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001 「鉛(なまり)フリーはんだ」開発の技術のウラ側
阪神大震災(はんしんだいしんさい)で感じた汚染(おせん)の恐怖(きょうふ)。「鉛(なまり)フリーはんだ」開発の物語。
「とにかく早く電気製品(せいひん)の部品に使われるはんだから、人体に有害な鉛をとりのぞかなければ!」
1995年阪神大震災。パナソニック社員 末次憲一郎(すえつぐけんいちろう)はこわれて雨ざらしになった電気製品(せいひん)が散乱(さんらん)する地面から、水がにじみ出てくるのをみて大きな恐怖を感じたんだ。
「はんだの鉛で水が汚染されたら大変なことになる」という彼(かれ)の切実な想いから、鉛を使わない「鉛フリーはんだ」の開発はスタートしたんだけど、その道のりは、とてもきびしいものだったんだ。
はんだは5000年もの歴史をもっていて、鉛とすずでできている。
はんだの特性(とくせい)である「低い温度(183℃)でとける」「すぐれた強度」「熱を伝えやすい」を鉛以外の素材(そざい)で作るために、1000種類にもおよぶ材料の組み合わせが調べられたんだよ。
そして地道な研究の末、ついに1998年9月「鉛フリーはんだMDプレーヤー」を世界に先がけて発売!
その後多くの人の協力により、2003年3月31日に、パナソニックの全製品から鉛はんだが消(き)えたんだ。
アメリカでは「ライト兄弟の発明に匹敵(ひってき)する偉業(いぎょう)」とたたえられ、「鉛フリーはんだ」は世界中へと広がっていったんだよ。