アンコンシャス バイアス・トレーニング
パナソニックグループでは、一人ひとりが自身のアンコンシャス バイアス(無意識の思い込み)に気づき、発言や行動を意識できるようになることがDEI推進の根幹であると考え、社員向けの研修を実施しています。
※ここでは、日本地域の取り組みを中心にご紹介します。
アンコンシャス バイアス・トレーニングとは?
「アンコンシャス バイアス(無意識の思い込み)」とは、過去の経験や見聞だけをもとに、知らず知らずのうちに偏ったものの見方をしてしまうこと。「アンコンシャス バイアス・トレーニング」は、一人ひとりがこのアンコンシャス バイアスについて学び、気づくための研修です。
パナソニックグループでは、2020年12月に組織責任者を対象にアンコンシャス バイアス・トレーニングをスタートしました。2022年度からは、役職・職種を問わず、日本地域の社員約6万人に対象を広げ、継続的にトレーニングを実施。様々な個性を持つ社員が活き活きと活躍できる、心理的安全性の高い職場づくりに向けて、グループ全体で取り組みを加速させています。
各事業場での研修事例
研修の企画・運営を担当するのは、研鑽を積んだ全国110人の「アンコンシャス バイアス社内アンバサダー」。単に「知識を得る」だけでなく、「一人ひとりが気づく・対処する」場になるようにと、各事業場で工夫を凝らしています。
例えばパナソニック株式会社 中国・北東アジア社(CNA社)では、日常業務であまりパソコンを使わない製造部門の社員がいる点を考慮し、2022年はオンラインとオフラインの両方で研修を実施。双方向でのやりとりができるよう1回の参加人数を絞り、オンラインは計4回、オフラインは計2回に分けて行いました。
CNA社での研修を担当したアンバサダーは、一方的な知識の発信ではなく、互いの肌感覚を共有することを重視していると語ります。「誰もが持っているのに、自分だけでは気づくことができないのがアンコンシャス バイアス。自分ゴトとして捉えてもらえるように、アンバサダーと参加者、参加者と参加者が相互にコミュニケーションをとり、日常での『アンコンシャス バイアスあるある』を共有しています。『こんな発言にモヤモヤした』『こんなシーンもアンコンシャス バイアスかも』と互いに発見しながら研修を行うことで、お互いに視野が広がっていくことを実感しています」
何気なく投げかけた言葉、よかれと思ってとった行動でも、意図しないところで相手を傷つけてしまう可能性があるのが、アンコンシャス バイアスの難しいところです。同じ言葉や行動であっても、傷つく人も傷つかない人もいる。そういった事実をまず知り、意識して気づこうとする姿勢が「誰もが生きやすい場所づくり」につながると、CNA社のアンバサダーは強調します。
受講した新入社員の声
2023年1月からは、新卒採用とキャリア採用問わず、全ての新入社員がアンコンシャス バイアスについて学んでいます。新卒入社の1,400人を対象に実施したDEIトークセッションとアンコンシャス バイアス・トレーニングでは、「私のアンコンシャス バイアス」に気づき、対処するための時間を設けました。参加者から寄せられた、反響の一部を紹介します。
- 新入社員全員を対象にこういった研修を実施する姿勢に、会社の本気度を感じる。
- 育休などに興味を持っている。何気ない言葉に傷つく当事者もいるかもしれないと感じた。私たち若い世代がDEIの精神を持つことで風土や意識は変わっていくのでは。
- 自分の言動にアンコンシャス バイアスが潜んでいないか、客観的に振り返る良いきっかけになった。
- DEIの浸透は、商品の多様性にも影響する。自分も他者の発言で嫌な思いをしたことからパフォーマンスが下がった経験がある。組織として人として、アンコンシャス バイアスを意識して周囲に接していきたい。
- 「アンコンシャス バイアス」という言葉は知っていたが、想像以上に大切な考え方だと知った。自分の中での思い込みだけでは他者に影響しないと思っていたけれど、その考え自体がアンコンシャス バイアス。人それぞれの感じ方があるからこそ、いろいろな角度でものごとを見る大切さを再確認した。
- 大きな会社であるためDEIの浸透には時間がかかると思うが、一人ひとりが意識を持つことが大切だと強く思った。