助成を受けられた団体(環境)
事業名 |
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特定非営利活動法人 アースデイマネー・アソシエーション |
団体名 |
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アースデイマーケットの広報力強化 |
助成事業の概要
当団体は、2001年、都市型の地域通貨“アースデイマネー”を運用する団体として活動をスタートさせ、以降、持続可能な社会の実現を目指して、首都圏を中心に様々なNPO支援・ボランティア促進活動を展開している。“アースデイマネー”の普及、環境保全型農業の推進を目的に据える『アースデイマーケット』も当団体の基幹事業の一つであるのだが、昨今の認知拡大と出展希望者の増加に伴って急増した目前の業務処理に追われ、当団体の組織基盤強化の施策の検討がなされていなかった。
そこで本事業では、より生産的な組織体としての発展を目指して、アースデイマーケットの運営母体である当団体の業務の見直しを図った。具体的には、当団体の中長期構想をスタッフ間で話し合い、具体的な中長期計画を確立した。さらに、確立した中長期計画をもとに当団体のWEBサイトおよびアースデイマーケットの広報媒体であるメールマガジンとニュースレターのリニューアルを行った。
助成事業の取り組みで得られた成果
(1)【理事やスタッフが集まる機会が増えコミュニケーションが活発になった】
当団体は、良く言えばそれぞれに専門性を持つ個人のネットワーク型組織であり、裏を返すと組織としての一体感にやや欠ける面があった。理事会やスタッフ間のミーティングの頻度も低かったが、今回の中期計画づくりのプロセスにおいては全員が集まり、当団体の中長期計画を話し合うことができたことで、組織としての一体感を得ることができた。
(2)【新規事業が生まれた】
中長期計画策定のための話し合いの副産物として、本事業とは別に、新規事業「fsdアカデミー」が生まれた。これは、新規にNPOを立ち上げようとする人々に対しアースデイマネーの理事がレクチャーするセミナー事業である。個性的な理事のキャラクターが活き、なおかつ組織としての一体感も持てる事業としてスタートできたことは大きな成果であると考えている。
助成事業の総合評価
もともと組織として集まる機会の少ない団体ゆえ、当初に想定したスケジュールがタイトすぎて、無理があった点も否めないが、忙しいメンバーが時間を割いて作りあげたこと中長期計画は、内容もステークホルダー別に整理され、わかりやすい中長期計画とすることができたと考える。
また、本事業の組織基盤強化の取り組みから新規事業が生まれたことは大いに評価できる点である。当組織の強みを生かし、また組織としての一体感を醸成することのできる同事業をこれからも大切に育てていきたい。
さらに、アースデイマーケットの広報媒体は、“よりスタイリッシュにより洗練されたものを”と当初は考えていたが、『顔の見える関係を築く』というコンセプトに基づき、スタッフの主観を交えた深いコミュニケーションを志向する内容へと見直した。足元のコンセプトに基づいた、地に足のついた見直しを図ることができた。
今後の展望について
本事業でリニューアルした当団体のWEBサイトが世の中にどのように受け入れられ、どのような反響をいただくのか、また、本事業を機に立ち上がった新規事業「fsdアカデミー」がどのように発展して社会へ影響を与えていくのか、そして、当団体のスタッフがどのように変化していくのかという、これらの成果について長期的に計測していきたい。
事務局より
本事業においては、高い専門性を持つ理事と、事務局や各事業を担うスタッフが一堂に会し、何度も議論を繰り返して作成した中長期計画によって、団体が一枚岩になれたという効果があったわけですが、それ以上に、各スタッフが個別の事業の戦略を考える際の指針とすることで細かい労力の軽減となり、また、協力者や参加者に対しては各事業実施の意義を説明できるようになるという効果が出てくるでしょう。ただし、作成した中長期計画通りに遂行することが重要なのではなく、中長期計画を意識して事業を推進することによって団体の目指す理想の社会像にどの程度つなげられたのかを効果検証できることが重要だということを忘れないでいただきたい。効果検証の結果、最終的なビジョンへつながっていない事業があれば、その中長期計画は変更する必要があるでしょう。年度ごとに事業の効果を検証し、見直しをしていけるツールとして活用してこそ中長期計画の意味が出てきます。ネクストステージは、貴団体のスタッフだけで中長期計画作成と事業のブラッシュアップができる組織となり、さらに多様な主体を巻き込んで持続可能な社会の実現へとつながる事業を生み出していっていただけることを期待しております。