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家づくりのプロによる地域密着型の次世代教育をスタート

パナホームは家づくりの専門性を活かし静岡大学と共同で「快適な住まいの工夫を学ぶ」学校教育向けの教材を開発しました。快適な住まい方にとって重要な安全・健康・環境についてボードゲームを使いながら自分たちにできることを考える授業となっています。
昨年度より中部エリアの各営業所の社員が講師となり小学校への出張授業を開始、すでに実施校は70校を超えました。今年度は中部エリアで60校その他東北復興にも教育で貢献していく予定です。

快適な住まいの工夫を学ぼう(静岡大学 × パナホーム)

新開発のボードゲームを中心に授業進行

2016年7月、焼津市立東益津小学校。この日多目的ルームに集まった児童たちは(株)パナホーム静岡 中部営業部静岡西営業所 鈴木社員によるボードゲームを使った授業に目を輝かせていました。「エコポイントが貯まった!」「やった給料日だ!」「私はピュアテックがいいなあ」などとゲームの展開に夢中になっています。ボード上をすごろくのようにサイコロを振って出た目の数だけ進んでいきます。例えば止まったマスが「使わないときはこまめに教室の電気を消した」ではプラス2エコポイント、「親の手伝いでおこづかいをもらう」ではプラス1コインなどのようにエコポイントとコインを集めていくゲームです。そしてそれぞれのマスや引いたカードに書いているメッセージを大きな声でメンバーに聞こえるように読み上げます。単なるゲームではなく、家庭科の授業を意識した行動となっています。そしてエコポイントを多く貯めた人が勝ちとなりゲームを進めながら環境に配慮した住まい方を身に付けられるよう工夫しています。
また4ヶ所ある給料日では結婚や出産・住宅購入など人生のステージが進んでいくごとに太陽光・蓄電池や省エネ換気システムのピュアテックなどの設備カードを追加することができ、それにより災害からのダメージを和らげることができます。
このようなゲームを通じて安全・健康・環境に配慮した快適な住まい方を学んでいくしくみとなっています。

熱心にボードゲームに取り組む児童

開発のきっかけから教材開発まで

パナホームでは子どもたちにとって将来大切な家づくりが安全・健康・環境に配慮されたものとなるように50年以上「良い家」をお届けしてきた専門的知見が役立たないものか考えていました。一方、学校現場では家庭科において「快適な住まい方」を教えるにあたり知識や教材不足についての悩みがありました。そこでCSR活動の一環として地域での教育に貢献できると思い活動がスタート。
しかし、家づくりは専門でも学校教育は未知の分野であったためどのような教材を作れば学校教育のニーズとマッチするのか最初は分からなりませんでした。そのため企業との授業づくりを実践的に研究されている静岡大学教育学部の塩田真吾准教授とともに共同研究を行い、両者の専門性を活かした教材が開発されることとなりました。

児童のゲームシート
授業前に打合せをするパナホーム社員
多目的ルームにおける授業風景

小学校70校以上で出張授業を実施。学校と企業のWin-Winの関係

初年度は中部エリアを中心にパナホームの各営業所の社員が実施、1年間で70校5162名の児童に授業を行いました。授業を受けた児童のうち97%以上が「楽しく学べた」「内容が理解できた」と回答するなど満足度が高いことが分かります。また今回実施した東益津小学校の先生からも「環境という普段とは違った視点で家を見る良いきっかけになったのではないか」と好意的な声を聞くことができました。
一方、前出の鈴木社員からは「地元なので恩返しのつもりで授業をした。どうやったら伝わるか一生懸命考えた」と社員の成長にもつながっている様子が伺えました。また授業を実施した児童が住宅展示場に家族で来場し共通の話題で盛り上がることができたなど、地元密着ならではの顧客との関係づくりにも役立ったケースがあることが分かりました。これからも「本業で培った知見を学校教育の現場で役立て、結果として本業にもいい影響を及ぼす好循環を全国に広げていく」考えです。(パナホーム(株) 中部営業推進部 教育貢献推進担当 松枝伸明)
これからも住まいの本質を見つめ人と人との絆を育む心豊かなくらしや住まいを提案しながら次世代教育や環境への貢献に注力していきます。

環境技術である光触媒実験をする鈴木社員
サイコロを振りマスを進める児童たち
エコポイントを貯めながら学習していく