価、につなげる企業価値向上の戦略です。事業活動を通じて「より良いくらし」と「持続可能な社会」の実現を両立させることを目的としています。グループの一つひとつの取り組み(ACT)を積み重ねることで、気候変動や資源枯渇などの環境問題の早期解決を目指します。

※1 事業活動を通じた社会に対する価値創造のための重要課題(詳細はこちら
※2 CO2などの温室効果ガス(GHG)排出量と吸収量を均衡させ“実質ゼロ”にすること
※3 製品、素材、資源の価値を可能な限り長く保全・維持し、廃棄物の発生を最小限化する経済システム

CO2削減インパクトを成長と財務価値、企業価値に変える

【2050年のゴール】
自社バリューチェーン(VC)全体での責務や影響力の遂行(❶OWN)、社会とお客様への貢献拡大(❷CONTRIBUTION、❸FUTURE)、および社会への波及効果(INFLUENCE)によって、2050年までに年3億トン以上※4のCO2削減インパクトを創出し、財務価値、企業価値へ転換します。

※4 3億トンは2020年度の全世界のCO2排出量(317億トン)の約1%に相当します。

❶OWN IMPACT:2020年度の自社VC全体のCO2排出量と比較したCO2排出削減量
自社VCの全排出量※5を、社会の脱炭素効果※6とともに2050年までに実質ゼロにします。OWN IMPACTは、2020年度と当該年度の排出量の差分量で「CO2削減インパクト」を表します。

※5 事業会社内(スコープ1、2)、部品や材料の生産時(スコープ3カテゴリ1)や製品使用時(スコープ3カテゴリ11)など、事業活動における全排出量(スコープ1、2、3)。(詳細はこちら
※6 各電力事業者の供給する電気のCO2排出係数が良化すること。

❷CONTRIBUTION IMPACT:現在の事業領域でのCO2削減貢献量※7
既存の事業領域で、社会とお客様のCO2排出量に対して年1億トン以上の削減貢献量を創出します。

❸FUTURE IMPACT:新技術、新事業の創出によるCO2削減貢献量※7
新技術や新事業で、社会とお客様の排出量に対して年1億トン以上の削減貢献量を創出します。

※7 製品・サービスを採用いただくことで、社会とお客様のCO2排出の削減に貢献した量(詳細はこちら

+INFLUENCE:社会のエネルギー変革や脱炭素化にもたらす波及効果
製品・サービスの提供や社会とのコミュニケーション活動などによって、より多くの人々の行動(ACT)が変容することを通じて、社会にポジティブな影響をもたらします。

削減貢献量の認知・価値化活動特許の無償開放企業市民活動環境学習など)

経済合理性あるCE型事業の創出と拡大

資源が生み出す価値を維持・向上することを事業運営の基盤とするために「CEグループ方針」を2023年に発信しました。本方針に基づいて、各事業の特性に応じたCE型事業への転換における課題の特定と、戦略/行動計画の策定と実行につなげます。

製品をお使いいただける期間を出来るだけ延ばし、ライフサイクルを通じて資源の生み出す価値を維持し高めていきます。そのために、製品設計やデザイン、ビジネスモデルをサーキュラー型に変革、サービスを拡充すると同時に、リサイクル活動にもさらに力を注ぎます。

材料の使用を最小化するとともに、リサイクル材料や再生可能材料の使用割合を拡大します。

顧客やパートナーと協力して、循環志向の経営、情報共有、製品使用の新しいあり方を共につくります。

環境行動計画「GREEN IMPACT PLAN」

GREEN IMPACT PLAN(GIP)2024+1の達成状況

当社グループは、地球環境問題の解決への貢献(Panasonic GREEN IMPACT)の実現に向けて重点課題(環境KPI)と各目標値を明確にした環境行動計画を策定/推進しています。
環境行動計画は、主な課題を地球温暖化の防止と資源の循環として、2001年の「グリーンプラン2010」以降、2010年の「グリーンプラン2018」、2018年の「グリーンプラン2021」を経て、経営と環境対応の一体化を継続的に進化させてきました。また、中長期の経営方針や事業ポートフォリオの変化、社会課題と各事業領域との親和性の考慮、ならびにパリ協定採択(2015年)などの社会動向等にも連動させてきました。
そして2022年のPGI発信にあわせて、中長期事業戦略と連動した「GREEN IMPACT PLAN(GIP)2024」を策定し、取り組みを強化しました。その後の2025年度は、グループ経営構造改革のもと、2026年度から新たなグループ成長戦略を開始することを踏まえ、GIP2024を1年間延長した単年度目標「GIP2024+1」を推進しました。GIP2024+1は、CO2/エネルギー領域では、CO2実質ゼロ拠点※8の取り組みが2030年目標に向けて着実に進捗、またお客様の製品使用時の排出量削減でLED照明の普及加速や空質空調機器の自然冷媒化が進展したことなどにより、OWN IMPACTは目標を大きく達成。CONTRIBUTION IMPACTもトータルで目標達成となりました。一方で資源/サーキュラーエコノミー(CE)領域では、各事業領域での取り組みが浸透途上にあります。

※8 事業活動(工場やオフィス)でのエネルギー起源のCO2排出量を省エネ、再エネ、再エネ電力証書購入とCO2クレジット購入を組み合わせて当社の定義で実質ゼロにした拠点

GREEN IMPACT PLAN 2024+1(2025年度目標と実績、評価ポイント)[注]重点課題のみ掲載

GREEN IMPACT PLAN 2024+1(2025年度目標と実績、評価ポイント)

※9 2020年度の排出量から当該年度の排出量を減算した量
※10 GHGプロトコル(排出量の算定・報告の基準)による区分
※11 当社の製品・サービスが導入されなかったと仮定した場合のライフサイクル排出量から導入後の排出量を差し引いた量(詳細はこちら
※12 当社グループの製品に利用された再生樹脂に含まれる再生材の質量
※13 ▲は排出量の増加を意味する。スコープ1、2とスコープ3カテゴリ11に加えてカテゴリ1(調達)やカテゴリ12(廃棄)などの増減分を含む
※14 2025年11月に施行された中国におけるグリーン電力証書の適用ルール変更を含む『再生可能エネルギーグリーン電力証明書管理実施細則(試行)』に基づく
※15 2021年以降に算定可能となった製品の排出量相当も反映した2020年度実績(PGIの起点)からのCO2削減量

GIP2028と2030年度目標

GIP2028は、2025年度に実施されたグループ経営改革後の新たな成長戦略に連動し、企業価値ドライバーになりうる指標に更新・拡大して、2028年度のグループ目標値を設定したものです(CO2削減インパクトは2030年度の目標値も更新)。以下が主な更新のポイントです。

  • 自社バリューチェーンの排出削減量(OWN IMPACT)は、2025年度実績の実質2,745万トンが、2030年度には550万トンにとどまる計画です。これは、高排出製品を中心に省エネ性能向上や冷媒の低GWP※16化に取り組んで排出増加を抑制する一方で、エアコン等の普及拡大による排出増加と、世界各地域での電気のCO2排出係数の改善スピードの鈍化を現実的に予測して、目標値化したためです。
  • 2030年度の対象全拠点でのCO2実質ゼロ化に向けて、実現のための指標として省エネ、再エネ(自家発+PPA※17)、再エネ電力証書購入からなる「CO2実質削減量」に更新し、解像度を高めて取り組みます。
  • 顧客・社会への削減貢献量※18(CONTRIBUTION IMPACT)は、PGI策定当時に目指した貢献領域からポートフォリオが変化する中、主にデバイス領域が牽引して、2025年度実績の4,846万トンから、2030年度7,700万トンを目指します。
  • CE分野は、再生材の活用領域の拡大に向けて、再生樹脂に加えて、再生鉄(電炉鉄)を新指標としました。またCE型事業モデル/製品は、3年間で2つの新事業創出に挑戦します。

※16 Global Warming Potential(地球温暖化係数)。気体が地球温暖化に与える影響を表す
※17 Power Purchase Agreement(再エネ電力購入契約)
※18 当社の製品・サービスが導入されなかったと仮定した場合のライフサイクル排出量から導入後の排出量を差し引いた量(詳細はこちら

GREEN IMPACT PLAN 2028(2028年度目標)とCO2削減インパクトの2030年度目標

GREEN IMPACT PLAN 2028(2028年度目標)とCO2削減インパクトの2030年度目標

※19 Panasonic GREEN IMPACT(詳細はこちら
※20 当社の削減努力を適正に自己評価するため、起点である2020年度の排出量を2026年度計画の対象製品で算出した数値に補正
※21 事業活動(工場やオフィス)でのエネルギー起源のCO2排出量を省エネ、再エネ、再エネ電力証書購入とCO2クレジット購入を組み合わせて当社の定義で実質ゼロにした拠点
※22 省エネ+再エネ+再エネ電力証書によって削減したCO2排出量
※23 2026年3月現在対象297拠点
※24 当社グループの製品に利用された再生樹脂に含まれる再生材の質量。なお、製造元によって情報制約もあり、当社が再生樹脂として把握可能な範囲を計上している
※25 当社グループの製品に利用された電炉鉄の質量
※26 当社定義の「CE型」に適合する事業のうち、従来とは異なる循環の価値を有する新規事業として、新たに販売を開始した事業数

CO2関連指標の2025年度までの達成状況とGIP2028、2030年目標の内訳

❶【スコープ別CO2排出量】

❷【拠点の環境保全効果と経済効果】

❸【顧客の環境/経済効果】

※27 点線部は2022年(PGI宣言)後に法規制の厳格化や算定式の精緻化等で自責を拡大した領域の2020年の推定排出量。法規制等での開示拡大(モータ、冷媒使用時/廃棄時)、精緻化(26製品)、ポートフォリオ変化、新事業成長(A2W等)。
※28 事業活動(工場やオフィス)でのエネルギー起源のCO2排出量を省エネ、再エネ、再エネ電力証書購入とCO2クレジット購入を組み合わせて当社の定義で実質ゼロにした拠点。
※29 省エネ+再エネ+再エネ電力証書によって削減したCO2排出量。

❶【スコープ別CO2排出量】⇒詳細は環境データ集を参照

(単位:万トン)

スコープ1、2、3 合計14,047
 スコープ1、2 小計124
 スコープ1:当社グループが所有・支配する施設からの直接排出量25
スコープ2:当社グループが所有・支配する施設で消費するエネルギーの製造時からの排出量100
スコープ3 ※冒頭1-15の数値はカテゴリ番号。カテゴリ8、13、14は当社対象外13,923
 調達スコープ3 その他のカテゴリ1,133
 購入した製品・サービス1,901 2資本財162
3スコープ1、2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動27
製品・サービス4輸送、配送(上流)78
 11販売した製品の使用10,8905事業から出る廃棄物0.1
6出張2.7
 エネルギー起源10,3017雇用者の通勤9.5
9輸送、配送(下流)26
10販売した製品の加工12
冷媒の漏洩59012販売した製品の廃棄(冷媒:515、左記以外:178)693
15投資126

当社グループは、環境負荷量(と排出抑制量)を投資・費用や経済効果と関連づけて、環境経営の基盤情報として内部活用を進めています。

❷【拠点の環境保全効果と経済効果】

分類排出抑制量投資と費用経済効果※33
 参考情報:環境負荷量
2024年度2025年度
事業活動における
CO2排出量※30
13万トン124万トン※30111万トン※30

投資※31
4,711百万円

費用※32
51百万円

303百万円
ヒト・環境影響度▲101k count339k count440k count
廃棄物最終処分量▲0.1千トン1.9千トン2.0千トン
取水量4万m31,349万m31,345万m3

※30 スコープ1のうちエネルギー基準のCO2排出量+スコープ2−CO2クレジット量(スコープ1、2小計数値とは異なる)。
※31 環境保全に関する投資はすべて含む。ただし差額集計あるいは按分集計を行っていない。
※32 費用には設備投資の初年度分の減価償却費を含む。例えば、最新の省エネ設備を導入した場合、当該設備の初年度の減価償却費は含むが、2年目以降の減価償却費は含めていない。
※33 経済効果は省エネによるエネルギー削減費用等を示しているため、気候変動緩和策に繋がるコスト削減である。

❸【顧客の環境/経済効果】

顧客(製品使用時)の電力削減
削減電力量※3476.1TWh
電気代削減額※3522,774億円

※34 CONTRIBUTION IMPACT(CO2削減貢献量)と同じ条件で算出。ただし「電化」による貢献分は除外している。
※35 電力料金は当社グループの調査に基づき世界各地域別に設定。

成長領域で「CO2削減貢献量」と事業機会を同時拡大し、財務価値、企業価値に転換

CO2削減貢献量(以下、削減貢献量)とは、新しい技術や製品・サービス(以下、製品)の普及によって効率化される電力や燃料の消費量をCO2量に変換した、お客様および社会に提供されるCO2排出量の削減効果(インパクト)を定量的に示す“成長の先行指標”です。国際的には「Avoided Emissions(回避した排出量)」と呼ばれ、製品が導入されなかった場合に発生していたと想定される排出量を回避した、気候変動にポジティブなインパクトを評価する考え方です。当社の既存事業(CONTRIBUTION IMPACT)と、事業化を目指す新技術(FUTURE IMPACT)の削減貢献量の拡大は、成長市場で当社の競争力と事業機会を拡大することも意味します。
CONTRIBUTION IMPACTでは、リチウムイオン電池(電気自動車※36やデータセンター向け蓄電システム※37に搭載)やDCモータ※38(空調機器等に搭載)などのデバイス領域でCO2削減貢献を牽引し、2025年度の4,846万トンから2028年度7,100万トン、さらに2030年度には7,700万トンに拡大します。
一方、将来の削減貢献を加速させるFUTURE IMPACT(2022年PGI発信後に創出された新技術・新事業のインパクト)では、ガラス型ペロブスカイト太陽電池を「建材一体型太陽電池」として都市部における再エネ拡大、また次世代の半導体実装装置では、三次元積層プロセスによって半導体の高性能化と省電力化の両立を狙い、社会実装に向けた開発を進めています。

当社では削減貢献量の算定にあたり、主に二つの国際標準(WBCSD※39発行の“削減貢献量算出ガイダンス”、IEC※40発行の“削減貢献量の算定・開示に関する国際規格IEC63372”)を参照しています。製品が導入されなかった場合に最も起こり得る状態での排出量を“仮定”した参照シナリオとベースライン(比較対象製品)を設定したうえで、製品のライフサイクル全体や製品の接続先における導入前後の排出量の差分量に、その有効期間と年間販売台数を乗じて算定します。そして、これらベースラインならびに算定に用いる各要素は、毎年度の事業計画策定時に見直し、最新化を行っています。
また、当社では削減のしくみによって製品やサービスを以下の4つに分類してきました。

「電化」:化石燃料を使う製品よりもエネルギー変換効率に優れる電化製品や部品
「置き換え(省エネ性能向上)」:従来と同じ効能をもたらしつつ省エネ性能を向上した電化製品や部品
「ソリューション」:建物空間や設備など接続先のシステム全体の電力・燃料使用を最適化する製品やサービス
「その他」:上記に含まれない多様な貢献。クリーン発電や断熱効果、配送削減等に関わる製品やサービス

本ページにCONTRIBUTION IMPACTを生み出す代表的事例を開示しています。また下記サイトにもお客様および社会のCO2削減に貢献する多様な当社製品・サービスの事例を紹介しています。

【補足】本ページにおける削減貢献量の開示にあたり、以下の取り組みを実施しています。
・開示の前提として、バリューチェーン排出量(スコープ1、2、3)は当社の責務としてSBTネットゼロ目標(詳細はこちら)達成に向けて着実に推進しています。
・普及に伴う“リバウンド効果”有無を製品単位で確認します。現時点はライフサイクル排出量の増加以外の顕著なリバウンドは確認されていません。
・開示情報の客観性を高めるため、本ページに記載した算定方法および根拠データを用いて算出した削減貢献量について、第三者に
よる保証を受けています。

CO2削減インパクトはすでに財務価値として顕在化※41し始めています。当社は、削減貢献量が、財務価値につながる新たな価値指標として資本市場で適切に評価されるよう、インパクトの創出/拡大と同時に、国際比較や企業間比較が可能な指標として標準化し、企業の社会実装と金融・資本市場との接続・連携を一体的に推進しています。そしてステークホルダーの行動変容を促し、社会価値を、財務価値、企業価値へと転換します。

※36 電気自動車は、内燃機関車とライフサイクル全体で比べた、主として電力・燃料由来のCO2排出量の差分
※37 データセンター向け蓄電システムは、ライフサイクル全体で鉛蓄電池を搭載した従来の集中型電源と比べたIT機器へ電力を供給する消費電力量のCO2換算量の差分
※38 DC(Direct Current)モータは、ライフサイクル全体で従来のACモータ(Alternate Current)と比べた消費電力量のCO2換算量の差分
※39 持続可能な開発のための世界経済人会議
※40 国際電気標準会議
※41 例えば米国IRA(Inflation Reduction Act)で当社は北米で生産する車載電池の出荷量に対して$35/kWhの税控除を受けています。

CONTRIBUTION IMPACT 実績と計画 単位:万トン/( )内は製品数

*2025年度の実績には現パナソニックハウジングソリューションズ(株)の5製品を含む

電化 ソリューション領域 電気ヒートポンプ式 給湯・暖房機器(エコキュート(EQ)、A2W※42

※42 A2W(Air to Water):欧州向けヒートポンプ式温水給湯暖房機

主な削減対象となる製品のライフステージ

原材料・素材 製造 輸送 使用 廃棄・リサイクル

主な販売地域:EQ日本A2W欧州

■製品の概要:
電気ヒートポンプ(HP)式の給湯・暖房機器は、電動ファンで大気中の熱を自然冷媒(CO2)に取り込み、さらに電動コンプレッサで圧縮・高温化した後、水道水と熱交換することで温水を生成し、給湯や暖房に利用する機器である。同じ熱量を得る場合、電気HP式の給湯・暖房機器の消費エネルギー効率は、都市ガスなどの化石燃料を燃焼させる方式に比べて2.4~4.3倍※43優れる。

※43 経済産業省「トップランナー制度」の情報(※44)から当社試算
※44 経済産業省「トップランナー制度」ガス温水機器

■削減貢献メカニズム:
同じ熱量を得る場合の、ガス燃焼式の給湯・暖房機器の、燃料の燃焼による直接のCO2排出量と、電気HP式での消費電力量の、間接的なCO2換算量の、ライフタイム(10年間)での差分が削減貢献量。

エコキュートの仕組み

比較:使用電力1kWに対する出力


■ベースラインシナリオ:(本製品が存在しなかった場合に想定される状態)
日本ではガス給湯器、欧州ではガス給湯・暖房機がそれぞれの製品寿命まで使用される(想定)

■比較対象:(ベースライン)
(EQ)市場標準的なガス給湯器のCO2排出量※44(A2W)既設のガス給湯・暖房機器のCO2排出量

■定量化の範囲:(システム境界)
HP機器とガス機器ともにCFP*の差分。使用時以外のCO2排出量もHP機器が優位(少ない)だが、使用時のCO2排出量の差分量と比較して小さく※45、保守的に数値化する観点から、当社は削減貢献量に加算しないと判断。

※45 削減貢献量の1-3%(2025年度当社実績)

※46 △30%=エコキュート △65%=A2W

■算定式:

活動量 活動量あたりの削減量 CO2排出関連数値・係数 置き換え率・期間

■活動量:(製品群ごとの地域別販売台数)
(EQ)日本での年間販売台数にガス機器からの置き換え率70%※47を乗じた数(台)

  • ※47 日本冷凍空調の工業会データより当社試算。
    推定寿命を終えたエコキュートからの置き換え分の30%を計上から除外

(A2W)欧州地域での年間販売台数※48(台)

  • ※48 2008年より販売開始のためA2W同士の置き換え率はカットオフできると当社判断

■期間:(フロー方式:販売年度に生涯分の削減貢献量を計上)
10年(補修部品の保有年数)
期間中、CO2削減効果は持続する(想定)

2025年度 削減貢献量:200万トン

CFP(Carbon Footprint of Products):製品・サービス(1単位)が原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出する温室効果ガス排出量のCO2換算値

電化 デバイス領域 車載用円筒形リチウムイオン電池

主な削減対象となる製品のライフステージ

原材料・素材 製造 輸送 使用 廃棄・リサイクル

主な販売地域:北米

■製品の概要:
電気自動車(EV)は、内燃機関車(ICE)と比較して、エネルギー効率の優位性※49に加えて、ライフサイクルで排出するCO2量が少ない。EVの中でも、BEV(二次電池式電気自動車)は動力はすべて電気によるモータの回転力を変換したものである。充電池はICEの燃料供給の機能に相当するため、BEVにおいて最重要部材の一つと認識されている。

■削減貢献メカニズム:
当社の充電池を搭載したBEVとICEが同じ距離を走行した場合、BEVはエネルギーの動力への変換効率が高いため、燃油消費量と充放電量をCO2に換算した量の差分が生じる。

消費エネルギー量が駆動力に変換される割合※49

■ベースラインシナリオ:(本製品が存在しなかった場合に想定される状態)
米国における平均的なICEが、想定される生涯走行距離にわたり使用される場合を想定。

■ベースライン:(比較対象)
米国における平均的なICEの、燃料の製造・使用を含む製品ライフサイクル全体でのCO2排出量。

■定量化の範囲:(システム境界)
充電池(BEV)とガソリン(ICE)の原材料の採掘から廃棄・リサイクルまでの各段階と、BEVとICEそれぞれの同一の生涯走行距離を走行した場合の総CO2排出量の差分。

参照 ICCT( The international council on clean transportation)

※50 BEVの原材料・製造・輸送工程(~充電池の搭載)はICE(ガソリン採掘~給油)と異なりますが、矢羽根の長さは同等で表現しています(ライフサイクルでの排出量の差分△60%は変わりません)

■算定式:

活動量 活動量あたりの削減量 CO2排出関連数値・係数 生涯走行距離
※51 LC(Life Cycle):電池の使用(走行)時だけでなく、製造に必要な原材料の採掘、製造、輸送、廃棄に至る各段階

■活動量:(台)
車載用円筒形リチウムイオン電池の年間販売容量をBEV台数に換算した値。

■期間:(フロー方式:販売年度にその生涯分の排出量を計上)
生涯走行距離

  • 日、米、欧の年間走行距離の平均値※52×自動車の寿命(10年)
  • 期間中、CO2削減効果は持続する(想定)

※52 電池を搭載した自動車の販売先はグローバルであることを想定し、3地域の平均値とした。

車載用円筒形リチウムイオン電池の出荷実績

省エネ デバイス領域 空調機器の省エネに貢献するDC※53ファンモータ

※53 DC:Direct Current(直流)

主な削減対象となる製品のライフステージ

原材料・素材 製造 輸送 使用 廃棄・リサイクル

主な販売地域:中国、東南アジア、欧州、北米

■製品の概要:
空調機器に搭載されるファンモータは、同機器の機能発揮に不可欠なデバイスである。その使用電力量は空調全体の1割以下であるが、空調機器が顧客で使われる生涯にわたってモータ自身の省エネ効果を生み、CO2削減効果に直結する。DCモータは、AC(Alternate Current:交流)モータに比べて、負荷に応じた最適な運転が可能となるため、エネルギーを効率的に消費できる。

■削減貢献メカニズム:
ACモータとDCモータそれぞれの消費電力量の差分のCO2換算量が削減貢献量。

例 ACモータ
  年間消費電力量
  5,897kWh

(同芯モータ)

ACモータ  年間消費電力量5,897kWh (同芯モータ)

DCモータ
年間消費電力量
2,876kWh

AR-9H

DCモータ 年間消費電力量 2,876kWh  AR-9H

ACモータ→DCモータへの切り換えによる省エネ効果平均51%

DCモータを搭載した
ビル用マルチエアコンの室外機
(当社品のイメージ)

DCモータを搭載したビル用マルチエアコンの室外機 (当社品のイメージ)

■ベースラインシナリオ:(本製品が存在しなかった場合に想定される状態)
ACモータを搭載した空調機器を製品寿命まで使用される(想定)

■ベースライン:(比較対象)
空調機器のファンを駆動するACモータの、ライフサイクル全体でのCO2排出量。

■定量化の範囲:(システム境界)
ACモータとDCモータそれぞれのCFP*の差分。モータを含む電化製品のCFPにおける使用時の占有率は平均8~9割であり、使用時以外の段階でのCFP*も同等であるため、置き換え前後の使用時以外のCFP*の差分の影響はカットオフが可能と当社判断。

■算定式:

活動量 活動量あたりの削減量 CO2排出関連数値・係数 普及率・期間

★電力のCO2排出係数
(IEA2025)
単位:kg/kWh

地域係数
日本0.449
欧州0.254
北米0.331
中国0.590
インド0.748
東南アジア0.378
中南米0.244
中近東阿0.597

■活動量:(台)
DCモータの販売地域ごとの置き換え前(普及率など)に応じた年間販売数量。

■期間:(フロー方式※54

  • 9年(当社規定の耐用年数)。期間中、CO2削減効果は持続する。
  • 電化製品は適切な使用やメンテナンスにより耐用年数は伸びるため、9年は保守的な見積りとして当社判断。
  • 期間中、CO2削減効果は持続すると想定。
  • 耐用年数の伸長によって資源有効利用によるCO2削減効果も期待される。

※54 販売年度にその生涯分の排出量を一括計上

■2025年度 削減貢献量:800万トン

*CFP(Carbon Footprint of Products):製品・サービス(1単位)が原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出する温室効果ガス排出量のCO2換算値

熱ロス減 ソリューション領域 熱交換気システム

主な削減対象となる製品のライフステージ
※55 本システムの使用期間における空調にかかる室内からの熱ロス減によるCO2排出削減

原材料・素材 製造 輸送 使用※55 廃棄・リサイクル

主な販売地域:日本、中国、北米、欧州

■製品の概要:
熱交換気システムは、換気時に熱交換素子で室内外の熱を交換して、室内に送り込む空気の温度をあらかじめ冷やす/温めることで、冷暖房負荷を低減し、さらに空気清浄を付与したシステムで、室内からの熱ロスの低減と、空質の維持による快適性を、同時に実現する。
高い気密性が求められる日米欧や中国などの住宅や店舗、ビルなどで幅広く利用できる。

■削減貢献メカニズム:
同じ条件下の室内空間において、本システムの導入により、各市場で平均的な換気方式と比べて、空調機器の運転で消費される電力・燃油の使用が削減された量のCO2換算量が削減貢献量。

熱交換気システム熱交換気システムのしくみ(冬季)

熱交換気システムのしくみ(冬季)

■ベースラインシナリオ:(本製品が存在しなかった場合に想定される状態)
市場の平均的な通常換気方式のシステムを導入した住宅での空調機器の運転(想定)

■ベースライン:(比較対象)
市場の平均的な通常換気方式のシステムを導入した住宅での空調機器の運転による販売地域ごとの消費電力量と燃油使用量のCO2換算値。

■定量化の範囲:(システム境界)
熱交換気システム(本製品)使用前後の、住宅の冷暖房負荷によるCO2排出量と、換気システム1台当たりのCFP*の差分の合計。換気システム1台当たりのCFP*は、本製品のほうが大きいが、本製品の使用前後の住宅の冷暖房負荷の差分のCO2換算量と比較して小さい(当社試算)ため、その影響はカットオフが可能と判断。

■算定式:

活動量 活動量あたりの削減量 CO2排出関連数値・係数 期間

■活動量:(台)
本システムの中核機器である熱交換気ユニットの年間の販売台数。

■期間:(フロー方式:販売年度にその生涯分の排出量を一括計上)

  • 熱交換気ユニットの設計寿命(10年)。
  • 期間中、CO2削減効果は持続すると想定。

■2025年度 削減貢献量:70万トン

*CFP(Carbon Footprint of Products):製品・サービス(1単位)が原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出する温室効果ガス排出量のCO2換算値

省エネ(+ピークシェーブ) デバイス領域 データセンター向け分散型蓄電システム

主な削減対象となる製品のライフステージ
※56 本製品の使用期間におけるデータセンターのCO2排出削減

原材料・素材 製造 輸送 使用※56 廃棄・リサイクル

主な販売地域:北米

■製品の概要:
データセンター(DC)の電力負荷は、AI向け高性能サーバーの普及により急増し、ピーク電力の抑制や、停電による瞬時停止回避のため、安定電源の確保が不可欠である。当社リチウムイオン電池を使った分散型電源方式は、サーバラック単位に電源を配置することで、省スペース化に寄与するとともに、従来の鉛蓄電池を使った電源方式と比較してサーバーラックへの電力供給における変換回数を低減できるため、電力供給効率に優れる。

■削減貢献メカニズム:
DCにおいて同一のIT負荷を稼働させる場合に、分散型電源方式と、集中型電源方式を比較し、電力変換ロスの低減により削減される供給電力量をCO2換算した値を削減貢献量として算定。

集中型電源 電源は別室で集中管理
分散型電源 電源はラック毎に分散

当社のサーバーラック内設置型のデータセンター向け蓄電システムは、リチウムイオン電池セルを組み込んだ複数の蓄電モジュールと、それを格納するシェルフから構成される。

■ベースラインシナリオ:(本製品が存在しなかった場合に想定される状態)
集中型電源方式により、同一のIT負荷を有するDCが稼働する場合を想定。

■ベースライン:(比較対象)
DCにおいて、集中型電源方式により、同一のIT負荷を想定使用期間にわたり稼働させるために必要な供給電力量のCO2換算量。

■定量化の範囲:(システム境界)
同一のIT負荷を稼働させるために必要な電源システム経由の供給電力量とし、鉛蓄電池を用いた集中型電源方式と、当社リチウムイオン電池を用いた分散型電源方式の電力変換ロスの差分をCO2換算して算定。

※57 リチウムイオン電池のCFP*(1.6kg/kWh)は鉛蓄電池(2kg/kWh)の80%だが、保守的に数値化する観点から削減貢献量に加算しないと判断。

【参考】リチウムイオン電池と鉛蓄電池のLCAについて:

■算定式:

活動量 活動量あたりの削減量 CO2排出関連数値・係数 期間

■活動量:(台)
当社リチウムイオン電池を組み込んだDC向け蓄電システムの年間販売数量。

■期間:(フロー方式:販売年度にその生涯分の排出量を一括計上)
設計寿命。期間中、CO2削減効果は持続する。

【参考】データセンター向け蓄電システムについて

CFP(Carbon Footprint of Products):製品・サービス(1単位)が原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出する温室効果ガス排出量のCO2換算値

電化 スマートライフ領域 電動アシスト自転車 新

主な削減対象となる製品のライフステージ

原材料・素材 製造 輸送 使用・廃棄・リサイクル

主な販売地域:日本

■製品の概要:
電動アシスト自転車は、走行時のペダル操作に連動してモータが補助動力を提供する自転車で、「人のこぎ動作」を主体として日常移動における坂道や荷物積載時などの負担を軽減する移動手段である。

■削減貢献メカニズム:
同じ距離を移動する際の、電車が消費する電力のCO2排出量換算値と、バイク、バス、自動車が消費する化石燃料の燃焼によるCO2排出量と、電動アシスト自転車が消費する電力のCO2排出量換算値の差分を削減貢献量として算定。また自転車と徒歩※58での移動との差分は減算とする。

※58 徒歩のCO2排出量はゼロとする

電動アシスト自転車と同距離の移動によるCO2排出量)

電動アシスト自転車

■ベースラインシナリオ:(本製品が存在しなかった場合に想定される状態)
電動アシスト自転車と同じ距離を移動する手段が、電車、バイク、バス、自動車、自転車、徒歩(想定)

■ベースライン:(比較対象)
上記の距離を、電車、バイク、バス、自動車で移動する場合のCO2排出量(自転車と徒歩の移動はゼロ)

■定量化の範囲:(システム境界)
電動アシスト自転車での生涯の平均移動距離を、電動アシスト自転車、電車、バイク、バス、自動車で移動する場合のそれぞれのCO2排出量の差分

※59 各移動手段における移動時以外のライフサイクルCO2排出量を検討した結果、以下理由で適正な比較に適さないと判断し、移動時に限定した比較とした。

  • 自転車と電動アシスト自転車は同等のCO2排出量、徒歩のCO2排出量は算定不能
  • 電車、バス、バイク、自動車は素材使用量の観点で電動アシスト自転車と比較してはるかに大きいことと、生涯の移動距離の差も大きすぎるため

■算定式:

活動量 活動量あたりの削減量 CO2排出関連数値・係数 乗り換え率・期間

※60 年間CO2排出量:電車、バイク、自動車、バスはライフサイクルインベントリデータベースIDEA ver3.4(一般社団法人サステナブル経営推進機構)より設定。電動アシスト自転車は当社試算。

■活動量:(台)
電動アシスト自転車の年間販売台数。

■乗り換え率:(台)
2023年度発売モデルの購入者アンケートより
移動手段ごとに設定。(右表
-調査期間:2023年7月~2024年8月
-有効回答数:4,836

■期間:(フロー方式※61

  • 電動アシスト自転車の寿命(8年)
  • 期間中、CO2削減効果は持続する(想定)

※61 販売年度にその生涯分の排出量を一括計上

■2025年度 削減貢献量:16.8万トン

★電動アシスト自転車購入者の
“購入前”の移動手段とその割合(乗り換え率)

移動手段乗り換え率
電車2.9%
バイク3.5%
バス2.1%
自動車19.1%
徒歩12.3%
自転車37.6%
電動アシスト自転車(注)(22.5%)

(注)電動アシスト自転車の数値は、もともと電動アシスト自転車を保有・利用していた購入者の割合

資源循環 (木材配合樹脂素材) 高濃度セルロースファイバー成形材料 kinari

主な削減対象となる製品のライフステージ

原材料・素材 製造 輸送 使用・廃棄・リサイクル

主な販売地域:日本

■製品の概要:
石油由来のプラスチック(以下、樹脂)の生産量は2020年の4.5億トンから2030年には6.1億トンに増加すると予測※62されているが、リサイクル率は9%※63といわれ、廃棄物循環や脱炭素の観点で課題がある。当社は日本で20年にわたり家電リサイクルを運営し、循環型のモノづくりを進めてきたが、廃家電から手解体で回収する単一樹脂(高純度/高品位)は製品の樹脂使用量の2割にとどまり、機械破砕で回収する混合樹脂(低純度/中品位)の多くは製品に再使用できていない。この課題解決策の一つである代替材料のバイオ樹脂は、トウモロコシなどを原料とし、食糧生産に影響を与え、機能性にも課題がある。当社の高濃度セルロースファイバー成形材料「kinari」は、間伐材や産廃などの植物資源を原料とする素材で、他の繊維に比べて密度、強度、価格面で優位性がある。kinariは最大85%の濃度でセルロースファイバーを配合し、石油由来の樹脂よりも軽く強く、既存の樹脂成型機を利用できる。kinariの普及により循環経済と脱炭素化に貢献する。

※62 Bioplastics2020-2025(IDTechEx Report)

■削減貢献メカニズム:
kinariを用いた成形品と一般的な石油由来の樹脂成形品とを比較した場合、kinariは原材料調達と成形品廃棄でのCO2削減効果がある。kinariの製造には植物資源の粉砕プロセスが必要※64だが、その影響を考慮してもkinari成形品の方がライフサイクルのCO2排出量が少ない。

石油由来樹脂と kinari のCO2排出量
(成形品同士のCFP比較)

■ベースライン:(比較対象)
標準的なポリプロピレン(PP)樹脂成形品のCFP

■定量化の範囲:(考え方と合理性)
原材料調達、製造、輸送、廃棄の各段階におけるCO2排出量の差分(使用時はゼロ)。
ただし、製造時(共通部)と輸送時はベースラインとkinariは同量(同じ工程)であるため、製造(共通分)、輸送、使用の段階は定量化の範囲に含めない。

※64 kinariの成形品では、PP樹脂成形品にはない植物資源を細かく粉砕するプロセスが必要なため、当該プロセスの排出量を追加

■算定式:

活動量 活動量あたりの削減量 CO2排出関連数値・係数 期間

■活動量:
kinariの年間販売パック数(1パック25kg)

■活動量1単位当たりの削減貢献量:(最新原単位)
標準的なポリプロピレン樹脂成形品とkinariを用いた成形品がライフサイクル全体において排出するCO2排出量※66の差分。
※66 SuMPO環境ラベルプログラムに準じた当社算定値。kinari 廃棄時の貯蔵炭素量を考慮

■期間:1回
削減効果を発揮するのは、成形品のライフサイクルで1回。

2025年度のCO2削減貢献量:12.7トン
同年度の石油由来プラスチック削減量: 3.2トン

kinari使用の食器

CFP(Carbon Footprint of Products):製品・サービス(1単位)が原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出する温室効果ガス排出量のCO2換算値

削減貢献量の認知・価値化活動

現在、自社の事業活動に伴う温室効果ガス排出量を評価する枠組みはある一方、事業を通じた社会への脱炭素貢献、すなわち機会を十分に捉えるものはありません。削減貢献量の考え方は広がりつつあるものの、国際的に統一された基準や比較可能な開示の枠組みはなお発展途上にあります。こうした中、企業の脱炭素貢献が適切に評価される環境を整備し、技術開発やイノベーションを促進していくことが重要です。
当社グループの長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT(PGI)」は、自社だけでなく社会全体のCO2排出量削減への貢献を重視しています。当社は、削減貢献量を企業の脱炭素貢献を示す指標のひとつと位置づけ、同じ志を持つ企業、金融機関、国際機関等と連携しながら、国際的な基準整備、認知拡大、実務での活用を進め、社会全体の脱炭素化を後押しする環境づくりに取り組み、削減貢献量の資本市場での適切評価に向け、標準化・社会実装・金融連携を一体的に推進し、財務価値化と企業価値向上を図っています。

標準化活動

IEC(国際電気標準会議)
当社が参画してきた削減貢献量の国際標準化が進展し、電気電子製品・システムを対象とした国際規格IEC63372が2026年1月に発行されました。この規格は、カーボンフットプリント、排出削減量、削減貢献量の定量化とコミュニケーションを扱うものであり、削減貢献量を自社排出量とは分けて報告することや、ベースライン設定、システム境界、二重計上回避など、実務上の重要な考え方を整理しています。当社は国際委員として、算定事例の提案を含め、この標準化活動を推進してきました。

WBCSD「削減貢献量ガイダンス」
WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)は、持続可能な開発を目指す先進的な企業約200社が加盟するグローバルな組織で、持続可能な社会への移行に貢献するために協働しています。当社はWBCSDが目指す理念に共感し、グループのPGI活動を加速させるためWBCSDに加盟しました。WBCSDでは「削減貢献量ガイダンス」の発行(2023年)に続き、その更新版の検討、業界分野ごとのガイダンスの策定を進めており、当社は会員企業として、削減貢献量ガイダンスの更新や実装検討に継続的に参画しています。WBCSDは、削減貢献量の考え方を企業の実務や金融との対話に結びつける役割を担っており、当社も会員企業や関係者と連携しながら、削減貢献量の信頼性向上と普及促進に取り組んでいます。

ISO(国際標準化機構)およびGHGプロトコル
さらに2025年度は、ISOおよびGHGプロトコルにおいても大きな進展がありました。ISOでは、国際規格番号:ISO14064-1、タイトル:「温室効果ガス-第1部:組織における温室効果ガスの排出量及び吸収量の定量化及び報告のための仕様並びに手引」の改定がGHGプロトコルの技術ワーキンググループと共同で進められる方向が示され、GHGプロトコルではAMI(Actions and Market Instruments)の議論の中で、削減貢献量を含む社会への脱炭素インパクトを透明に報告するための枠組みづくりが進んでいます。当社は、IEC、WBCSDガイダンス、ISO、GHGプロトコルの各枠組みとの連携を通じて、削減貢献量が透明性と比較可能性を備えた指標として活用される環境整備を進め、企業の脱炭素貢献に関する開示や金融機関との対話、社会からの理解の向上につなげていきます。

GXリーグ※67
世界全体のカーボンニュートラル実現に向けて、日本企業が持つ気候変動への貢献の機会面(市場に提供する製品・サービスによる排出削減等)が適切に評価される仕組みを構築することを目的に、当社はGXリーグにおける取り組みの1つである「市場創造のためのルール形成」において、金融機関と連携し「GX経営促進ワーキング・グループ(WG)」のリーダー企業として発足時より参画しています。
当社グループの長期環境ビジョンで活用している、気候関連の機会を評価する開示項目の一つである削減貢献量の認知拡大のため、2022年度に公表されました「気候関連の機会における開示・評価の基本指針」に続き、2023年12月に金融機関による活用事例集を、2024年5月に事業会社による推奨開示仮想事例集を他の策定企業と共同で発行し、GXダッシュボードに算定事例を開示しました。

※67 GXとは、「グリーントランスフォーメーション」の略。2022年2月に経済産業省 産業技術環境局が「GXリーグ基本構想」を発表。GXに積極的に取り組む「企業群」が、官・学・金でGXに向けた挑戦を行うプレイヤーとともに、一体として経済社会システム全体の変革のための議論と新たな市場の創造のための実践を行う場として「GXリーグ」を設立。

国際的イベントでの削減貢献量の訴求

2022年度の国際イベントでの認知・普及活動の結果、2023年のG7日本において成果文書に明記され、2025年度も継続して認知・価値化活動に取り組んでいます。

COP30(第30回気候変動枠組条約締約国会議)
2025年11月、当社グループはジャパン・パビリオンで開催された経済産業省主催のセミナー「削減貢献量を企業価値の向上に繋げる -より実践に向けた道筋を歩むために-」にて、企業が取り組むべき、算定プロセスの標準化、算定方法の具体例の収集、標準化に基づいた開示の推進という3つのステップを紹介しました。また、削減貢献量の開示は企業全体としてまだ限定的であることが課題であり、ステークホルダーに評価いただくには削減貢献量の量と質の確保が不可欠であると言及しました。さらに、当社も参画する共通のデータベースであるAvoided Emissions Platformを紹介しました。

削減貢献量の認知向上・標準化・金融連携の取り組み

※68 GGX:国際GX会合(Global Green Transformation Meeting)
※69 COP27(2022年11月、エジプト)、COP28(2023年11月、UAE)、COP29(2024年11月、アゼルバイジャン)、COP30(2025年11月、ブラジル)
※70 ICMA(国際資本市場協会)および日本証券業協会共催
※71 CEFIA(Cleaner Energy Future Initiatives for ASEAN)は、経済産業省が主導するアジアの脱炭素化に向けた官民連携の枠組み。第6回(タイ・バンコク)