グラファイト[Curo]
厚みが変わると、持ち味も変わります。
「グラファイト」とは?
熱伝導性や耐熱性、引張強度がとても強い「炭素材料」ですが、活用は焼結材や繊維材としての領域にとどまっていました。
そこで、結晶性を保ったまま硬いものから柔らかいものまでコントロールする技術を開発し、モバイル機器の熱拡散材としての市場を開拓しました。
厚みで持ち味が変わるグラファイト「Curo(キューロ)」は、無限の可能性を秘めています。
グラファイトの特長
グラファイトの強み
- 結晶性を保ったまま、硬いものから柔らかいものまでコントロールできる
- 結晶性を保ったまま、粉、シート、ブロックを作れる
- 反発性、磁石上での浮上、電波吸収、金属との複合化特性の発現と広い応用力
開発のきっかけ
導電性樹脂の研究開発中に偶然発見
「樹脂に電気が流れれば、静電気も溜まらなくて画期的なんじゃないか…」30数年前、そんなひらめきから導電性樹脂の研究開発がスタート。そのプロセスの途中で、樹脂から結晶性の高い炭素材「グラファイト」ができることを偶然、発見。柔らかさをコントロールする方法も見つけました。
ノートPCや小型人工衛星の熱伝導材として普及
シート化されたパナソニックグループのグラファイトはノートPCやスマートフォンの熱対策に大きく貢献。小惑星探査機「はやぶさ」や小型人工衛星にも熱伝導材として採用されるなど、熱拡散材としての市場を一気に拡大した。
展開事例
テクニクススピーカーのツイータ用振動板
「高弾性」と「高減衰性」を合わせもつグラファイトが、豊かな高温とキレのある音で繊細な表現を可能にします。
X線・中性子線用波長フィルター
パナソニックグループならではの高結晶性の均質なクオリティは、高い評価を得ています。
ヒートシンク(開発品)
アルミフィン比で枚数を半減可能。放熱部材として機器の小型化が期待できます。
試してみたいアイデア
走りのいいミニ四駆
電池、エンジン部分で優れた熱拡散効果を発揮します。
高弾性や反磁性を活かしたグッズ
高弾性を活かした「すごく高く跳べるシューズ」や、磁石に浮かぶ反磁性を応用したグッズなど、さまざまな可能性を模索中です。
これまでの失敗事例
アイスクリームスプーン
体温が伝わってちょうどいい感じにアイスが溶けるかと思いきや、くぼみの成形が難しく、アイスが滑って落ちてしまうことに。
涼感ベスト
警察官を想定し、下部に保冷剤を入れ、熱伝導体で胴体部に冷感を伝えるようにしましたが、最初は異常に冷たく、身体を動かすと、蒸れて暑くなってしまいました。
ぽかぽかスキーウェア
ヒーターと組み入れたが、着脱時の強度不足で不採用。縫製を改善すれば、展開の可能性も。