電子回路基板の設計診断の近況
2021年9月29日
デバイス・空間ソリューション部 エレクトロニクス設計課の大住です。
今回、設計診断の近況をお話したいと思います。
最近、設計診断の相談をいただくことが多くなりました。市場での不具合の原因調査、初めて設計する回路ブロックの診断など、様々なご要望をいただいておりますが、最近多いご依頼は、『量産前に設計リスクの有無を診断してほしい』です。診断結果の中でリスクとして報告した内容で多いものは、保護回路に関することと、絶対最大定格に関するものです。
どちらも部品の焼損、破損の要因になりますので、市場の商品の回収などにつながる、お客様の安全を脅かすなど、お客様にご迷惑をかけるとともに、会社の信頼が低下する、回収費用の増大など、経営リスクにつながります。市場不良のリスクをできるだけ低くするよう、我々は、設計診断を通じて設計リスクをご報告しています。
例えば、過電流、過電圧対策として、ヒューズやバリスタを採用することがあると思いますが、どのように選定していますでしょうか。上記部品は、型名に定格が含まれていることが多いですが、この定格値のみで選定してはいないでしょうか。実は、定格値のみで選定することは危険です。定格値で意図した動作をしてくれるとは限らないからです。部品に印加される電流値や電圧値、使用環境などにより動作点も変わりますので、そういったことを考慮して部品を選定する必要があります。
プロダクト解析センターでは、長年、パワー素子やICなどの電子部品の故障・破損・焼損・発火の原因の調査、対策の提案などを担当してきました。この経験が、上記のような保護回路の診断に役立っています。その他にも、様々な商品の回路(デジタル・パワエレ・アナログ回路)、基板設計にも長年携わってきました。お客様の商品が故障することなく、安全に動作し続けるよう、これまでの経験を活かして設計診断できればと思います。少しでも興味を持っていただけたら、気軽にお問い合わせください。
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