ゾートロープ
じっと見ていたイラストからから目を離すと、少しだけまぶたの裏にイラストが見えるといった経験はありますか?
この現象は残像効果といい、テレビやアニメなどで利用されています。
人は見たものを数分の1秒間記憶しており、この間に次の絵を見るとつながっているように見えるのです。
パナソニック クリエイティブ ミュージアム「AkeruE(アケルエ)」では、リスーピアの「ゾートロープ」展示をアップサイクルし、「アイデアタワー」として展示しています。
原理・法則
人間の眼の仕組み
眼球にはフィルターの役割をする角膜とレンズの役割をする水晶体があり、角膜から入った光の量を瞳孔で、水晶体の中での屈折を毛様体で調節して、鮮明な像を網膜の上に照らします。網膜は受像したものを信号に変換し、視神経から脳に伝え、像を視覚として認識します。暗い所ではロドプシンという細胞が、光の刺激を受けるとすぐに分解され、再び作られます。分解・再合成の繰り返しが光の情報を信号に変換、脳に伝達されて視覚が得られます。
残像効果とサブリミナル効果
人間の視覚には、光の刺激を受けた後一定時間受けた像が焼きつけられているという特徴があります。これを残像効果といいます。
太陽を見てから目をつむった時、まぶたの裏に太陽が見えているように感じるのもこの効果ですし、皆さんが一度は教科書の隅に書いただろうパラパラマンガの楽しさも残像効果によるものです。
私たちが意識できない「無意識」と呼ばれるところに刺激を与えると起こるといわれている効果をサブリミナル効果といいます。
映像には見えない程の速さの画像を、音声には聞こえない程の小さい音を何度も間に挟むことで、見聞きした人が間に挟まれた画像や音に関連する商品を買いたくなるという効果をいいますが、科学的に証明されてはいません。
右のアニメーションで、左下に一瞬「Panasonic」の文字が見えますが、これがサブリミナル効果の一例です。
身近な事例(1)
走査線の仕組み
TV放送が開始された当初は、プログレッシブという技術がなく、画像の品質を落とさずに見た目の自然な動きを保つ工夫としてインターレースが考案されました。この技術こそ残像効果を活用した優れものといえるでしょう。通常のTVは1秒間に60枚の静止画で作られています。1画面は525本の横線で構成されており、この横線を走査線といいます。
インターレース方式では、1枚目を奇数の走査線、2枚目を偶数の走査線と交互に半分ずつ、1秒当り30回画面を描き換えています。地上波デジタル放送も始まり、ハイビジョンTVが普及してきた現在、ハイビジョン放送ではプログレッシブ方式が主流になっています。この方式では、交互に表示するのではなく上から下に一気に走査して画面を表示しますので1秒当り60回の書換えが可能です。
身近な事例(2)
アニメーションの歴史
1888年、エジソンはゾートロープを改良し、ストーリー性を持たせた電気的自動「動く風景」再生装置を制作しました。
これが、動画・アニメーションの原点となります。
その翌年、コダック社などが開発した長いフィルムを活用するようになってから、動画は大きな進歩を遂げ、映画として発展することとなります。
アニメーションの作り方
アニメーションの作り方を見てみよう!