助成を受けられた団体(環境)
事業名 |
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タイにおける活動資金調達強化を目指したチャリティーショップ事業 |
団体名 |
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特定非営利活動法人 地球市民の会 |
助成事業の概要
地域に根付く企業と手を携え、広告代理店である(株)佐賀広告センターを通して各パブリシティーで、一般に家庭内の不用衣料品などの寄付を呼びかけ、産業廃棄物業者である小松商店倉庫で、受入・選別。そして、質業・リサイクルショップである(有)ニューポーン新古賀内にチャリティーショップを立ち上げ、寄付された不用衣料品を販売し、その売上の一部で、当会の活動地のひとつであるタイにおける教育支援の活動を支援して頂くという事業を行った。地域に(1)環境への意識を高めること、(2)発展途上国の人々への思いやりを広げることを目指した人材育成の場として位置づけ、地域で作り上げる活動として取り組んだ。
助成事業の取り組みで得られた成果
当チャリティーショップ事業実施により、佐賀の地で、社会貢献活動を身近に感じることができる機会をつくり、実践できる場をふやすことで、やりがいを感じることのできる社会貢献活動の展開が可能となった。
これにより300点以上の寄付、約40名の活動ボランティアなど支援の拡大が実現でき、より広く一般の人々に国際協力に賛同してもらい、環境に配慮しながらチャリティーへの理解と協力を広めていく原動力となっている。
助成事業の総合評価
(1)環境への意識を高めること(2)発展途上国の人々への思いやりを広げることを目的とした当事業は、体制は整備され、スタート地点に立つことはできた。
1年という期間をかけてスタート地点にしか立てなかった理由としては、ボランティア組織を十分に創ることができなかったことにある。今回、不定期的なボランティアの参加に支えられたが、絶対数が不足しており、活動全体の体制を整備することが精一杯だった。そのため、地域の活動として浸透するまでには至らず、今後、整備された体制を強化・発展させていく事により、目的が十分に達成できる活動になると考える。
しかしながら、「もったいない」を合言葉に活動の認知度が高まり、これまでの会員だけに留まらず多くの一般市民に参加して頂けたことで、新しい理解者や支援者の拡大や、寄付収入が継続的に入る体制の整備につながり、事務局スタッフや、支援地であるタイの人々の活動に取組むエネルギーを生むことができた。また、若い学生から高齢の方々が、頻繁に出入りするようになり、当事業だけに限らず、他事業も認知してもらう機会となった。
さらに今回の企業との協働の影響は大きく、(有)ニューポーン新古賀のプロのアドバイスは“購入者の安心”を、小松商店のリサイクルは“大量に廃棄すべき寄付品を再資源として環境に配慮した活動”をつくり、(株)佐賀広告センターの広報活動へのサポートは、一般市民の方々の反響を多く頂くものだった。今後、当事業をモデルとした取組みが展開されていけば、これまでチャリティーに参加したことのない企業の参加促進など、佐賀の地で、社会貢献の活動の波が高まり、地域活性にも繋がると考える。
本事業を通して、社会貢献に参加したいという多くの人々の想いを実現できる形ができていき、大きな喜びを感じた。また、国際協力の活動、社会貢献の活動に関心を高められたことは、幸せな世界つくりを支えていく大きな力となったと確信している。同時に、他事業に関しても、海外での活動を伝える交流会や勉強会の実施、会報やHPを使った報告の発信などを活用して、伝え方、働きかけ方をより良くしていく事ができれば、活動に対する理解や支援は広がっていくということを実感した。今後も今回の助成により作り上げた基盤を発展させ、地域社会に良い影響を与えることができる活動にしていきたい。
今後の展望について
現在、スタート地点に立ったばかりであるが、既に支援者や寄付者の支援者や寄付、活動へ参加するボランティアの拡大が実現しており、1年間の助成を終えて、新聞広告の継続や事業に関わる人件費、売場を拡大するための整備費などを補う為にも、当事業で整備された体制を強化・発展させていく事が、当会のより一層の組織強化になると考える。また、緊急に取組む課題としては、ボランティア組織の強化がある。
現在、活動しているボランティアを中心に、仕事内容毎に役割やマニュアルをつくり、誰もが理解でき、自主的に参加できる体制を作っていくと共に、楽しく、やりがいを持って活動できる場づくりを意識し、ボランティアが生き生きと活動に参加できる環境をつくっていきたい。
また、将来的に、独自の店舗を持つこと、ボランティアが集える場所を作ること、専従スタッフを置くこと等を視野に入れて、活動の弱点の強化や新規ボランティア獲得、企業との協働拡大、活動をアピールできるイベント実施、多方面からの広報等を戦略的に展開できる様、取り組んでいきたい。
事務局より
当団体から本ファンドへのご応募は2回目で、最初に応募いただいた案件は、チャリティネットショップ事業を立ち上げるという骨子でした。一次選考を通過して佐賀の団体事務所までヒアリング(実査)に出かけて行きましたが、選考委員会から付された実施体制面での採択条件で折り合いがつかず、また、チャリティネットショップが環境保全とどう繋がるのかの観点でもやや説得力に欠け、最終的に不採択という結果でした。(ただし、その企画は地元行政等の支援を得て見事に立ち上げられています)今回採択となった本事業は、古着のリサイクルによるファンドレイズをタイの支援に繋げるというコンセプトで、地元のリサイクルショップなどその道のプロが実施体制の中に組み込まれており、採択された時点でフィージビリティの高い内容でした。故人となった当団体の創業者は佐賀県内の政財界・マスコミ等に広い人脈を築いており、県内での信頼度は厚く、地域の支持基盤をここまで確立しているNPOは全国的にみても極めて稀なケースです。また、事務局長の大野さんの手腕と明るく心憎い心配りも、当団体の大きな推進力でしょう。昨年7月の中間ヒアリング時には、サポートファンドの公募時期であったことから、急なリクエストにも関わらず、佐賀でのミニ説明会のセッティングを纏め上げて下さいました。今後も佐賀県の、いや我が国NPOのリーダー的存在として益々発展されることを期待しています。