衆知を集める
会社の経営はやはり衆知によらなければいけません。何といっても、全員が経営に思いをいたさなければ、決してその会社はうまくいかないと思うのです。社長がいかに鋭い、卓抜な手腕、力量を持っていたとしても、多くの人の意見を聞かずして、自分一人だけの裁断で事を決することは、会社の経営を過つもとだと思います。
世間一般では、非常にすぐれた一人の人がワンマンで経営すれば、事がうまくいくということをよく言いますが、社長一人で事を遂行することはできませんし、たとえできても、それは失敗に終わるだろうと思います。やはり全員の総意によって、いかになすべきかを考えねばならないと思うのです。
出典:『わが経営を語る』