サーモプラント

リスーピアの「サーモプラント」では見えない熱の移動を見ることができ、自分の身体の熱や、金属の材質による熱の移動速度の違いを確認できます。

熱の移動する仕組みや速度を学んでみよう!

原理・法則

熱伝導とサーモカメラ

熱伝導とサーモカメラ 熱伝導とサーモカメラ

熱には一つの物体内に温度の差が発生すると、温度の高いところから低いところへ伝わっていく性質があります。これを熱伝導といいます。熱伝導には、熱は温度差が大きい程伝わりやすいという性質があります。
サーモカメラで見ると、同じ熱を加えても物によって温度が違うことが分かります。物質毎に熱の伝わり方が異なるのです。この違いを数値化したものを熱伝導率といいます。

物質の熱伝導率

物質の熱伝導率

熱伝導率は、一定の時間に一定の面積を流れる熱量(面積に垂直に流れる熱が対象となります)を、一定の長さ当りの温度差で割った値で示します。
熱が等しく加わっている時全ての物質の温度は同じなのですが、触ってみると熱く感じたり冷たく感じたりします。
これは熱伝導率の違いによるもので、熱伝導率が高い、すなわち熱の移動速度が速い程感覚器官を刺激するからと考えられています。

身近な事例(1)

炊飯器の仕組み

炊飯器の仕組み 炊飯器の仕組み

ご飯をおいしく炊くためには、前炊き時の充分な吸水、強い火力での炊き上げ、充分な沸騰の維持、高温での追い炊き、そして充分な蒸らしが必要です。
高温スチーム加熱方式は、前半でお米のでんぷん化を促し、追い炊き以降で焦げを防止しつつ余分な水分をとばし艶を出すことが可能です。釜にはステンレスを上回る発熱性と、13倍の熱伝導率を持つ銅を加工した内面に、従来のフッ素樹脂の約7700倍の熱伝導率があり、最も熱伝導率の高いダイヤモンド微粒子をコーティングすることにより米一粒一粒に均一に熱を伝えることができます。

空気の熱伝導率

空気の熱伝導率 空気の熱伝導率

空気の熱伝導率は、0.0241と非常に小さいので、熱の伝わりにくさを利用し断熱材として利用されています。
飛行機の窓は、2枚の強化ガラスの間に乾燥した空気が密閉されています。飛行機が13,000mの高さを飛行する時、外気温はおよそマイナス62度という超低温になります。この外気の影響を受けないようにするために、空気の断熱効果を利用した窓が作られたというわけです。
乾いた空気は熱伝導率が低いため、空気が乾燥している砂漠などの地域は温度上昇しても湿度の高い日本より不快指数が低いのです。

身近な事例(2)

発泡スチロールとスチロール

カップラーメンなどでおなじみの発泡スチロール、中身は熱々なのに持っても熱くないのはなぜでしょう。

発泡スチロールとスチロール 発泡スチロールとスチロール

発泡スチロールの熱伝導率は0.032と非常に低いのです。発泡スチロールとは、スチロール(プラスチック)に細かい空気の泡を含んだものです。
スチロールの熱伝導率は、種類によって異なりますが、2.39~25.1という高い数値です。
スチロールに、最も熱伝導率の低い空気を盛り込むことで、発泡スチロールは高い断熱効果を得ているのです。