「普段の学校生活ではできない貴重な経験ができた!」「働くことの意義や意味を学び、具体的な将来のイメージが湧いた!」—2024年10月22日、埼玉県立熊谷特別支援学校で行われた「私の行き方発見プログラム」と「キッド・ウィットネス・ニュース(KWN)(※1)」ワークショップは、生徒たちにとって夢と希望に満ちた一日となり、未来への視野を広げ、自己表現やチームワークのスキルを育む貴重な経験となりました。
キャリア教育の観点からの学び
今回の出前授業とKWNワークショップは、キャリア教育の観点から見ても非常に意義深いものでした。2つのプログラムを同時に実施することで、生徒たちに新しい価値が生まれました。
出前授業では、生徒たちは「行き方」というテーマを通じて、社会にはさまざまな役割があることを実際に体験し、それを理解することができました。この経験は、「自分もその一部である」という新たな気づきをもたらしました。
また、KWNのワークショップでは、普段は表現が難しいと感じている生徒たちが、映像制作を通じて自分の思いを表現する貴重な機会となりました。映像、歌、絵、文章といった多様な表現方法を活用する中で、特に今回は映像というツールを通じて自分を表現する新たな手法を学び、コミュニケーションの幅が広がったことでしょう。
子どもたちの心に残る体験
授業を終えた生徒たちからは、「普段はあまり話すことのない自分の思いや夢を表現できた」との声が寄せられました。働くことの意義や社会での役割を考える中で、彼らは自分自身の可能性に気づき、未来への希望を抱くことができたのです。担任の大島先生も、「生徒たちが普段見せない一面を発見できたことが嬉しかった」と語ります。特に、役割分担を通じて見せた責任感や積極性は、彼らの成長を感じさせるものでした。
自分の未来を描く「私の行き方発見プログラム」
「私の行き方発見プログラム」では、生徒たちは真剣な表情で講師の話に耳を傾け、頷きながらメモを取る姿が見られました。
特に印象的だったのは、Q&Aタイム。生徒たちが自ら考えた質問を通じて、仕事や進路について真剣に向き合う姿が見られました。「学生時代に就職に向けて意識していたことは?」といった質問に対し、渡辺さんは一つ一つ丁寧に答えていきます。その様子は、まるで未来の自分を描くための大切なヒントを受け取るかのようでした。
未来への第一歩:夢を語る生徒たちの成長
「ワークタイム」では、「15年後のなりたい自分」を考え、発表する機会が与えられました。「スクールカウンセラー」「デザイナー」「ゲームプログラマー」など、具体的な職業が次々と挙げられ、教室は夢と希望に満ち溢れました。生徒たちの声には、自分の未来を真剣に考える姿勢が表れていました。
担任の大島先生が特に印象に残ったのは、日頃は人前で発表することができない子どもたちが、自信を持って自分の夢を語ったことです。「生徒たちが具体的な職業を発表したことには驚かされました。普段の様子や保護者から聞いている話からは想像できない一面を垣間見ることができました。」と先生は語ります。生徒たちが自分の夢をしっかりと表現する姿に、大きな成長を感じられました。また、彼らの未来に対する期待や夢を抱くことの重要性を再認識する機会ともなりました。
リアルな職場体験で学ぶ:多彩な職業とコミュニケーションの手法
生徒たちは、映像制作の体験として「キッド・ウィットネス・ニュース」のキッズレポートに挑戦。生徒たちは実際の撮影に向けて、自分たちで監督、カメラマン、マイク担当、ヘッドフォン担当、カチンコ、インタビュアーなどの役割分担を行いました。
プロ仕様のカメラやマイクを手にした生徒たちは、自分の役割に対する期待感で胸が高鳴り、緊張感と興奮が入り混じる中、撮影開始。インタビュー撮影では、監督の指示に耳を傾け、カメラや音声のチェックをしながら、チームワークを発揮!それぞれが自分の役割を果たすために一生懸命に取り組む姿が印象的でした。
撮影が終わると、自分たちが制作した映像を全員で鑑賞しました。映像が流れると感嘆の声が上がり、感想を言い合うなどして盛り上がりました。生徒たちの目はキラキラと輝き、達成感に満ちた表情を浮かべていました。この体験を通じて、映像制作の楽しさやチームワークの大切さを実感できました。
未来への扉を開く
この特別な一日を通じて、子どもたちは未来を描く貴重な経験を得ました。働くことの意味や社会での役割を考える中で、彼らは自分自身の可能性に気づき、未来への希望を抱くことができました。子どもたちの笑顔は、このプログラムがもたらした成果そのものであり、今後の成長に向けた大きな一歩となることでしょう。
今回は、リアルな職業観を育む出前授業とKWNワークショップを経験した生徒たちにとって、自分の未来への扉を開く貴重な体験となりました。今後もこのような機会が続き、彼らのキャリア観がさらに豊かになっていくことを期待しています。
未来を拓くICT教育支援プログラム
今回訪問した熊谷特別支援学校は、パナソニックグループが学校向けに提供しているプログラムの一つでもある、パナソニック教育財団(※2)の第50回(2024年度)実践研究助成校です。パナソニック教育財団は、同校の「肢体不自由のある児童生徒が居住する寄宿舎のICT環境のバリアフリー化」をテーマにした実践研究に対して助成等の支援をしています。
この学校での取り組みは、ICTを活用した環境整備を進めることで、児童生徒の自尊感情やコミュニケーション能力の向上を目指しています。
パナソニック教育財団では、学校教育と社会教育を通じて子どもたちの「未来をつくる創造力と豊かな人間性」を育む活動を進めています。特に熊谷特別支援学校への支援は、肢体不自由のある児童生徒に対する大きなサポートとなっており、今後の活動にも注目が集まります。
パナソニックグループでは、パナソニック教育財団を通じてICT促進の支援を行っており、ICTを活用した支援プログラムとして、「私の行き方発見プログラム」や「KWNプログラム」を提供しています。これらのプログラムを通じて、未来を担う子どもたちの成長と、それを支援する先生たちをサポートしていきます。
※1 「キッド・ウィットネス・ニュース」
小・中・高等学校レベルの子どもたちを対象とした、教育支援プログラムです。映像制作を通じて、創造性やコミュニケーション能力を高め、チームワークを養います。
世界各国で実施されており、国際交流の場として、年1回世界各国からの代表がオンラインで参加するグローバルサミットを開催。映像プロが講師となり、ワークショップなども開催しています。
学校ごと、放送部や映像制作部などの部活でも活用いただけるプログラムです。
※2 「公益財団法人 パナソニック教育財団」
教育現場における授業改善や課題解決に向けて、一人一台端末を中心とした情報活用能力の向上、教員の研修、校務改善などの実践研究活動を支援しています。学校の課題解決や改善に取り組みたい学校や先生を支援します。2025年度実践研究助成募集中です。