海が汚(よご)れると生き物はどうなってしまうの?
世界の海が今、汚染(おせん)の危機(きき)にさらされている。どうして海が汚れてしまうんだろう。その原因(げんいん)にはさまざまなものがあるよ。
■工場や排水(はいすい)
工場からの排水や、家庭から出る下水は、海を汚す大きな原因だ。排水は川や地下水となってしみこみ、最後は海に流れこむ。また化学肥料(ひりょう)や殺虫剤(さっちゅうざい)など化学物質(ぶっしつ)も、海を汚して生き物に深刻(しんこく)な影響(えいきょう)を与えてしまう。
■原油
石油が海に流れ込(こ)むと、海水面をおおって多くの生物が死んでしまう。タンカー事故(じこ)で一度に大量の原油が流れると、その海の周辺は汚れてたいへんなことになる。
■ゴミ
石油から作られるプラスチックなどのゴミは、いつまでも分解(ぶんかい)せず海を汚す原因になる。また、えさとまちがえて食べて、生き物が死んでしまう。
海が汚れることで、あらゆる生き物が命の危険(きけん)にさらされてしまうんだね。でも、それだけではない。汚染された生き物を、また別の生き物が食べることで、汚染物質は体の中に濃縮(のうしゅく)されてしまうんだ。それをまた別の生き物が食べると、さらに汚染物質が体の中にたまっていく。こうした食物連鎖(しょくもつれんさ)の頂点(ちょうてん)にあるのが、人間だ。人が海を汚していると、最後には人に返ってくるんだよ。