サスティナビリティFILES:
環境教育の推進で次世代育成に貢献

パナソニックは、環境行動計画「グリーンプラン2018」で、2009年度から2018年度までに環境教育をグローバルで200万人の子どもたちに展開することを、目標の一つに設定。環境保全の意識や行動を喚起する「エコラーニングプログラム」(ELP)など、2014年度までに241.1万人という成果を上げています。世界各地で行われている活動の中から、今回はミャンマーとベトナム、中国の最新事例を紹介します。

ベトナムでの乾電池工作教室

ミャンマー:気候変動問題を考察、世界遺産保護にも寄与

ミャンマーは2015年夏に大規模な洪水に見舞われました。東南アジア・大洋州地域の統括会社 パナソニック アジアパシフィックのミャンマー支店は、支援策の一環としてELPを展開しています。8月12日にヤンゴンの養護施設で行われた初回は、気候変動の影響について教えると共に、災害リスク低減策の一つである地球環境の保全のため何ができるかを考えるもの。約50人の参加者は、環境に配慮した生活や商品に関する、さまざまなアイディアを学びました。
11月24日にはカイン州 パアンの技術訓練学校生60人にELPを実施しました。ここでも気候変動問題を考察。参加者はグリーンチャンピオン(省エネを進めるリーダー)として、家族や友人とどんなことを行えるかを学びました。太陽電池と乾電池で動く「ハイブリッドカー」の工作教室では、環境技術への理解を深めました。
また、パナソニックはユネスコと「ミャンマーの世界遺産候補地であるバガン遺跡周辺地域の持続可能な発展を目的とした次世代教育支援の促進」について、2015年11月に基本合意を締結、12月22日から2年間のプロジェクトをスタートしました。ミャンマー政府教育省や地域とも連携しながら、若者を対象とした教育支援を進めます。次世代の子どもたちの環境意識を高め、行動を起こすきっかけをつくるELPも展開します。
併せて、バガン遺跡周辺にある無電化地域の学校約40校にLED照明・太陽光パネル・蓄電池を搭載する「エネループソーラーストレージ」を500台寄贈。生徒たちが1日中、安全な明かりの下で勉強できる学校環境づくりも支援します。

ヤンゴンでのELPの様子
技術訓練学校でのハイブリッドカー工作教室
ユネスコとのパートナーシップに基づくエネループソーラーストレージ寄贈式

ベトナム:政府との戦略パートナーシップで活動を加速

パナソニックベトナム(PV)は2011年からELPを展開。これまでに出前授業やワークショップなどを、全国の学校で15,000人以上に行ってきました。
2015年12月8日には、天然資源環境省 ベトナム環境総局(VEA)と、同国の持続可能な発展に向けた一連の教育活動で共同する、戦略パートナーシップを締結しました。これは、2012年からさまざまな環境保全活動や環境教育を行ってきた、両者の協力関係を強化するものです。
新たなパートナーシップの下、2016年度は郊外・地方都市を含め、約1000人にELPを実施する計画です。併せて、使用済み乾電池を環境に配慮したパナソニック製の乾電池に無償で交換する、「グリーンバッテリー交換キャンペーン」も行います。環境配慮商品の使用を通じ、子どもたちのエコマインドを高めることが目的です。
新パートナーシップの下での第1回目のELPは、調印式当日、ハノイ市内の子どもたち47人を招いて、パナソニック リスーピア ベトナムで開催しました。参加者は、出前授業で気候変動問題や環境技術について学ぶと共に、乾電池の工作教室も体験しました。

VEA高官とPV取締役による調印式の様子
VEA高官がELPの冒頭でスピーチ
乾電池工作教室の集合写真

中国:エコ絵日記コンテストに12万人が参加

エコ絵日記コンテストは、世界中の子どもたちから、学校や家庭など身近なところで行ったエコ活動の絵日記を募集、コンテストを行うものです。中国では過去5年にわたり開催。作品のクオリティーは年々向上し、環境配慮・保全を考える、創造性に富んだ作品が増えています。2015年のコンテストには、12万人を超える子どもたちが応募。審査の結果、10人が入賞し、800人が優秀賞を獲得、6団体が優秀団体賞を受賞しました。
表彰式は12月5日、貴州省の貴陽市で開催、100人を超える受賞者が集まりました。地域統括会社であるパナソニックチャイナの社長が、代表者に賞を授与。外部の専門家も出席し、受賞者の体験した活動を高く評価しました。
表彰後、出席者はお互いの絵画の感想や、環境保護について話し合いました。また、コンテストの主要審査員による、エコ絵日記に関する講演に耳を傾けました。
翌日から子どもたちは、世界文化遺産に登録された貴州省のミャオ族の村を訪ね、伝統芸術である農民画や刺繍、布の染色技法を見学。同省施秉県にある世界遺産 雲台山では、森の植物の保護や、自然環境の大切さについて学びました。

代表受賞者の表彰
エコ絵日記についての講演
ミャオ族の刺繍体験