身近にあるいろいろな電化製品を使ってみて、「これ、なかなかいいな!」とか「これはなんか いまひとつだな」って感じることがあるよね。そんな時のココロの状態を科学の力で理解することで、使いやすさを追究したり今までにない価値の商品を生み出したりすることができるんだよ。
普通のイスとトイレの便座では、すわる姿勢が違うよね。トイレの便座の場合、どのような状態だとすわり心地がいいのか研究してみたよ。そうしたら、すわり心地の良くない便座は、すわった時の力がせまい面積に集中する構造であることがわかったんだ。その結果をもとに、力の集中が少ない構造の便座を設計できるようになったんだよ。この技術は介護ベッドの快適な寝心地や、車椅子の快適なすわり心地、乗り心地などの設計にも活かされているよ。
眠たい時と勉強に集中できる時は、脳の状態はどう違うのだろう。実は脳波(脳から出る微弱な電気信号)を測ってみると、脳波の波の形や大きさに違いが出るんだよ。また、ストレスを感じている時はからだのすみっこの体温が下がるので、鼻先の体温を測ることでストレスの度合いを判定することもできるんだ。このように、複数の現象を見える化・数値化することで、実際に商品やサービスを体験している時の体験者のココロの声をリアルタイムで聞くことができるんだ。その結果、今まで気づいていなかったココロの声を、より魅力的な商品への改良や提案へと活かしていくんだよ。
快適性評価に基づく
空調や照明のコントロール
リラックスしている時の脳波の様子
体の動きや脳波、心拍数を解析してリラックスしている度合いを解析。
快適性評価に基づく
空調や照明のコントロール
心拍数や脳波、皮フ温度を解析して、快適性をもたらす空調・照明設定に活用。
オンライン学習時の
集中力評価
心拍数や表情、体の動きを解析して集中力をもたらすオンライン学習ツール開発に活用。
BGMの導入による
作業効率の評価
表情や身体負荷、動作を解析して、作業効率の良いBGM導入に活用。
たとえば、人の活動や気持ちを理解して、必要な時に必要な量だけ電化製品を使えるようにコントロールできたら、電気の使用量(CO2排出量)を少なくできる。そして環境へのダメージを減らすことができる。そんなふうに人のココロの状態を理解することで、快適さだけでなく環境への優しさももたらす技術を目指しているよ。