助成を受けられた団体(環境)

環境分野・2010年に取り組んだ組織基盤強化事業 報告書(概要)

事業名

京グリーン電力制度の新体制設立・ブランド力強化事業

幹事団体

特定活動非営利法人 気候ネットワーク

コンソーシアム構成団体

京のアジェンダ21フォーラム
認定NPO法人きょうとグリーンファンド
NPO法人ワーカーズコープエコテック
(株)ウエダ
(有)ひのでやエコライフ研究所

助成事業の概要

 「京のアジェンダ21フォーラム」主体で始めた地域版グリーン電力制度(京グリーン電力制度)の事務局を、組織的に「京グリーン電力運営協議会」として立ち上げることが必要となった。
 これに際し、新たなブランドイメージの確立のため組織の発足・運営においては、まず広報用のパンフレット作成やウェブサイトの立ち上げ、一般市民向けに立ち上げ記念シンポジウムなどを通じて認知を高める。
 さらに京グリーン電力制度の説明会等を開催し、京グリーン電力制度の意義や取組に共感してもらい、広く参加を求める。
 また、京都にある自然エネルギー発電設備の電力を地域内で地産地消していく仕組みを検討・運営し、グリーン電力の提供者、利用者ともに評価される付加価値づくりに取り組み、観光名所でのスポット的な利用を進めるとともに、そこに提供されるグリーン電力が京都市内の特定施設から発電された電力であり、提供者と利用者のつながりを意識できる地産地消のグリーン電力としてのイメージの確立に取り組む。

助成事業の取り組みで得られた成果

1.団体の広報基盤の整備

ウェブサイトや2種類のチラシ作成を行い、団体の広報の基本的ツールを整備することができた。

2.他団体とのネットワークの構築

本協議会の設立にあたり、京都府や、京都府地球温暖化防止活動推進センター、KES環境マネジメントシステム、京都グリーン購入ネットワークなど様々な団体の参加を得ることができた。さらにこうしたネットワークを通じて、京グリーン電力の証書の販売拡大にもつながる素地ができた。具体的には、KES環境マネジメントシステム参加企業13社によって、京グリーン電力証書15,500kWhの購入につながっている。また、京都グリーン購入ネットワークとは、「買い物でエコキャンペーン」で協働し、グリーン購入キャンペーンの一環として、京グリーン電力購入の紹介をしていただいた。また、京都府には、京都環境フェスティバル等の主催イベントにて、ブース出展の支援等を得ることができた。

3.地域での自然エネルギー普及のための戦略形成テーブルの形成

京都の行政や企業、NPO等が地域における自然エネルギー普及のために集まるテーブルを形成することができた。従来の行政区域を越えた主体が関わる運営委員会を毎月開催し、京グリーン電力制度の運営と今後の取組戦略について検討することができた。

4.実績による信用力の強化

京グリーン電力制度の2009年度の活動の結果、21.6万円の寄付を行い京都市山科区の保育園に、新たな太陽光発電所の設置に役立てることができた。これは当団体の大きな成果の1つとなり京都新聞にも取り上げられ、協議会のさらなる認知度と信頼性の向上につながった。2010年度についても現段階で30万円を超える寄付が可能になっており、着実な団体の成長につながっている。

助成事業の総合評価

 組織基盤の基礎であるリーフレットやウェブサイトなど基本的な広報媒体やコミュニケーションツールの整備できた。さらに、こうした基礎的な広報媒体に加えて、団体間の連携による販売やキャンペーン等を利用した販売方法の多様化などを行うことが出来た。これにより、地元メディアに取り上げられるなど認知度も上がり、販売先およびグリーン電力の調達先も少しずつであるが広がっている。こうした点は助成事業がなければなしえなかった点であり、積極的に評価できる。
 しかし、販売先・調達先が広がったとはいえ、現時点では小口の利用や調達に限られており、目標とする販売数および調達先が達成されていない。また、当初の大目標であった環境価値への認識(京グリーン電力のブランディング)の向上については、京グリーン電力のブランディング以前に、「電力を選ぶ」という行為自体が認知されていない現状である。特に「電力」という財ではなく「環境価値」を切り離して取引するということが、理解と共感を呼びにくく、広がりが限定的であることの理由であると考えられる。この課題については、共感を呼ぶためのツールとして、参加者のインタビュー記事を作成し、広報活動に活かしはじめた段階であるが、現段階では明確な成果は得られていない。

今後の展望について

 今後の組織運営への展望としては、国の再生可能エネルギー電力の固定価格買取制度に関する詳細制度が、明確に定まった段階で、京グリーン電力制度の方向性を定めなければならないが、現時点では以下の2点を実施、検討する。

1.固定価格買取制度に対応した地域レベルの仕組みづくりの模索・提案

2010年12月末に詳細制度が一定程度明らかになったため、2011年6月を目処に、今あるネットワークの中で、例えば、電力以外のグリーン熱証書の取組みの導入なども視野に入れ検討しながら、新たな仕組みづくりの提案をまとめる予定である。

2.京グリーン電力制度の継続の可能性判断及び、第三者認証の仕組みづくりの検討

今後の京グリーン電力制度の運用については、第三者認証の仕組みを検討していく必要がある。東京で行われている認証システムは、大型の発電事業に適した仕組みであり、太陽光など小規模分散型の証書発行には適していない。そこで、地域で独自の第三者認証の仕組みが可能かどうか、上記1についての枠組みの検討結果を受けた形でさらに検討を進める。

事務局より

 地球温暖化防止を推進する取り組みとして、ここ数年来、太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーへの認知度が高まっています。当団体がコンソーシアムを組んで推進する「京グリーン電力制度」もその取り組みの一つですが、小規模な事業者や個人が、太陽光発電による電力を電力会社のインフラを通さずに売買するのは不可能です。当コンソーシアムの「京グリーン電力運営協議会」は、太陽光発電による電力の付加価値を「証書」という形で販売する仕組みを運営しています。「証書」の販売収益は市民の太陽光発電機器の設置支援に活用されるなど、その取り組みはユニークですが、一般の事業者や市民から見ると大変に理解しづらいスキームです。市民レベルで太陽光エネルギーの発電、利用を促進するためには、太陽光発電機器を設置する事業者や個人と、その付加価値を認め「証書」を購入する事業者や個人を、バランス良く増やして行かねばならず、本助成事業を通じて一定の認知度は向上したものの、ビジネスモデルの確立には、なお課題があるようです。2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力の福島第一原子力発電所事故で、エネルギーに関する社会不安は増大しています。是非ビジネスモデルを確立し、本コンソーシアムの提案するスキームが有効な代替案として全国に広がることを期待しています。