多様な人材・組織のポテンシャルの最大発揮※1
(方針/責任者・体制等)
パナソニックグループは、社員※2 一人ひとりの個性が尊重され、安全に安心して健康的に働くことができる職場環境を整備し、不当な処遇、差別、偏見などによって権利や機会を侵害するリスクを排除することで、幸せと働きがいの実現に取り組んでいます。
- ※1 DEIや多様性に関する記載は、日本地域のPHD、PEXおよび事業会社と関係会社および一部地域の方針、施策及び指標等を示すものであり、米国地域は対象外です。米国地域における雇用上の取扱いは、適用法令その他の要件に従って運用されています。
- ※2 社員: パナソニックグループ会社と雇用関係にある社員、嘱託等およびその指揮命令を受けて業務に従事する派遣社員・出向社員およびパナソニックグループ会社の取締役、執行役員、参与、フェロー、監査役、特別顧問および顧問の総称をいいます。なお、一部の人事諸制度等の適用対象は主要会社と雇用関係にある社員を指しています。
方針
当社グループの創業者 松下幸之助は、「物をつくる前に人をつくる」という考えのもと、人を育て、人を活かすことに重きを置いた経営を進めてきました。その根底には「人間はダイヤモンドの原石であり、磨き方次第で異なる輝きを放つ」という思想があります。この考え方は、人の能力は固定するものではなく、経験や挑戦を通じて成長し続けることができるという、いわゆるグロースマインドセットの考え方に通じるものです。
私たちはそのDNAを受け継ぎ、経営基本方針という揺るぎない経営の軸の下で、社会からお預かりした大切な資本である人が活きる人的資本経営を実践します。
責任者・体制
パナソニック ホールディングス(株)(以下、PHD)およびグループ共通の人事戦略を構築・推進する責任者は、グループ・チーフ・ヒューマン・リソース・オフィサー(グループCHRO)の執行役員です。PHD の戦略人事部がグループ横断の戦略を企画・立案し、事業会社および傘下の事業部に設置された人事部門は各事業会社の戦略の企画・立案、日常的な管理責任を担当しています。
2022年4月からの持株会社制のもと、各事業会社は自主責任経営を徹底し、向き合う業界、顧客、競合に対して最適な事業体制の構築を図っています。人材の獲得、報酬や評価制度のあり方、組織開発、人材開発の推進といった人事戦略の立案と遂行も、各事業会社が責任を負います。PHDはガバナンスとステークホルダーエンゲージメントの観点から、パナソニック オペレーショナルエクセレンス(株)(以下、PEX)はソリューション提供によるグループ競争力強化の観点から、それぞれ事業会社を支える役割を担います。
グループCHROのガバナンスとは「安全・労働コンプライアンス・人権尊重」、「経営基本方針の浸透」、「グループ共通人事戦略」の見届けを行うことです。このために、グループCHROは各事業会社CHROとの1on1 Meetingを実施し、かつ各事業会社のCHROより各事業会社の取締役会に報告される人事戦略の内容を確認しています。さらに、PHD取締役会でグループ共通の人事戦略について報告し活発な議論を行っています。
人的資本経営の目指す姿
当社グループは「物と心が共に豊かな理想の社会」という使命達成に向け、その時代ごとの様々な社会課題に向き合ってまいりました。2032年に向けたグループ成長戦略においては、「エネルギーの有効活用」と「現場労働力不足の解消」の社会課題に向き合ってまいります。そして2028年度には、AIインフラを支える事業がけん引して調整後営業利益で7,500億円以上を達成し、2029年度以降は社会オペレーションを支える事業での更なるグループの成長を目指します。
この成長戦略を実行するために、私たちは社員一人ひとりのポテンシャルをUNLOCK(解放)し、最大限発揮し成長できる会社を目指しています。これは前述した経営基本方針を高いレベルで実践している状態に他なりません。この実現に向けた進捗を可視化する独自の「UNLOCK指標」を設定し、グローバル60%(2028年度)を目標として掲げています。
人材と組織に関する課題
▪高い競争力を有する強靭な人材ポートフォリオの実現
2025年度は他社と比較して高い水準であった固定費構造改革をグループの成長に向けた大きな課題と位置づけました。後述する人員の適正化等を通じて経営体質の強化を図りましたが、変化の激しい事業環境において今後も継続的にリーンな経営体質を維持・強化する必要があります。その上で、成長戦略の実現に向けては次のような人材ポートフォリオの変革も必要です。
ソリューション領域 | 社会オペレーションを支える事業において労働力不足やエネルギー問題を課題とするビジネスのお客様に対し、持続的な価値創出を図ることが求められるため、ソリューションを提供できる人材の確保が不可欠 |
|---|---|
デバイス領域 | 業界の進化を先読みした商品提案を行うことで、AIインフラに関連するお客様に貢献することが求められるため、高度な材料・プロセス技術をもつ人材の確保が不可欠 |
▪一人ひとりのポテンシャルを最大限発揮できる組織の実現
必要なポテンシャルをもつ人材を確保しても、それを最大限発揮できる環境がなければ事業の成長に活かすことができません。当社グループでは、毎年グローバル約15万人の社員を対象に従業員意識調査を実施しています。2024年度まで特に重視してきたのは、「社員エンゲージメント」(自発的な貢献意欲)と「社員を活かす環境」(適材適所、働きやすい環境)に関する設問群です。肯定回答率は継続的に上昇傾向にありましたが、計9つの設問のうち「会社や上司により挑戦意欲が高まる」と「挑戦への阻害要因がない」という項目についてはスコアが低迷していました。
これは、社員一人ひとりのポテンシャルをUNLOCK(解放)し、最大限発揮し成長できる会社に向けた重要な課題です。そこで、これら2問がともに肯定回答の割合をUNLOCK指標とし、関連するその他5設問のスコアとともにモニタリングしながら向上を図っています。
重要指標
当社グループの人的資本の取り組みを説明する上で中核となる指標として、基盤マテリアリティである「多様な人材・組織のポテンシャルの最大発揮」に紐づく指標(UNLOCK指標、経営チームにおける多様性比率、女性管理職比率、重篤災害・重大災害の発生、生産性指標)を設定しています。
これらの指標を用いて、前述のグループタレントマネジメントコミッティやグループDEI推進委員会等の会議体にて人材戦略の進捗を継続的にモニタリングするとともに取締役会等が適切に監督しています。
「多様な人材・組織のポテンシャルの最大発揮」に関するマテリアリティと指標
マテリアリティ | 目指す姿 | 指標 | 現状 | 目標 | |
|---|---|---|---|---|---|
組織カルチャー変革 | 社員一人ひとりのポテンシャルをUNLOCK(解放)し、最大限発揮し成長できる会社 | UNLOCK指標※3 | 従業員意識調査の設問「会社や上司からの動機付けによる意欲向上」「挑戦への阻害要因がない」がともに肯定回答の割合(グローバル) | 43% | 2028年度:60% |
未来を創る変革型リーダーの開発・登用 | 変革型リーダーによる質の高い意思決定の実現 | 経営チームにおける多様性比率※5 | PHD執行役員の多様性(女性・日本以外の国籍・キャリア入社)の割合 | 55% | 半数以上 |
女性管理職比率※6 | 管理職に占める女性の割合(日本地域) | 8.3% | 2028年4月:12% | ||
安心・安全・健康な職場づくり | 事業活動の大前提としての安全・安心・健康な環境の実現 | 重篤災害・重大災害の発生 | 死亡災害および身体に障害が残る重篤災害、同時に3名以上が被災する重大災害の発生件数 | 8件 | 0件 |
- ※3 従業員意識調査の設問「会社や上司により挑戦意欲が高まる」「挑戦への阻害要因がない」がともに肯定回答の割合(グローバル)
- ※4 2025 年度に実施したグループ経営改革を踏まえ、目標達成年度をそれぞれ1年後ろ倒しとしました
- ※5 PHD執行役員の女性・日本以外の国籍・キャリア入社の割合(米国地域は対象外)
- ※6 日本地域(PHD,PEX,PCO及びその他事業会社)が対象。
PEX:パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社
PCO:パナソニック コネクト株式会社
人材ポートフォリオ変革
2025年度はグループ経営改革の一環として約12,000人の人員適正化を実施しました。今後はこれを成長領域への再配置及び必要ケイパビリティ獲得を含む長期の競争力強化につなげていきます。リーンな経営体質を維持・強化していくために、生成AIなどのデータ・テクノロジーも駆使した生産性の高い業務プロセスを構築すると同時に、事業会社ごとに設定した人員・人件費及び事業特性に応じた生産性指標の計画を、事業CEOも参加する経営会議であるGroup Transformation Round Tableにてモニタリングしながら厳格管理を実施していきます。
合わせて、人材ポートフォリオの変革も必要であると認識し、成長戦略に必要なケイパビリティを定義し、社員の保有スキル・経験の可視化を進めています。これにより人材ポートフォリオの目指す姿と現状のギャップを特定し、採用・育成(リスキリング)・配置転換・外部連携等の手段を組み合わせて計画的に解消していきます。
デバイス領域 | 前述した高度な材料・プロセス技術をもつ人材のスキル強化ともに、柔軟なリソースアロケーションを通じた生産体制の強靭化に注力 |
|---|---|
ソリューション領域 | ソリューションデリバリスキル獲得プログラム等の実行による前述したソリューション関連人材プールを形成 |