トースターやアイロンはどうして熱くなるのかな?

トースター、アイロン、こたつ、ドライヤーなど。熱を出す道具は、一体どうやって熱を出しているんだろう?

まず、ものに電気が流れる仕組みから説明するね。そのためには、原子や自由電子というものの話から。
あらゆる物質は原子という小さい粒でできているんだよ。原子の中心にはプラスの電気を持つ原子核があり、原子核のまわりにはマイナスの電気を持つ電子があって、原子核と電子の数は等しいので、原子全体としては中性で電気を帯びていない状態なんだ。ところが金属の場合は原子が金属結晶という密な結晶をつくっていて、原子の一番外側の電子が一つの原子にしばられることなく金属全体の中を移動することができるんだ。これらの電子を自由電子と呼んでいるよ。金属に電圧をかけると自由電子が移動して電流となる。金属に電流が流れるのは、この自由電子が存在するからなんだ。
そして、トースターやアイロンなど熱を出す電気製品には、ニクロム線という電気を流しにくい金属の線が入っている。ニクロム線に電圧を加えると、ニクロム線内部で自由電子と原子がぶつかることによって生じる振動で、ニクロム線が発熱する。それで、トースターの熱でパンを焼けたり、アイロンの熱でシャツの生地のシワをまっすぐにのばしたりできるんだよ。