好況よし、不況さらによし

好況時には、少々の不勉強であっても、サービスが不十分であっても、まあどこでも注文してくれます。だから経営の良否というのはそう吟味されなくてすみます。
ところが不景気になってくると、買うほうは、十分に吟味して買う余裕ができてきます。そこで、商品が吟味され、経営が吟味され、経営者が吟味されて、そして事が決せられることになるわけです。ですから、非常にいい経営のもとに、いい人が育っている会社や店は、好景気にはもちろん結構ですが、不景気にさらに伸びるということになる。そのことを事業にたずさわる者としては、日ごろ常に心にとめておかなければならないと思います。

出典:『道は無限にある』