電子回路解析 Electronic Circuit Analysis

正確な回路復元で技術者の欲しい情報を解き明かすリバースエンジニアリング

2022年10月21日

デバイス・空間ソリューション部 エレクトロニクス設計課の大住です。

プロダクト解析センターでは、回路のリバースエンジニアリングサービスを提供しております。皆さんはリバースエンジニアリングと聞いて、どのようなイメージを持ちますか?単に他社商品を分析調査して、元の商品と同じような模倣品を作るイメージを持つ方もいるかもしれません。プロダクト解析センターのリバースエンジニアリングは、性能面・品質面・コスト面でより優れた商品の開発や、ODM商品の故障原因の特定と解決に活用して頂けます。

リバースエンジニアリングに大切な事は何でしょうか?我々は、「正確で機能が分かり易い回路図の復元」を大切にしています。それには部品の特定率が重要なポイントとなります。なぜなら、回路部品を特定できないと、回路構成が分からず詳細に分析することが難しくなるからです。例えば、3端子のダイオード、トランジスタ、FETなどは外観からは区別が難しいですが、各々の回路動作は異なります。このような部品を正確に特定することが「正確で機能が分かり易い回路図の復元」の第一歩です。もちろん、全ての部品を特定しなくても分析できることはあります。ただ、特定率が下がるほど、分析精度が低下してしまいます。

では、どのようにして特定率を上げているでしょうか。我々は製造の観点で独自の「7つの指標」を使って部品を特定しています。7つの指標とは、部品固有の特徴(刻印)や製造年代など、部品の製造に関わるものになります。例として、下記写真のような部品を挙げます。

製造に関する7つの指標 → 1989年量産の A社部品と特定

この部品は、刻印で検索しても簡単には特定できません。「C1」の刻印をもつ部品は各国、各社にたくさんあるからです。しかし部品固有の特徴(刻印)、製造年代、周辺回路の情報を活用し、量産年度・メーカー・部品を特定することができました。この独自手法で部品の特定率を大きく上げることができています。

リバースエンジニアリングの担当者は7つの指標で部品を特定し、さらに1本1本の配線の意味も解読していくことで、回路設計者の思い、意図および設計上の都合など、回路図だけではわからないような情報までも解き明かしていきます。そして機能ブロックをイメージしながら接続情報を抽出し、効率的に分かりやすい回路を復元します。例えば、基板上で離れたブロック同士でも関連性はないか?といったことを常に考えて接続情報を抽出することで、抽出完了した段階で回路図のイメージが出来上がります。更に復元した後も、動作に問題のある誤った回路図になっていないか検証しています。こうして分かりやすく正確な回路図を復元し、お客様のご要望にお応えしています。

これまで、お客様からは、

  • 機能毎に回路図がまとめられており、分析しやすい
  • 回路図の復元から市場不良の原因を特定するところまで対応してくれて助かった
  • 知りたかった他社の低ノイズ設計手法が分かり、自社商品に応用できる

などの声もいただきました。7つの指標による部品特定、回路ブロックの抽出、分かりやすい回路図の復元などを特徴とするリバースエンジニアリングはいかがでしょうか。電子機器のジャンルは問いません。興味がありましたら、是非ご連絡ください。

・基板設計者の都合、・回路設計者の思い、・部品個別の機能、・各回路ブロックの機能 → 機能が分かり易い回路図

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