サスティナビリティFILES:
革新的な環境配慮商品をお客様に届ける

パナソニックは、技術を強みに、より良い商品を提供することで、BtoC、BtoBのお客様へのお役立ちを追求しています。環境の切り口からも革新的な商品の開発を進めており、お客様にとって魅力的な付加価値の創出と持続可能な社会の実現を目指しています。
そのために、当社は「グリーンプロダクツ(GP)」の開発・販売に取り組んでいます。商品が環境に与える影響を企画・設計段階から事前評価する「製品環境アセスメント」をもとに、環境性能を向上させた商品を「GP」、その中で持続可能な社会への転換を加速する商品を「戦略GP」として認定しています。戦略GPの拡大に取り組むとともに、さらに中から新しいトレンドを創る商品を選出し、「スーパーGP」として認定しています。そして関連部門を表彰し、スーパーGPを社内外に周知させることで、より多くの革新的な環境配慮商品の創出を図ります。
2013年度のスーパーGPとして下記の3商品が選ばれ、2014年7月に表彰式を行いました。

エネルギーゼロの戸建住宅「カサート エコ・コルディス」

パナホーム(株)のカサート エコ・コルディスは、日本で普及が期待されているネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)を具現化し、先進のデザインと自然の恵みを活かす機能性を追求しました。
屋根そのものを太陽光発電パネルで構成する「フルPVルーフ」を考案することで、他社に追随される革新的なデザインを実現するとともに、戸建住宅に10kW以上の大容量太陽光発電パネルの搭載を可能にしました。加えて、建物全体の断熱性の向上と、外気に比べて夏は涼しく冬は暖かい地熱の活用により、冷暖房負荷を低減。また、ベース空間(床下)のきれいな空気を取り入れ、換気量を自動制御する「エコナビ搭載換気システム」も採用しました。さらに、深い軒や大開口による光や風を活かす間取りを設計し、建物全体で省エネ性能をアップさせました。
また、建物がエネルギーを減らし、屋根がエネルギーを創り出すことで実質消費エネルギーゼロを可能にするのはもちろん、余剰電力を売ることでくらしにゆとりをもたらせます。「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」(全量買取制度)を利用すると、条件により20年間で約1,000万円の収入も可能となり、地球と家計にやさしいくらしを実現します。

カサート エコ・コルディスの外観
パナホーム(株) 上席理事 品質・環境本部長 中村 裕

住宅事業の環境貢献とは、事業活動における環境負荷低減は当然のこととして、住まいの環境性能向上を図り、環境配慮型のくらしを多くのお客様にお届けすること、と考えます。
2013年4月、パナホーム創業50周年記念商品「カサート エコ・コルディス」を発売。発電効率が高いパナソニックの太陽光発電パネル(HIT)そのもので屋根を構成し、平均的な延床面積(35坪程度)の住宅でも、大容量搭載が可能となりました。
発売から1年で、大容量搭載住宅の受注が累計1,000棟を超えました。お客様からは「大容量発電による売電収入に加え、断熱性やエコナビ搭載換気システムを含むトータルな性能も良かった」等の声を頂いています。
今後もスマート&エナジー戦略を展開し、国の政策を2年前倒して、日本で2018年に戸建全商品のZEH化を目指すとともに、アジアを中心に海外のお客様にもエコで快適な住宅を提供していきます。

業界トップクラスの環境性能を誇る「ノンフロン冷凍機システム」

パナソニック(株)アプライアンス社が開発した国内で初めてCO2冷媒を採用した店舗用ノンフロン冷凍機システム。また、当社独自の省エネ技術により、平成25年度省エネ大賞の製品・ビジネスモデル部門「省エネルギーセンター会長賞」を受賞しました。
冷凍や空調に冷媒として使用されてきたフロンガスは、オゾン層破壊や地球温暖化を引き起こす性質を持っています。当社では、これらの影響が極めて小さいCO2に着目し、適用が難しいとされていた冷凍機の開発を進めました。独自のコンプレッサー技術や新たな冷凍サイクルの採用により、従来のHFC冷媒を使用した冷凍機に負けない効率や省エネルギー性能を得ることができ、CO2冷媒に対応したショーケースの開発も行いました。また、使用店舗における冷凍機器や空調機器、電力計などを集中管理するマスターコントローラーも開発し、冷凍機・ショーケースの運転状態を遠隔から確認するとともに、運転の最適化や、異常を察知した場合のサービス対応に直結させることで、省エネ性能をさらなる向上を図りました。
本システムの採用により、HFC冷媒(R-404A)による冷凍機システムに対して、冷凍条件で25.4%、冷蔵条件で16.2%の省エネ効果が得られることを導入店舗で検証できました。現在は、本システムを日本国内のスーパーマーケットやコンビニエンスストアに納入しています。

(左)CO2冷媒を使用したノンフロン冷凍機OCU-CR1000VF
(右)ノンフロン冷凍機に対応したショーケースRAS-V673
パナソニック(株)アプライアンス社 コールドチェーン事業部 技術グループ 参事 小川 太郎

「ノンフロン冷凍機システム」は、地球温暖化係数が小さいCO2冷媒の採用し、省エネ化も追求しました。当社の強みであるショーケースと冷凍機の両方を開発・生産してさらに双方を連携制御することで実現したシステムです。
2008年からスーパーマーケットでの実証試験を経て、2010年9月に日本国内で初めてノンフロン冷凍機システムとして実用化しました。その後、コンビニエンスストアでも検証試験を行った結果、省エネ効果を認めていただき、コンビニエンスのお客様からは「今後の省エネ施策にノンフロン冷凍機システムありき」との評価をいただいています。
今後も、店舗ラインナップを拡大し、CO2冷媒の採用を広げ、地球温暖化防止のトップランナーを目指して取り組みを続けていきます。

中国の人々の安心で快適なくらしを支援する「空気清浄機」

空気清浄機F-VXJ90Cは、大気汚染が大きな社会課題となった中国において、室内の空質改善に対処します。高い空気清浄能力によりPM2.5に対処できるだけでなく、中国でトップクラスの省エネ性能も実現しています。
パナソニック エコシステムズ広東(有)は、中国の人々のくらしに寄り添い、独自で中国向けの空気清浄機の開発・製造をしています。中でもこのF-VXJ90Cは、HEPA集じんフィルターを採用することで、0.3μmの粒子を99.97%除去することができます。加えて、通常運転時の消費電力がわずか5Wと少なく、さらにセンサー技術により家電が自動的に運転を制御する「エコナビ」機能も搭載しており、5つのセンサー(ひと、照度、湿度、ほこり、におい)を通じて、人の動きや室内環境にあわせた最適な運転を行い、くらしの快適さを実現するとともに、省エネで地球環境にも貢献します。
PM2.5の除去性能の高さやエコナビによる省エネ性能など、F-VXJ90Cの技術の高さは中国室内環境監測委員会から評価されています。今後、F-VXJ90Cを代表とした当社の空気清浄機をより広く提供し、中国だけでなく、他地域でも急速な経済成長などによる大気汚染問題への対処支援を目指していきます。

空気清浄機F-VXJ90C
パナソニック エコシステムズ広東(有) 総経理 花村 嘉之

パナソニック エコシステムズ広東は環境に密着した事業を担っており、多くのIAQ商品(Indoor Air Quality:室内空気質)をグローバルに展開しています。
中国での空気清浄機の販売は2004年から開始。当初は、日本で開発製造した商品を中国に持ち込んで販売していましたが、今回、開発・製造・販売の現地化を推進することで、生活シーンに入り込んだ商品をいち早く市場に導入し、さらに販売の拡大で中国の室内空気質環境の改善に貢献することができました。
現地に根ざした商品づくりをベースに、これからもさらに顧客満足度の高い商品を投入し、中国だけでなくグローバルの室内空気質向上に取り組んでいきます。