炭を燃(も)やしても煙(けむり)や炎(ほのお)は出ないの?
木炭と石炭 炭ってどんなものか、知っているかな。炭は木から作られたもので、昔はよく燃料(ねんりょう)などに使われていたんだよ。木を並(なら)べて、その上に小枝(こえだ)や土をかぶせて火をつけ、むし焼きにすると、黒い炭ができる。木にはもともと、タールという油のような物質(ぶっしつ)や水分などが含(ふく)まれているけれど、むし焼きにすると出ていってしまい、炭になる。木が炭になると、ほとんどが炭素(たんそ)という物質(ぶっしつ)だけになってしまうので、その分だけ、軽くなっているよ。
炭素には、数百度という高い温度で燃えるという性質(せいしつ)がある。炭素が酸素(さんそ)と結びつくと、炭全体がまっ赤になって燃える。だけど燃える気体が出ず、めらめらとした炎はほとんど出ないんだ。煙もほとんど出ないから、家の中が煙たくなったり、すすでまっ黒になったりすることがあまりない。そこで昔は、家で煮炊(にた)きものをしたり、部屋を暖(あたた)めたりするのによく使われていたよ。
石炭は、大昔の植物が地中の深くに埋(う)まって炭化したものだ。石油が使われるようになる前は、蒸気機関車(じょうききかんしゃ)やストーブの暖房(だんぼう)などに、よく使われていたんだよ。