サスティナビリティFILES:
持続可能な社会の実現に貢献 2015年度スーパーGPのご紹介

パナソニックは、商品・サービスが環境に与える影響を企画・設計段階から事前評価する「製品環境アセスメント」を基に、環境性能を向上させた商品・サービスを「グリーンプロダクツ(GP)」としています。そのうち、「業界トップクラスの環境性能で地球環境への負荷を抑制する」「普及促進そのものが地球環境への負荷を抑制する」「ある地域の環境負荷を低減、または環境負荷への対処を支援する」観点から持続可能な社会への転換を加速する商品を「戦略GP」と定義。さらに、環境性能の飛躍的な進歩・持続可能な社会の実現への新トレンドを創る商品・サービスを「スーパーGP」として認定しています。2002年度に「スーパーGP」制度が導入されて以来、2014年度までに17商品が認定されています。2015年度のスーパーGPは以下の2商品群です。事業部門の代表者の声と共に紹介します。

高信頼性・鉛無添加マンガン乾電池:量産化の壁を越え環境配慮技術を確立

アフリカやアジア、中南米をはじめ世界中で広く普及し、長い歴史を持つマンガン乾電池。もともとは品質保持・性能向上のため、環境負荷の高い水銀やカドミウム、鉛が使われていました。当社は1989年に水銀、1991年にカドミウムの無添加を実現。しかし、亜鉛缶の強度や耐腐食性を高めるための鉛を添加しない商品は、量産が困難で長い間実現に至りませんでした。
それでもパナソニックは、世界中で加速する環境規制強化やお客様の環境意識の高まりを踏まえ、鉛を加えない亜鉛缶の開発を継続。代替材料の選定や亜鉛との配合比率、亜鉛缶の加工方法など、さまざまな工夫を凝らした結果、2012年に性能と量産性を両立する独自技術の開発に成功しました。
こうした取り組みを経て商品化した「高信頼性・鉛無添加マンガン乾電池」は、現在グローバルの100を超える国と地域で販売中です。

高信頼性・鉛無添加マンガン乾電池
(左から)オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社
エナジーシステム事業部 事業部長 木谷千秋、
同事業部 技術部 部長 加藤文生

私たちは「グローバルに生産拠点を有する強みを生かし、鉛無添加技術を世界中にお届けすることで環境負荷の低減に貢献する」というコンセプトのもと、高信頼性・鉛無添加マンガン乾電池の開発・導入を進めてきました。
商品には当社独自の環境マークのほか、第三者機関の環境認証ラベルを付けることで、性能や価格には表れない価値をお客様にお伝えしています。販売店の皆様からも、環境負荷の低減に向けた取り組みに対し、多くの支持を頂いています。併せて、各国の政府や団体とも連携しながら、環境に配慮した乾電池の普及にも努めています。今後も多くのお客様に本商品をお届けできるよう生産体制を拡充すると共に、さらなる環境負荷の低減を目指した技術開発を進めます。

LED高天井照明・投光器(モジュールタイプ):既設照明のLED化に柔軟に対応、省エネを後押し

陸上競技場や学校のグラウンドで使用される投光器や、体育館・工場などの高天井照明器具には、設置場所やお客様のニーズに応じ、さまざまな明るさのメタルハライドランプや水銀灯が使われています。これらのLED化に当たり課題となっていたのは、既設器具と同じ照明環境を再現するための商品ラインアップが、市場に十分揃っていなかった点です。
従来の投光器・高天井照明は、光源と器具が一体化した構造を採用していました。これに対し、LED高天井照明・投光器(モジュールタイプ)は、LEDモジュールを組み合わることで、多彩な明るさ・配光・寿命の品揃えを実現、既設照明設備に対し、よりきめ細かく最適な省エネ提案を可能にしました。HID1000形相当のLED投光器の場合、消費電力は約50%削減※。スポーツ施設などの照明の省エネに、大きな貢献を果たします。

※HID1000形用投光器(マルチハロゲン灯Sタイプ1000形)YAX56565K・ランプMF1000B/BH-SC x 1とLEDモジュールタイプ(マルチハロゲン灯Sタイプ1000形相当) NNY24626 LF2の比較

拡散パネル一体型 LED高天井用照明器具 モジュールタイプ
LED投光器 モジュールタイプ
エコソリューションズ社
ライティング事業部
ライティング機器ビジネスユニット
課長 茨 薫

投光器や高天井照明器具のLED化は、開発に要する費用や期間といった面が、高いハードルとなっていました。しかしモジュラー設計を導入したことで、こうした課題を解決することができたのです。品揃えを一気に拡大したことで、直近2年間で当社における投光器・高天井器具のLED化率は約60%アップ。市場全体のLED化促進を後押しするまでになっています。
現在、2019年のラグビーワールドカップ日本大会や、2020年の東京オリンピック開催に向け、大規模スポーツ施設の改修が計画されています。今後もモジュール自体の高効率化や軽量化による環境負荷低減に取り組むのはもちろん、LEDの波長制御技術や配光制御技術を進化させ、スポーツ施設に最適な照明を提供します。