研究開発の方向性
パナソニックグループは、「 物と心が共に豊かな理想の社会」の実現に向け、喫緊の最重要課題と考えている地球環境問題の解決と、お客様一人ひとりの生涯にわたる健康・安全・快適にお役立ちを果たすことを目指しています。
そこで、研究開発においては 「環境」「くらし」の注力領域とグループ横断の技術のダム機能を果たす「共通基盤」から競争力の源泉となる8つのコア技術群を特定し、グループ横断で連携・強化しています。ここでは、コア技術別の取り組みについてもいくつかご紹介します。
パナソニックグループの技術注力領域
グループを横断するコア技術プラットフォーム
コア技術別の取り組み
01 地球環境の問題解決
ペロブスカイト太陽電池
- ビルの窓壁など従来設置が困難だった場所に設置でき、まち・くらしに調和する太陽電池
- ペロブスカイト太陽電池モジュールで世界最高レベルのエネルギー変換効率18.1%を達成
- 独自のインクジェット塗布技術と材料技術によって大面積、サイズフリー、高変換効率を実現
分散型エネルギーリソース制御による「脱炭素ソリューション」
- クリーンエネルギー創出・利用拡大・電化促進領域で、需要家から系統サイドへ需給バランス調整に貢献
- 需要家側知見を強みに、DER*の最大活用技術をパッケージ化
- DER*と社会インフラをつなぐ統合技術・プラットフォームを開発 *Distributed Energy Resources
グリーン水素 製造デバイス
- 当社独自の貴金属フリー高活性アノード材料(NiFe-LDH)を開発
- アニオン交換膜型水電解にて水素製造効率を実証済み(ラボレベルでの効率74.7%@1A/cm2)
- アルカリ水電解用陽極として、本材料技術を応用開発中
全固体電池
- 従来のリチウムイオン二次電池を超える高出力、短い充電時間、安心・安全の電池
- 高イオン伝導を示すハロゲン化物からなる当社独自の固体電解質を実現
- 計算科学を用いた自動拡散経路探索による、高速なイオン伝導度評価手法を開発
現場CPS(Cyber-Physical System)
- 現場最適化:CO2排出最小化と利益最大化を考慮したシミュレーション
- 現場可視化:人・モノ・設備の勿れの自動観測と、ボトルネック自動特定
- 全体最適化:オペレーション・コンサルティング
植物の成長を加速させるバイオCO2変換
- 独自の微生物バイオテクノロジーにより、原料調達に制限のない空気中CO2を活用し、経済合理的な商材製造を実現
- 光合成を起点とする細胞内代謝に作用し、エネルギー代謝を活性化させ、収穫量UP・安定生産・免疫力UPを実現
- 葉っぱに散布するだけで従来農作業への大幅な変更・設備投資が不要
サーキュラーエコノミーの実現に向けた家電リサイクルの自動化
- サビや汚れがあってもAIでビスを正確に認識
- 熟練作業者の動きをロボットが再現し室外機のカバーを丁寧に分解
- さまざまな室外機のビスの数と場所をデータベースに蓄積し無駄なく動く
植物由来のサステナブル素材セルロースマテリアル
- セルロースを含有することで、従来の石油由来樹脂と比べ、軽く強くすることが可能
- 従来の石油由来樹脂と比べて見劣りしない性能
- 従来の石油由来樹脂の成形機を利用可能
- つなぎ樹脂も含めて100%生由来・生分解可能になるよう開発を推進中
02 一人ひとりの生涯の健康・安全・快適
ひとの感情を見える化して、表情解析によるUXマネジメント
- 人の表情を数値化することで、リアルタイムにユーザの感情を推定
- アンケート不要で、ユーザが無意識のうちにデータ取得
様々なシーンで活躍する「業務支援ロボットソリューション」
人とロボットが共生する未来の街づくり
- 1人で4台を運用できる遠隔管制システムでサー ビス継続性を向上
- 人混在環境でも安全・安心な走行プラットフォームを実現
- リスクを考慮したシミュレーションでサービスの導入・運用改善をサポート
Scalable A I あらゆるお客様に素早くお届けする
- あらゆる学習のベースとなる「生成Al 基盤モデル」を構築
- わずかな追加データと従来の5分の1の開発期間でのAlの導入を実現
Responsible AI あらゆるお客様の信頼にこたえる
- 確かな技術で「責任あるAI 」を実現
- 全社教育やチェックシステムなどのAl倫理ガバナンスを強化
03 ソフトウェア共通基盤
IoTサイバーセキュリティ監視システム
- IoT機器の制御コマンドやネットワークに着目したサイバー攻撃検知AI技術
- 攻撃を可視化し、分析の手間を削減するサイバー攻撃検知システム
視覚と触覚のセンサフュージョンで精密作業を自動化
人間が無意識に行っている高度な視覚・触覚運動制御の仕組みをAIで実現
- 視覚によってソケットの位置を正しく認識
- 指先で把持しているプラグの把持位置の認識
- 適切な挿入位置をサブミリの精度で算出
新たな配線不要、数百台規模のセキュアなIoTネットワーク
- 既設線の活用による省施工(低コスト)
- ビル等の大規模通信インフラに必要な数百台規模のIPネットワークを実現
- 既設インフラをセキュアで高速な通信網にリノベーション
電池交換や電源ケーブル不要 ワイヤレス電力伝送システム
- 長距離送電により、配線しづらいところへ電力を送る
- 多数のデバイスに同時に送電できるため、電池交換の手間を省く
- 小型なので、狭い場所にも配置