パナソニックグループは、事業に必要なリソースはすべて社会からお預かりしている「社会の公器」という認識に立ち、地域社会と対話をしながら事業活動を推進しています。
事業進出・撤退の際は、現地政府や住民との対話、環境などへの影響度評価を行い、地域社会への貢献と、マイナス影響の最小化に努めています。
また、事業活動とともに、地域社会の一員として企業市民活動を積極的に推進し、企業と地域がともに発展していくことに努めています。
方針
当社は「物と心が共に豊かな理想の社会の実現」を目指し、社会課題解決と新たな社会価値創造に取り組んでいます。企業市民活動の推進にあたっては、SDGsの目標1でもあり、創業当初から取り組んでいる「貧困の解消」と、世界全体の喫緊の課題である「環境(問題)」、さらに課題解決のベースとなる「人材の育成(学び支援)」を重点テーマに設定しています。
従業員の積極的な参画を促すとともに、私たちの製品や技術、モノづくりで培ったノウハウやリソースを活かし、ステークホルダーの皆様と協働しながら、社会課題の解決やサステナブルな共生社会の実現に貢献したいと考えています。
責任者・体制
企業市民活動の責任者は、企業市民活動担当の執行役員です(2026年4月現在)。パナソニック ホールディングス(株)(以下、PHD)企業市民活動担当室がグループ全体の戦略立案を行い、事業会社などとともに活動を推進しています。各事業会社には企業市民活動担当者を設置し、各社・各地域の実態に合わせた活動を展開しています。それらの活動については「企業市民活動ニュース」にてグループCEO以下、関連する取締役・役員、世界各地域の企業市民活動担当者に共有しています。
従業員の参画とそれを支える制度
従業員が社会課題への関心や解決への意欲を高め、実際に行動することは、事業活動を行っていく上でも、企業市民活動を推進する上でも非常に重要です。
当社グループでは、従業員の社会貢献活動の意識や実態を把握する調査を行っています。
2025年度の調査では、回答者の44%が何らかの社会貢献活動に取り組んでいることが分かりました。特に、多くの従業員がリサイクルや清掃などの環境活動や金銭・物品による寄付に取り組んでいます。
また、これらの調査結果を踏まえ、従業員が関心を持って気軽に参加できる機会を設けています。以下に、特徴的な活動を記載します。
▪従業員の社会参画を促進する活動
みんなで“AKARI”アクション
社員の福利厚生サービスのカフェテリアポイントや、古本・DVDなどのリサイクル品の寄贈などで集めた資金で、無電化地域にソーラーランタンを届ける寄付活動です。2025年度は延べ449人の社員がカフェテリアポイント寄付に参加し、一般の方も含め、32,366点のリサイクル品が集まり、2,538台を寄贈しました。この活動は、2009年に会社の寄贈からスタートし、これまでに36か国に約13万台を届けてきました。
パナソニックエコリレー・フォー・サステナブル・アース
持続可能な地球環境と社会づくりへの貢献を目指し、30年以上にわたり世界各地の従業員が、地域の方々や子どもたち、家族と一体となって取り組む環境保全活動です。このエコリレー活動は当社グループ長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」の+INFLUENCEに位置づけられ、2025 年度はグローバル延べ91拠点で、清掃活動や植樹など様々な活動を行いました。また、2025年からは、陸の生態系より多くのCO2を吸収すると言われている海洋生態系の保全や啓発に取り組む「Act for BLUE CARBON」を開始しました。世界各地で藻場再生やマングローブ植樹などに取り組み、CO2削減や生物多様性保全への貢献を目指しています。
社員食堂でのサステナブル・シーフード※1の提供(日本)
当社グループは、日本で初めてサステナブル・シーフードを継続的に社員食堂へ導入した企業です。2018年3月に2拠点からスタートしたこの取り組みは、日本国内累計57拠点で展開し、延べ16万3千食以上が喫食されています(2026年3月末時点)。食堂での喫食を通じて、危機的状況にある世界の水産資源への関心を高め、消費行動の変革を促し、周囲への影響拡大を目指します。
※1 持続可能な生産(漁獲・養殖) に加え、加工・流通・販売過程における管理やトレーサビリティの確保について認証を取得しているシーフード
福島『復興』応援アクション(日本)
社員食堂における福島県産の農畜水産品を用いたメニュー提供や、福島県産品を販売する「ふくしまマルシェ」の開催、福島県庁職員の方などを講師に招いた従業員向け講演会による啓発活動を通して、従業員が福島の現状への理解を深め、復興を応援する取り組みです。社員食堂でのメニュー提供は、2022年1月から開始し、2026年3月末時点で累計25拠点へ拡がり、ふくしまマルシェは累計14拠点で延べ35回開催しています。また、マルシェの取り組みは、滋賀県草津拠点の地域開放イベントや大阪府門真市との連携イベントでも開催し、地域の方々へ取り組みの輪を広げています。
災害ボランティア活動(日本)
近年頻発する自然災害を踏まえ、災害発生時に自主的に活動できる人材の育成に取り組んでいます。その一つが、被災地支援の在り方や現場で求められる心構え、具体的な行動について学ぶ「災害ボランティア育成講座」の開催です。一般の方にも役立てていただけるよう、講座の内容をコンパクトにまとめた動画を公開しており、それらの視聴も含めると、これまでに延べ約9,000名が受講しました。また、2024年の能登半島地震および豪雨で被災した石川県珠洲市・七尾市・輪島市の復旧・復興支援活動には、延べ45名の従業員が参加し、地域に寄り添った支援に取り組みました。
ボランティア活動の紹介・機会の提供
グループ各拠点が主体となり、各地域・事業会社の特性にあわせて様々なボランティア活動を展開しています。例えば、北米では従業員ボランティアプログラムを用意し、「Month of Service」(ボランティア月間) を設けるなど、従業員によるボランティア活動を奨励しています。中国では、国内の様々な拠点が同じ時間に、同じテーマのボランティア活動を行う「在華地域統一グループボランティア活動」を年に数回企画しています。さらに日本では、NPO団体等が主催するボランティア情報を従業員向けに紹介しており、これを通じて、従業員はプロボノ活動や環境ボランティアなどへ参画しました。
学びの場の提供(日本)
社会課題への関心や解決の意欲を高めるため、多様なゲスト講師を招いての従業員向け社会課題講演会「Social Good Meetup」(SGM)を開催し、2025年度は延べ317名の従業員が参加しました。
▪社員参画を支える人事制度
日本国内主要グループ会社の事例
◇ボランティア活動へ参画するための柔軟な働き方
ボランティア活動への参画や挑戦を後押しするため、多様な働き方の選択肢を拡充しています。具体的には、ボランティアと仕事の両立を可能とする短時間・短日勤務制度や、ボランティア活動への参加を目的とした最長1年間(青年海外協力隊に参加する場合は必要期間)の休業制度があります。その他、節目年齢で付与される10日の「チャレンジ休暇」や、年次有給休暇25日のうち5日間をボランティア目的で取得する場合には、会社として連続取得を配慮するなど、各種休暇を活用したボランティア参画も促進しています。
◇社内有志活動の実践と表彰
当社グループでは、所属会社や職位に関係なく、共通の関心や課題感を持つ社員が自発的にコミュニティを形成し、多彩な活動を展開しています(従業員リソースグループ(ERG))。こうした社員の自発的な取り組みを支援し、その認知を高めるためにグループCEO表彰に「クロスUNLOCK賞」を設けています。過去には「聞こえない人と聞こえる人が働きやすい職場づくり」の活動や「事業場構内のアクセシビリティマップづくり」の協働など、多様な一人ひとりが個性を発揮するための組織風土活性化に寄与した功績が表彰されました。その他、社員の社会貢献活動への積極的・継続的な参画を評価するべく社会貢献賞も設けています。
北米の事例
各自が地域社会への貢献ができるよう、就業時間の中から年に最大5日分をボランティア活動に充てることができる制度を設けています。さらに各事業拠点での活動をコーディネートするなど、従業員のボランティア活動への参画を奨励しています。
欧州の事例
従業員の社会参加をさらに奨励するため、欧州の一部のグループ会社では、年に最大16時間の有給休暇をボランティアのために取得することが可能です。
企業市民活動の評価
主な活動に対し、その特性に合わせた効果測定を行っています。
▪LIGHT UP THE FUTURE
無電化地域にあかりを届ける「LIGHT UP THE FUTURE」プロジェクトでは、ソーラーランタンの寄贈や現地での支援プログラムを通して、「教育」「健康」「収入向上」の機会創出を目指しています。寄贈や支援はNGO/NPOや国際機関など様々なパートナーと連携して実施しており、その効果検証を行っています。一例として国際協力機構(JICA)による調査結果は以下の通りです。
<JICAによるケニアでの調査結果(2025年)>
- 女性たちの夜間の活動時間が平均で3時間増加し、読み書きの勉強や子どもたちとの対話、内職のビーズ細工に充てる時間を確保できるようになりました。
- 夜間の内職や市場の営業が可能となり、家庭の収入が向上しました。また、ソーラーランタンにより携帯電話の充電代やケロシンランプの灯油代が不要となったことで、食費や子どもたちのために使うことのできる費用が増加し、子どもの健康状態が向上しました。また、貯蓄もできるようになり家計が改善しました。
- さらに、女性の家事労働の効率化が進み、家庭内での衝突やDVリスクが軽減されるなど、女性の精神的安心感や家庭内の福祉環境の改善といった副次的な効果も確認されています。
▪Panasonic NPO/NGOサポートファンド for SDGs
NPO/NGOの組織基盤強化を支援する「Panasonic NPO/NGO サポートファンド for SDGs」では、助成事業終了から一定期間経過後に助成先のフォローアップ調査を行い、組織基盤強化の有効性について第三者が定量的・定性的な評価を実施しています。
2025年には、助成期間終了後1年半が経過した8団体(海外助成3団体、国内助成5団体)および、助成期間終了後3年半以上が経過した12団体(海外助成5団体、国内助成7団体)を対象にフォローアップ調査を行いました。助成後1年半が経過した8団体への調査では、助成実施前と比べて財政規模は全ての団体で拡大、総収入の増加率は平均で79%となりました。本プログラムを通じて組織基盤強化に取り組むことで6団体が組織の課題が目標の80%以上解決されたと回答しました。一方、助成後3年半以上が経過した12団体への調査では、助成実施前と比べて総収入の増加率は平均で161%と非常に高い結果となりました。さらに、11団体が組織の課題が目標の80%以上解決されたと回答しました。これらの結果から、組織基盤強化の取り組みは助成終了後も時間をかけて成果が現れ、年数が経過するほど、組織運営上の課題の解決度が高まる傾向が確認されました。
▪外部評価・受賞等
最近の主な受賞および外部からの評価は以下の通りです。
■Enterprise Asia 主催 Asia Responsible Enterprise Awards 2026 Social Empowerment 部門
パナソニックホールディングス(株)無電化地域にあかりを届ける「LIGHT UP THE FUTURE」の取り組み
■India Green Awards 主催 the Green Awards 2026
Panasonic Life Solutions India Pvt. Ltd. ‘Panasonic Harit Umang Programme’
■TABLE FOR TWO プラチナパートナー認定(13 年連続)
パナソニックグループ 途上国に給食を届ける活動
■経済産業省主催 第14回キャリア教育アワード 大賞
パナソニックホールディングス(株)キャリア教育プログラム「私の行き方発見プログラム」
■東京ボランティア・市民活動センター主催 第10回企業ボランティア・アワード 特別賞
パナソニックグループ 従業員による災害ボランティア活動