省エネ家電って聞いたことある?

省エネ家電って聞いたことある?
テレビのコマーシャルとかで、聞いたことがある人もいるかもしれないね。
使う時に電力などのエネルギーを節約できる、家庭用電化製品(せいひん)のことだよ。
省エネ家電はエアコン、冷ぞう庫、テレビ、照明器具・・・。いろいろあるよ。
そんな省エネ家電は昔とくらべて、実際(じっさい)に使う電力がへっているのかな?

家電製品の消費電力の変化

年間消費電力量を、1995年と現在(げんざい)とでくらべた棒(ぼう)グラフをみると、
エアコンも、冷ぞう庫も、テレビも、照明器具も、赤で示された現在の数値(いま)が ずいぶんへってる!
今の家電製品は使う電気の量がすごくへっているんだね!

日本の省エネ技術(ぎじゅつ)

これはつまり、日本の家電製品(せいひん)は、圧倒(あっとう)的に 省エネ技術が発達したということ。
20年くらいの間に、こんなに?

そもそも、省エネ技術が急に発達したのは、なぜなんだろう。
節約はいいことだから?環境(かんきょう)に関心が高まっているから?
エネルギーをたくさん使うと心配だから?
発達した理由を知るために、まず、「エネルギー」についてリサーチしよう!

エネルギーとみんなのくらしがどのようにかかわっているか

エネルギーとみんなのくらしがどのようにかかわっているかをさぐり、
日本がかかえている課題をリサーチして、エネマネ博士に一歩接近(せっきん)!

最初のキーワード エネルギーって何だろう?

まず「エネルギー」と聞いて、何を思いうかべる?
電気のこと? 
「エネルギーのある人」って使う時もあるから、何か元気なイメージもあるね。

エネルギーって何だろう?

じゃあみんなのエネルギーは?
そう、みんなが元気に運動したり勉強したりできるのは「食べもの」という エネルギーをとっているから!

エネルギーとは、ものを働かせたりする力、だね。

じゃあ、みんなのまわりのエネルギーについて考えてみよう。

くらしの中のエネルギーについて調べよう(家や学校)

エネルギーを使うものや動くものには、家や学校ではどんなものがあるかな?

電気やガス、灯油や石油などの「エネルギーを使うもの」や
「エネルギーの種類」、「エネルギーでどんな仕事をしているか」を
ワークシート(エネルギー編①の1)に書きだしてみよう。

ワークシート「エネルギー編①」

ワークシートにきちんと記入しておくと、 自由研究にまとめる時にも 役に立つよ!

自由研究のまとめ方をくわしく説明しているよ!
→「自由研究のまとめ方」

くらしの中のエネルギーについて調べよう(町や会社)

次は、町や会社にあるものを書きだしてみよう。いろいろ思いついたかな?

車やバスなどの交通手段(しゅだん)や、工業や農業などの産業など、 いろいろなところでエネルギーを使っているね。

たしたちのくらしをささえるエネルギー

わたしたちはたくさんのエネルギーを使ってくらしているんだね。

このようにわたしたちがくらす中で直接(ちょくせつ)使うエネルギーを 「直接エネルギー」というとすると、「間接(かんせつ)エネルギー」というものがあるんだ。

「間接エネルギーが使われているもの」は、使用している時に 直接エネルギーを使っているわけではないけど、 ものがつくられてわたしたちの手にとどくまでに、 たくさんのエネルギーが使われているものだよ。

ものづくりをささえるエネルギー

たとえば、みんなが使っている教科書やノートには
エネルギーが使われているかな?
教科書にエネルギーって、ピンとこないかもしれないね。

図表
間接(かんせつ)エネルギーについて知ろう

ノートや教科書は、「木を切ってパルプにする」 「工場で印刷・製本(せいほん)する」
「店や学校にとどける」 という流れをへて、君たちの手もとにとどいているよね。

パルプにする時には、木を切ったりパルプにするため、機械を動かすエネルギーを使う。
印刷・製本する時には、工場の機械を動かすエネルギーや、
あまった紙をすてるエネルギーを使う。
店や学校にとどける時には、輸送(ゆそう)のためのトラックのエネルギーを使う。

エネルギーは直接使うもの以外にも、間接的にもたくさん使われているんだよ。

エネルギーは何からつくられるの?

みんなのまわりでたくさん使われているエネルギー。
電気やガスや燃料(ねんりょう)には、それをつくるためのもの、 つまり資源(しげん)が必要だよ。
資源にはどんなものがあるのか知ってる?

たとえば、石油や太陽光、風力や石炭、ウラン、天然ガス、水力・・・。
いろいろあるね。

いろいろな資源を分類すると、どうなるのかな。

エネルギー資源(しげん)のちがいは何だろう?

エネルギー資源は、大きく2つに分けられるよ。それは、かぎりがあるものと、 かぎりがなく半永久(はんえいきゅう)的に使うことができるもの。
半永久的に使うことができるものは、太陽光、風力、水力・・・だね。
再生可能(さいせいかのう)エネルギーともいうよ。

日本が主に使っている資源(しげん)はどのような資源だろう?

日本が主に使っている資源は石油、石炭、ウラン、天然ガス。
ほとんどがかぎりのある資源ばかりだよ。

エネルギー資源(しげん)をこのまま使い続けるとどうなるのだろう?

かぎりがあると、当然いつかはなくなってしまう。どれくらいでなくなると思う?
ワークシート(エネルギー編①の2)に記入してみよう。
各資源の埋蔵(まいぞう)予測(よそく)年数をだしてみたら、53年とか、55年・・・。
石油や天然ガスは、君たちが生きている時にすでになくなっちゃう。
かぎりある資源。大切に使うことが必要だね。

ワークシート「エネルギー編①」

ワークシートにきちんと記入しておくと、 自由研究にまとめる時にも 役に立つよ!

自由研究のまとめ方をくわしく説明しているよ!
→「自由研究のまとめ方」

日本の資源(しげん)で、まかなえるエネルギーは どれくらいだろう?

日本で使っているエネルギーを100として、そのうち日本の資源でまかなえるのは
何パーセントくらいだと思う?
(その割合(わりあい)のことを、エネルギー自給率(りつ)というよ。)
予想してみよう!100だと思う?半分だと思う?

日本のエネルギー自給率(りつ)6%

実は日本の資源(しげん)でつくるエネルギーは、たったの6%!
残る94%の資源は、外国から輸入(ゆにゅう)してるんだよ。
ワークシート(エネルギー編①の3)にエネルギー自給率を記入してみよう。

日本のエネルギーしかないとすると、どうなるかな。
たとえばクラスの人数が30人としたら、その中で今のくらしができるのは、たったの1.8人。
ほかの人は電気も車も使えないことになるんだよ。

日本では太陽光や水力や風力などの自然の力以外の資源は、ほとんどないんだ。

こんなエネルギー資源が少ない日本だからこそ、省エネの技術(ぎじゅつ)も 発達しているんだね。

身近なエネルギー(電気)について考えよう

なぜ電気はいつでも安定して使うことができると思う?
考えてみよう。

毎日快適(かいてき)なくらしが送れるのは、いつでも安定してエネルギーが 使えるおかげだね。
電気がいつも安定して使えるためには、何か工夫があるのかな?

そもそも電気はどのようにつくられているのか、まずリサーチしていこう。

エネルギー編図表
電気はどのようにつくられているのだろう?

水車や風車のように回転する装置(そうち)をタービンというんだけど、 水や空気の流れを使ってタービンを回転させ、その回転する力を別の力、 つまり電気に変えることによって電気のエネルギーをつくるんだ。

たとえば火力発電は、石油などの資源(しげん)をもやして水を沸騰(ふっとう)させ、 その蒸気(じょうき)のいきおいでタービンを回転させる。
原子力発電は、ウランが核分裂(かくぶんれつ)を起こす時に発生する熱で水を沸騰させ、 その蒸気のいきおいでタービンを回転させる。
水力発電は、水が高いところから低いところに流れる力で水車(タービン)を回転させる。
風力発電は、風の力で風車を回転させる。

いろんな発電の方法があるけど、基本的には回転する力を発生させて、 電気のエネルギーに変えているんだね。

発電についてわかってきた君に、提案(ていあん)があるよ。

エネルギー大臣になって発電方法のバランスを考えよう

エネルギー大臣になって、発電方法のバランスを考えよう!
まずはワークシート(エネルギー編②の1)にいろいろな発電方法の良いところ、
良くないところを考えて◎△を記入してみよう!
それぞれの発電方法のとくちょうが、はっきりしてくるよ!

ワークシート「エネルギー編②」

ワークシートにきちんと記入しておくと、 自由研究にまとめる時にも 役に立つよ!

自由研究のまとめ方をくわしく説明しているよ!
→「自由研究のまとめ方」

君がエネルギー大臣だったら・・・

君がエネルギー大臣だったら、国民が安定したエネルギーを使ってくらすために、 どの発電をすすめる?
「安定してエネルギーを使える」ことは大切だけど、 「安全」「かぎられた資源」「環境(かんきょう)へのはいりょ」もとっても大切なポイントだよ。

発電方法のとくちょうを見て考えよう!

とてもよいは◎、よいは、あまりよくないは△をつけてみてね。

それぞれの発電方法には、項目(こうもく)によってよいところと、あまりよくないところがある。
ひとつの発電方法だけを選ぶやり方も、
いろいろな発電方法を組み合わせるやり方もあるね。

組み合わせる方法を選ぶ場合は、どんな発電方法をどのくらいの割合(わりあい)で 組み合わせたらいいのかな?
理由もいっしょに考えてみよう。
理想の割合を自分で考えワークシート(エネルギー編②の2)に記入し、 友だちの意見も聞いてみよう。

そして、いよいよ今の日本で実際(じっさい)に行われている発電方法を見てみるよ。

日本の発電方法の割合は・・・

日本の発電方法の割合(わりあい)は、火力が圧倒(あっとう)的に多くて88%、 水力は9%、その他が3%。
その他の中には太陽光発電や風力発電など、自然を使った発電がふくまれるよ。

自然を使った発電がたったの3%なのは意外!という人も多いよね。
環境(かんきょう)にはいりょした自然を使った発電が3%しか利用されていないのは、 なぜだろう? 考えてみよう。

安定して電気が利用できるために

自然エネルギーは、自然によって発電量が左右されるんだ。
たとえば、太陽光エネルギーは、くもりの日や雨の日には電気があまりつくれないし、 風力発電は、風がない時には電気がつくれない。

そして火力や原子力にくらべて今のわたしたちのくらしを支えるだけの たくさんの電気を発電することが、まだ技術(ぎじゅつ)的にむずかしいんだ。

だから、いろいろな発電方法をミックスしているんだよ。

エネルギー資源(しげん)の大部分を輸入(ゆにゅう)にたよる日本では、 特定のエネルギーに頼るのではなく、
いろいろな発電方法のとくちょうを活かしながらバランスよく組み合わせて使う 「電源(でんげん)のベストミックス」を進めているんだよ。
資源(しげん)や環境(かんきょう)、発電量などに応じた電源の組み合わせなんだ。
ワークシート(エネルギー編②の3)に記入してみよう。

安定して電気を提供(ていきょう)するための工夫

このグラフは時間帯によって使用する電気量が変化しても、
安定して電気を提供するしくみを表わしているよ。

多くの人が起きて生活している昼から夜にかけての時間帯に、 必要な電気量がピークになるんだ。その時間帯に必要な量を確保(かくほ)するために、 火力発電や水力発電を利用して発電量の調整を行っているんだよ。

※水力発電の揚水(ようすい)式は、電気をあまり使用しない夜間の電力を使って 水を高いところにある池に移動(いどう)させ、昼間、電気がたくさん必要になった時に
利用できるように工夫されているよ。

2010年度日本の発電方法の割合(わりあい)

2010年度日本の発電方法の割合は、火力が61%と1番多く、
原子力が29%と2番目に多いね。

2014年度日本の発電方法の割合(わりあい)

4年後の2014年度では、一気に原子力が0%に!その分火力がふえ、 その他が1%から3%に上がっているよ。
その理由は、東日本大震災(しんさい)で福島第1原子力発電所の事故(じこ)がきっかけ。
原子力のリスクに対する議論(ぎろん)や、再生可能(さいせいかのう)エネルギーの 将来性(しょうらいせい)に関する議論が高まっているんだよ。

経済性(けいざいせい)や安定性よりも、安全や環境(かんきょう)を重視(じゅうし)した考え方がふえてきているんだね。
ところで、外国の国々ではどんな発電の割合になっているんだろう。

世界の発電方法の割合比較(わりあいひかく)

世界主要国の平均(へいきん)と日本、その他6つの国の、発電方法の割合を表わしたグラフだよ。

共通しているのは火力がどこの国も多いこと。
日本以外では、アメリカと中国で特に火力発電が多いね。
そのほかのとくちょうでは、ブラジルは水力発電が多いし、フランスは原子力発電が多い。
各国でちがいがあるのは、どうしてだろう。

その理由の主なものは、各国で持っている資源(しげん)の種類や量がちがうから。

そして福島の原子力発電所の事故(じこ)以降(いこう)は、日本だけでなく外国でも 原子力発電に反対する意見がふえたり、 環境(かんきょう)にはいりょした考え方がふえたりして、 エネルギー政策(せいさく)の変化も予想されているんだよ。

これからの発電に求められていること

これからは資源(しげん)を大切にする考え方や、
環境(かんきょう)にはいりょする考え方が大切だね。
そのために太陽光発電や電気をためる蓄(ちく)電池の開発が進められているよ。