サスティナビリティFILES:
持続可能な社会への展開を加速し新たなトレンドを創出 2016年度スーパーGPのご紹介

パナソニックは、商品・サービスが環境に与える影響を企画・設計段階から事前評価する「製品環境アセスメント」を基に、環境性能を向上させた商品・サービスを「グリーンプロダクツ(GP)」としています。そのうち、「業界トップクラスの環境性能で地球環境への負荷を抑制する」「普及促進そのものが地球環境への負荷を抑制する」「ある地域の環境負荷を低減、または環境負荷への対処を支援する」観点から持続可能な社会への転換を加速する商品を「戦略GP」と定義。さらに、環境性能の飛躍的な進歩・持続可能な社会の実現への新トレンドを創る商品・サービスを「スーパーGP」として認定しています。2002年度に「スーパーGP」制度が導入されて以来、2015年度までに19商品が認定されています。2016年度のスーパーGPは以下の3商品群です。事業部門の代表者の声と共に紹介します。

住宅用宅配ボックス「COMBO(コンボ)」シリーズ

不在時にも荷物を受け取れるという利便性だけでなく、宅配便の再配達を少なくすることで、再配達に関わるCO2や不在票を削減できるという環境面での利点があります。電気を使わずに押印や施錠ができるため、施工時の電気工事が不要で使用時も電力を消費しません。2016年12月から2017年3月末には、福井県あわら市のモニター世帯に本製品を使用いただく実証実験を実施。「再配達削減=CO2削減 および 配達業者様の労働時間削減」の効果と同時に「お客様の時間的な心の余裕も生み出す」など、社会課題を解決出来ることを証明できました。

住宅用宅配ボックスCOMBO コンパクトタイプ
エコソリューションズ社
ハウジングシステム事業部
外廻りシステムビジネスユニット
外廻り設備商品推進部 部長 中島裕章

戸建宅配ボックスは25年前に100V電源式で第1号が発売されました。当時のニーズは年2回のお中元とお歳暮。翌々年には電池式も続けて発売しましたが、販売は一向に伸びませんでした。eコマースが伸張の兆しを見せてきた2007年、当時のご不満を全て解決した現コンボの原型を発売しました。電力不要で、仕様の拡充(扉開き勝手選択・サイズ展開・施工の選択)を盛り込んだタイプで、コストダウンも実現しました。そして今年、まだ記憶に新しい「再配達の社会問題化」と、あわら市と当社での実証実験の結果が重なったことで一気に注目を浴びました。今後も社会インフラとして定着できるよう、環境配慮に加えニーズにしっかりと応える商材・サービスを拡充し社会課題の解決に貢献して参ります。

太陽電池モジュール HIT車載タイプ

2017年2月にトヨタ自動車株式会社様が発売した、新型プリウスPHVに採用。従来の車載用太陽電池は数十Wの出力で換気用途のみでしたが、本製品は限られた面積の自動車ルーフでも約180Wの大出力を達成し、車両駆動を実現しました。日本の自家用自動車の平均年間走行距離の1割に当たる、約1,000kmのEV走行が可能です。

太陽電池モジュール HIT車載タイプ
エコソリューションズ社 エナジーシステム事業部
ソーラーシステムビジネスユニット 製造部
二色浜モジュール製造課
課長 北村俊明(写真中央)、
同課 主務 足立啓一(左)
(写真右は品質・環境本部長 稲垣道世)

量産車を太陽の力で走らせることは太陽電池技術者の夢でした。その夢を実現したのが本商品ですが、ソーラーシステムビジネスユニットにおいて初めての車載分野への挑戦であり、お客様の要望に沿うための多くの困難を、プロジェクトメンバーの努力で乗り越えてきました。今回の受賞はその取り組みを評価されたと感じており、大変嬉しく思います。これを励みに、ソーラー事業がますます地球環境へ貢献できるよう、車載用・住宅用、またそれら以外に拡大した用途の商品を世に送り出していきたいと思います。

シリーズハイブリッド(Se-HEV)用 リチウムイオンバッテリーシステム

Se-HEVはガソリンエンジンを発電機として利用し、バッテリーに蓄えた電力をモーターに供給することで車両を電気駆動します。車両の駆動力はすべてモーターによって賄われます。「電気自動車の加速感」「低燃費性能の向上」「快適な居住空間」に貢献するため、業界トップクラスの充放電性能を有する小型で信頼性の高いリチウムイオン電池を開発するとともに、限られた車両スペースに搭載可能な小型・軽量な電池システムを実現しました。

Se-HEV用リチウムイオンバッテリーシステム
左から オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社
二次電池事業部 車載電池ビジネスユニット
システム機構開発部 主任技師 西川誠人、
同部 課長 大田晋志

かつてない短期開発と技術ハードルの高さのため、開発当初は車両の量産に間に合わせるのは非常に大変と感じていましたが、お客様との連携で無事に達成することができました。開発した電池を搭載した車両は、市場でもよく見かけるようになり、当社製品をお使いいただいているということを実感しています。今後も当社電池を搭載した車両を増やし、環境貢献できるよう取り組んでいきたいと思います。