信頼性 Reliability Evalution

【振動】現地で揺らされて実感!輸送振動データ解析!(インド編)

2020年2月4日

信頼性ソリューション部の浅野です。

今回は、先日インドへ出張してくれた大田黒さんにインタビューしましたので紹介します。

浅野:

何をしてきましたか?

大田黒:

AP社がインド国内で製造販売しているホーム・アプライアンス製品の輸送振動評価方法を開発するため、現地の輸送振動データ計測を実施してきました。

浅野:

輸送振動評価って何ですか?

大田黒:

工場で製造された製品は、トラックで陸上輸送されて各倉庫等を経由し、最終的にお客様のお手元に届くのですが、その間に沢山の振動衝撃が負荷されることで、製品に不具合が生じる可能性があります。
このような輸送中のトラブルを未然に防止するために、輸送中に想定される振動ストレスを負荷させる評価のことですが実環境に適合した製品開発と包装設計を支援するために大切な位置づけになります。

浅野:

なるほど!確かに、目的地まで製品を運んだ後に箱が凹んでいたり、中身が壊れていた、とかでは困りますよね。でも何故、わざわざ現地まで行って輸送振動データを計測する必要があるの?

大田黒:

インドは日本と比較して道路の舗装が不十分な部分が多いため、より厳しい物流環境に適合した輸送振動評価の基準化を進めなくてはいけません。そのためには、リアルな輸送環境データに基づき、実際の物流環境にマッチした輸送振動評価方法の開発が必要になるんです。

浅野:

確かに、振動、温度、湿度など国や地域によって全く違うので、それぞれの環境を実験室で模擬することが、製品の品質担保にとって非常に大切な取り組みなのですね。
インドの物流環境は日本国内では想像出来ないぐらい過酷なのでしょう。

大田黒:

やっぱり実際に行ってみないと分からない事って沢山ありますね。
私自身も普段は乗り物酔いはしないのですが、長時間の悪路走行と、やや荒めの運転、クラクションの連続もあって、今回初めて車酔いしたぐらいです。船酔いもしたことなかったので驚きました。
やっぱり現地特有の試験条件が必要だと改めて実感しました。

インド国内の振動・衝撃
日本国内の振動・衝撃

輸送環境のイメージ

浅野:

なんだか出発前から大変な様子だったけど?

大田黒:

海外での現場計測作業は、事前に現場の詳細情報を把握しきれていなかったり、普段使っている身近な工具や備品等が簡単に調達出来ないので、ありとあらゆる想定外のトラブルにも対応するための事前準備が大変でしたね。
計測機器はもちろんですが、計測に必要な各種関連備品の準備には結構時間を費やして慎重に進めました。
現地のメンバーと連絡を取りながらトラブルを想定し、その時の対応をイメトレしていました。

浅野:

慣れない現場での作業は大変そうですね。計測は上手くいったのですか?

大田黒:

APIN(Appliance Company India)ローカルメンバーの方々を始め、現地の皆さんの多大なご協力のお陰で無事に有益なデータを取得する事が出来ました。
私が作業している時も皆さん興味津々といった雰囲気で見守って下っていました。
新しい技術を吸収しようという熱意を感じましたね。
ご協力いただいた方々のためにも少しでも質の高いアウトプットを出して貢献していきたいなと感じました。

計測したトラック
計測機器の設置

浅野:

言葉は通じなくても、パナソニックの仲間として同じ目標に向かって仕事を進めるのはやりがいがあるでしょうね。

大田黒:

そうですね。ただ、私は英語が苦手なので、今回の出張をきっかけに真剣に英語の勉強に取り組もうと思いました。
今回はプロダクト解析センターの海外拠点で活躍されていた企画管理部の高田さんに同行して頂いたので、ローカルメンバーとの打ち合わせを始め、しっかりサポートしていただき、不安はありませんでした。
ですが、やはり自分でも少しでも英語が話せないと何も出来ない事を痛感しましたし、ローカルの方々と簡単な英語でもコミュケーションを取る事が出来れば本当に楽しいだろうなと感じました。

浅野:

今回はAPIN以外に現地の社外評価機関にも見学に行かれたんですよね?

大田黒:

はい。将来的には、開発した評価を現地で実施できることがベストですので、グローバルに各産業分野における検査や試験、公的機関により定められた規格の認証などを行っており、世界有数の規模を持たれているビューローベリタス社(Bureau Veritas S.A.)のインド拠点にお邪魔してきました。
振動評価だけでなく、これまで見た事がない設備メーカーの評価設備や多彩な評価技術のご説明をいただき、とても勉強になりました。今後もぜひ連携させていただければと思います。

Bureau Veritas
皆さんとの集合写真

浅野:

今回、インドは初めてだったらしいですが、楽しめましたか?

大田黒:

そうですね。これまでの人生で4回渡航したのですが、そのうちの3回は出張で行かせていただきました。
あまり自分から進んで海外に行く機会は無いので、今回のインド出張も含め、海外出張はいつも新鮮で様々な事が経験出来てありがたいです。
移動中の車内から外を眺めていたら、道路に牛の大群が現れたのですが、インドにおいて、牛は神聖な存在として大切にされているので、人や車よりも牛の通行が優先されていたのが印象的でしたね。牛肉は食べられない方がほとんどだと聞きました。

道路を歩く牛の大群

浅野:

私にとっては、なかなかの試練ですね(笑)
インドへ出張することで、何か気をつけていた事とかはありましたか?
インドというと、やはり衛生面が少し心配になるけど、お腹は壊さなかった?

大田黒:

今回は、現場での計測作業がメインだったので、慣れない食事や環境で体をこわさないように、体調管理には人一倍気をつけていました。水だけでなく、食事もインスタント食品や缶詰を日本から持ち込んで食べていましたね。
“絶対失敗出来ない”という事を自分に言い聞かせて、プレッシャーをかけて取り組んでいました。

浅野:

なかなかストイックですね。さすがは大田黒さん!

大田黒:

慣れない海外にびびっていただけで、そんなことありませんよ(笑)
これから持ち帰ってきたデータを解析して、引き続き、AP社にとって有益なアウトプットを提出出来るように努めたいと思います!  
  

異なる文化や環境など、普段とは違った変化を楽しむ?ことができたようですね。これも海外出張の醍醐味ですね!

プロダクト解析センターでは、現地指導も含め、実環境に即した評価技術開発にも力を入れています。
こんな評価技術を開発したいなどありましたら、ぜひ一度ご相談ください。今後ともよろしくお願い致します。

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