不良リスクとなる原因を取り除き、設計の後戻りを減らしませんか?
2022年6月17日
デバイス・空間ソリューション部 エレクトロニクス設計課の大住です。
最近、市場不良の原因の検証のご依頼をいただいたお客様から、市場不良のリスクを低減したいため試作前に設計診断を設計フローに組み込みたいとお話をいただきました。設計診断のサービスを信頼していただけたと非常に嬉しく思います。
さて今回は、設計診断を設計フローに組み込むことで、何故市場不良などによる後戻りのリスクを低減できる可能性があるのか、お話したいと思います。設計診断では、解析センター独自の観点表を用います。観点表とは、焼損、破損、動作不良などにつながる、回路、基板、EMC(ノイズ)、故障解析、電気安全の専門家の過去の経験やノウハウを集約したチェックリストで、不良につながるリスクを第3者視点で抽出する、設計診断の要です。観点表についての詳細は、「プロダクト解析センター独自の設計診断向け観点表 」を参照してください。
この観点表を用いるメリットは2つあります。
◆過去の不具合事例のノウハウの集積
観点表は6つの観点で300以上のチェック項目からなっております。これらの大部分が、過去に実際に起こった不具合の原因で構成されています。また、この観点表を作成したメンバーは勤続20年以上の各分野の専門家で、長い年月、設計・解析・評価に携わっています。つまり、観点表は長い年月を経て習得したノウハウを集約して完成したものなのです。観点表の項目に該当する回路、基板アートワークを抽出することで、不良などの様々なリスクを低減できます。
◆設計者の思い込みを排除
人間は、自分で設計した回路、基板アートワークは間違いないと思い込みがちです。その思い込みが、潜在しているミスや保護回路が無いことなどを見逃してしまいます。しかし、観点表を用いれば、チェック項目に該当する回路などが無いか、客観的な視点で診断することができますので、主観が入ると見逃しがちなリスクでも拾い上げることができます。
このように、設計診断を開発・設計段階で適用することにより、設計の後戻りのリスクを低減できます。最近、ODM、OEMを活用している部署、企業様から、設計診断のご依頼をいただけるようになりました。皆様の思いは同じで、「市場不良を出したくない」「市場に投入する前にリスクを抽出して対策を講じたい」です。もし回路図などの図面を入手できなくても、試作品をリバースエンジニアリングして回路を復元することで、回路レベルから設計診断が可能です。あるいは、試作品の外観から実装・製造上についても問題点を抽出することが可能です。設計診断には様々なオプションがあります。興味がありましたら、是非一度ご連絡いただき、打ち合わせにて設計診断を紹介したいと思います。お気軽にお問い合わせください。
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