生産活動におけるエネルギー・CO2削減

当社グループは、Panasonic GREEN IMPACT実現に向け2030年までに全事業会社で自社拠点におけるCO2排出の実質ゼロ化を社内外に発信※1しCO2ゼロの工場づくり※2を推進しています。
この中期は環境行動計画グリーンプラン2021を策定し「エネルギー」を重点課題のひとつと定め、工場においては「CO2ゼロモデル工場の推進」、「再⽣可能エネルギー利用拡大」、「エネルギーミニマム⽣産の推進」に取り組むとともに、2021年9月には「CO2ゼロ工場推進タスクフォース」を立ち上げました。このタスクフォースではグループ全体で共通となる施策等の検討や提供によりCO2ゼロの工場づくりを更に加速推進することを目指しており、省エネの取り組みを検討推進する省エネWG、自社拠点における再生可能エネルギーの利活用拡大を検討する再エネ利活用WG、再生可能エネルギーの調達を推進する再エネ調達WG、で構成されています。モノづくり、調達、環境等の関連職能が連携し、関連部門の参画を得ながら全事業会社の取り組みを支援します。2021年11月に開催したオンライン形式のグループ内向け勉強会には、従来の3倍となる470名が参加しました。
その他、当社グループは電機電子業界を挙げての温暖化防止の自主行動計画である経団連カーボンニュートラル行動計画に参画しています。業界が掲げる目標「2030年に向けて、工場と大規模オフィスのエネルギー原単位改善率 年平均1%」の達成を目指し、工場などにおける省エネを着実に進めています。

※1 パナソニックの方向性:「環境」と「事業でのお役立ち」でトップランナーに
※2 当社グループが取り組むCO2 ゼロの工場づくりとは、従来から継続する省エネ活動(例えば照明のLED化)や、FEMS(Factory Energy Management System)などの先進的省エネ技術、生産性向上、革新的モノづくりなどを推進するとともに、太陽光発電システムや蓄エネルギー機器、水素燃料電池などにより再⽣可能エネルギーの利活用の推進、100%再生可能エネルギー由来の電力や環境価値の調達、などの取り組みを組み合わせることにより、工場でのモノづくりによるCO2 排出を実質ゼロとする工場をグローバル全てで実現することです。当社グループは2030年までに全事業会社で自社拠点におけるCO2 排出の実質ゼロ化を社内外に発信し本取り組みを進めています。

CO2ゼロモデル工場の推進※3

当社グループでは2018年度に日本の家電リサイクル工場と欧州の民生乾電池工場にてグループ初となるCO2ゼロ工場を日欧2工場で同時実現して以降、中南米のパナソニック ブラジル(有)のエストレマ、サンジョゼ、マナウスの全3工場や、パナソニック セントロアメリカーナ(株)にて活動を展開し、更には中国のパナソニックエナジー無錫(有)、三洋エナジー(蘇州)(有)、パナソニック マニュファクチャリング北京(有)、そして2021年度はタイのパナソニックエナジータイ(株)にて東南アジア地域における当社グループ初となるCO2ゼロ工場を実現しました。グローバル各地域へ活動が着実に広がり、2021年度までに5地域※4全てでCO2ゼロモデル工場を実現し目標を達成しました。

2021年度の事例であるパナソニックエナジータイ(株)(PECTH)では、主にアルカリやマンガンの乾電池などの一次電池を製造しています。工場全体のエネルギー消費を俯瞰分析した上で、エネルギー消費の大きい生産設備についてエネルギーの見える化・分析システムを構築し利用率向上や品質ロス削減に取り組み、その他の原動設備等についても稼働ロス削減や高効率機器へ更新するなどの省エネを推進するとともに、太陽光発電システムよる自家発電力の活用、I-REC証書の調達、さらに化石燃料由来CO2の排出をオフセットするクレジットの活用などにより2021年実績で約16ktのCO2排出を実質的にゼロとしました。太陽光発電システムについては既設のシステムに加え、更に大容量のシステム導入を進めています。

パナソニックエナジータイ(株)(PECTH)

※3 CO2ゼロモデル工場の推進とは、CO2ゼロ工場実現の知見ノウハウの獲得を狙い、グローバル各地域にて取り組む先行取り組み

CO2ゼロ工場※5グローバルマップ

※4 日本、中国・北東アジア、東南アジア・大洋 州・インド・南アジア・中東阿、北米・中南米、欧州・CISの5地域
※5 現時点では9工場がCO2ゼロ工場を実現しています。PETEC、PANABRAS(3工場)、PCA、PECW、SEC(SUZ)、PMFBJ、PECTH
PASCZは22年1月に契約完了(21年度はモデル工場としてのみカウント)、PC東京は非製造

再生可能エネルギー利用拡大

当社グループは再生可能エネルギーの利用拡大に向け、再生可能エネルギーの自社拠点導入と外部調達の推進に取り組んでいます。

2021年度の自社拠点における再生可能エネルギー導入量※6は43GWhとなり、2021年度の目標である「自社拠点再生可能エネルギー導入量40GWh」を達成しました。
再生可能エネルギーの自社拠点導入に関しては、地域ごとの特性に応じてグローバルで推進しており、特に太陽光発電については太陽光発電システムを導入可能な拠点へ積極導入を進めています。2021年度の主な事例としては、中国での太陽光発電システムの導入があります。パナソニック エレクトロニックデバイス 江門(有)(PEDJM)にて3.36MWを工場の屋上に、0.58MWを駐車場に(カーポート型として)それぞれ導入し稼働を開始しました。単一拠点内で合計3.94MWの導入は当社グループにおいて過去最大級となります。

PEDJMの太陽光発電システム

再生可能エネルギーの外部調達もグローバルで推進しています。日本において、自社拠点は電力の使用者であると同時に小売電気事業者(登録番号A0136)でもあり、2005年より自社拠点工場やオフィスへの電力供給を行ってきました。再生可能エネルギーに関しても、これまで培ってきた電力調達・電力取引のノウハウや経験を活かし、風力等に由来する100%再生可能エネルギー電力、ならびに非化石証書等や化石燃料由来CO2排出をオフセットするクレジット等の環境価値の調達を行っています。この取り組みは、日本のみならず中国や東南アジア地域のCO2ゼロ工場実現にも貢献しました。加えて、2021年度には自社拠点専用太陽光発電所(約18,000kW)の開発を決定し、2022年中の稼働開始を目指します。このように当社グループは新たな再生可能エネルギー電源の普及拡大にも貢献してまいります。また更に、2020年度からは、再生可能エネルギー実質100%の電力提供を当社グループ日本国内従業員向けに開始しています。
https://news.panasonic.com/jp/topics/204036.html

当社グループは2019年8月、事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーにすることを目指す国際的なイニシアチブ「RE100」に加盟しました※7。2050年までにグローバルで使用する電力の全てを100%再生可能エネルギーへ切り替えることを目指しており、2021年度の進捗率は6.7%です。

※6 非製造拠点への再生可能エネルギー自社拠点導入量を含む太陽光、風力、などが対象。ヒートポンプ含まず
※7 プレスリリース(2019年8月30日)
パナソニックが「RE100」に加盟 100%再生可能エネルギーによる事業運営を目指す

シンガポールにおける太陽光発電システムの導入

シンガポールでは、2016年9月にパナソニック ファクトリーソリューションズ アジアパシフィック社(PFSAP)の工場に発電容量1.0MWの太陽光発電システムを導入しました。3棟の工場建屋の屋上に、パナソニック製の太陽電池モジュールHIT®を計3,476枚設置し、これによりピーク出力時には電力総需要の約20%をまかなうことが可能となりました。パナソニック製HIT®は、業界トップレベルの高効率で、限られた屋上スペースでもより多くのエネルギーを生み出すことができます。また、高温の環境下においても高い発電性能を維持することができるため、熱帯性気候の地域により適しています。本製品は、マレーシア ケダ州のクリム ハイテクパーク工業団地にあるパナソニック エナジー マレーシア株式会社で製造されています。
この太陽光発電システムの導入は、東南アジア最大のクリーンエネルギー供給会社の一つであるサンシープ社とのリース契約によるものです。シンガポールにおいては、2015年10月にもパナソニック アプライアンス 冷機デバイス シンガポール社(PAPRDSG)の工場へサンシープ社とのリース契約により発電容量2.4MWの太陽光発電システムを導入しており、PFSAPの工場への導入は、サンシープ社のリース契約を活用した当社の2つ目の事例となりました。

PFSAPの太陽光発電システム

日本におけるバイオマス発電システムの効率化

パナソニックエコソリューションズ内装建材株式会社 群馬工場では、製造工程から発生する木屑、木粉をバイオマスボイラーの燃料として使用しています。導入以来、バイオマスボイラーで発生した蒸気は、工程内の生産に利用するとともに、余剰蒸気で発電を行っています。2011年以降、集塵機の小型化やファンのインバーター化、木粉搬送経路の見直しなど、継続的な改善取り組みを実施しています。今後も木屑燃料を有効利用すべく、ボイラーの効率化を推進するとともに他工場への展開を検討してまいります。

同社 群馬工場のバイオマス発電システム

イギリスにおけるバイオマスボイラーの導入

欧州では、パナソニック マニュファクチャリング イギリス株式会社(PMUK)が新たに木質バイオマスボイラーを導入しました。従来、使用済みの木材パレットは廃棄物として輸送し、そこで製造されたチップは地域のバイオマス発電の燃料として使われていました。
2016年度より、工場内にチップ製造機、貯蔵庫、バイオマスボイラーを導入し、工場内でのチップ化と、バイオマスボイラーの燃料としての使用を開始しました。これにより、木材パレットを輸送していたトラックの削減及びボイラーのガス使用量の削減が可能となり、年間65トンのCO2を削減できました。今後はバイオマス発電の導入により、更なるCO2の削減を目指します。

PMUKのバイオマスボイラー

エネルギーミニマム生産の推進

エネルギーミニマム生産の推進では、エネルギー・CO2削減を確実に実行するため、工場の各施設のエネルギー使用状況や対策による削減効果の見える化が重要です。これまでグローバル全製造拠点において4万点以上の計測装置やファクトリーエネルギーマネジメントシステム(FEMS)を導入し、エネルギー使用状況の見える化や分析を行うメタゲジ※8を推進しています。
下記のWebサイトには、工場省エネ支援サービスの具体事例を掲載しています。
https://holdings.panasonic/jp/corporate/sustainability/environment/carbon-neutral/service.html

また当社グループはIoT活用によるロス削減や工法革新による生産性向上にも取り組んでいます。パナソニックAP 空調・冷設機器(株)(PAPARS)ではコールドチェーン商品生産時の予熱工程において、現場での地道な温度測定とシミュレーションの活用により加熱状態を正確に把握することで、従来の大規模空間に加熱空気を満たすことによる間接加熱方式から近赤外線ヒータを用いた直接加熱方式への加熱方式の変更を行い、使用するエネルギーの最小化を行いました。本取り組みにより、本工程における間接加熱用の蒸気の使用廃止も実現しています。本方式は2022年度より量産適用を開始しており、投入エネルギーの最小化の取り組みは引き続き他工程への展開を推進しています。

PAPARSの「直接加熱生産ライン」

また、パナソニック(株)くらしアプライアンス社キッチン空間事業部、同加東樹脂循環工場、マニュファクチャリングイノベーション本部、パナソニックETソリューションズ(株)が共同で、リサイクル工場、再生樹脂会社等、多くの会社と連携し、「複数技術を組合せた選別システム最適化による原料回収率向上」や、「コストと品質を両立する分析・物性回復処方技術の開発」、「再生樹脂の使いこなし技術開発」などの技術開発に加え、「多くの優れた再生樹脂会社と連携したバーチャル工場」のスキーム構築により、工程におけるGHG排出削減と再生樹脂の資源循環を大幅に拡大する全国規模の循環型サプライチェーンを実現しました。ユーザーの目に触れにくい部分では黒点があることを前提にした品質基準の見直しなどにも取り組みリサイクル樹脂活用の可能性を大きく広げるとともに、これら取り組みにより焼却処理の削減や新規材料の削減などにより約9.5(10kt)のGHG削減を実現しました。ここで構築したネットワークは、家電リサイクル樹脂だけでなく、様々な種類の樹脂や業界にも適用可能な動静脈連携のプラットフォームとなり得るもので、今後このスキーム拡大により、循環経済(サーキュラーエコノミー)の実現に更に貢献していきます。(経済産業省 令和3年度資源循環技術・システム表彰 経済産業大臣賞受賞)※9

家電リサイクル樹脂 循環型サプライチェーン 全体概要図

※8 当社グループの造語で、メータやゲージなどの計測器を導入してエネルギー使用量を見える化し、測定可能な削減対策を実行すること
※9 パナソニックの「家電リサイクル樹脂の循環型サプライチェーン構築」が「令和3年度 資源循環技術・システム表彰」で経済産業大臣賞を受賞

各工場の取組み

2020年度にCO2ゼロ工場を実現した中国のパナソニック エナジー無錫(有)(PECW)の事業部傘下にある三洋エナジー(蘇州)(有)(SEC(SUZ))にて2021年度にCO2ゼロ工場を実現するとともに中国政府発行のカーボンニュートラル認証を取得しました。
この取り組みにおいては、グループ内の先行事例を参考にすると同時に、蘇州工場独自の課題検討も加え、生産用熱源を天然ガスから蒸気に切り替える等、合計12項目の取り組みで年間1,288tのCO2を削減、環境価値の活用も加え、CO2ゼロ工場とカーボンニュートラル認証取得を短時間で両立させました。

SEC(SUZ)
SEC(SUZ)で受領した
カーボンニュートラル認定証

中国カーボンピークアウト・カーボンニュートラル長期方針に対応した協働方策

中国ではカーボンピークアウト・カーボンニュートラルの長期方針が発表され、CO2排出をより一層重視しています。中国国内に多くの事業場を有する当社グループは、グループが向き合うべき中国環境課題とその貢献価値をより明確にするとともに、従来から進めてきた生産活動におけるCO2削減の強みを活かしながら、積極的に現地最適な協働方策構築を進めていきます。電力業界を対象とした中国全土で行うCO2排出量取引制度のこれまでの発展に合わせ、2021年に中国の非化石発電所の発電総容量が石炭発電所の発電総容量を初めて超過できた実態をいち早く把握し、現地のステークホルダーとの協働方策構築の観点から使用電力の再エネ化も様々な方法で模索していきます。中国CO2排出量取引制度で決められた8つの必須業界以外である当社グループも、積極的に協働先を探してまいります。

2021年度の実績

2021年度の工場の使うエネルギー量は4.9TWh※10となり、CO2排出量は1.95Mtでした。
2021年度のエネルギー・CO2削減取り組みへの投資額は19億円※11でした。

※10 2020年度より工場で使うエネルギー量の単位をTJからTWhに変更。電力はkWh、燃料は熱量を電力量単位である3.6MJ/kWhで換算し合算
※11 エネルギー・CO2削減に関する投資はすべて含む。ただし差額集計あるいは按分集計を行っていない

生産活動におけるCO2排出量(地域別)と原単位

生産活動におけるCO2排出量(事業会社別)

※12 2020年度以降パナソニックエナジーノースアメリカ(株)を含む
※13 CO2排出量を、グループ全社の売上高で除して算出した「CO2原単位」の2013年度対比の改善率を算出
※14 燃料関係は環境省温室効果ガス排出量算定・報告マニュアルの係数に基づく。各年度の各国の購入電力の係数は、International Energy Agency(IEA)の発行する「CO2 emissions from fuel combustion」の係数を元に当社グループで設定。引用bookは、2013年度:book2017、2016年度:book2018、2017~2020 年度:book2019、2021年度:IEA Emissions factors 2021。

生産活動における温室効果ガス排出量(CO2換算)の内訳(種類別)※15

※15 エネルギー起源CO2以外の温室効果ガス排出量には、Hussmann Parent社およびその連結子会社の実績、パナソニックエナジーノースアメリカ(株)の実績含まず