新規助成
事業名 |
会員・寄付10%増加に向けた広報戦略策定事業 |
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団体名 |
公益社団法人日本環境教育フォーラム |
代表者 |
川嶋 直 (理事長) |
【推薦理由】
本団体は、1992年に環境教育の実践者の手によって「環境教育の普及」を目的に設立された。現在は「環境教育を推進する指導者の養成」や「途上国への環境教育支援」にも取り組んでいる。1987年より継続開催され、2016年度で通算30回目を迎えようとしている基幹事業の「清里フォーラム」は多くの環境団体に影響を与えており、環境教育分野のNPO/NGOにとっては金字塔的な事業と言えるだろう。
しかしながら、社会から長年大きな期待をされ続けてきたが故に、助成金と行政の委託・請負事業、企業のCSR等を主とした収入源に過度な依存を生じさせ、会費及び寄付の獲得に力を入れてこなかった。財政面の長期的戦略を立てることができておらず、また、安定的な支援性の財源(寄付・会費)の獲得技術の蓄積が弱いために財政悪化を招いている。
本助成事業は、まず、外部のアドバイザーの支援のもとで過去のイベント出席者の傾向と動向を分析、会員像と寄付者像の具体化からスタートさせる。さらに、団体の各活動が会員誘致や寄付獲得のための重要な対話の場になり得るという認識のもと、昨年度より自主的に検討を続けている中長期戦略の内容を踏まえて、活動と潜在的会員層・寄付者層との接点を洗い出していく。また、明確になった会員・寄付者のターゲット毎にアプローチ方法を検討し、広報戦略を策定して、入会案内、リーフレット、クラウドファンディング等の会員・寄付獲得ツールの作成に取り組む。
本助成を機に、強みである環境教育の知見と幅広い全国ネットワークを最大限有効に活用できるよう組織強化をはかり、自主財源を安定させ、これからも持続可能な社会の牽引役を務めていただけるよう期待したい。
団体概要
- 設立(開設)
1992年(設立後 満23年) - 設立目的
日本全国及び海外における自然体験や自然教育などの環境保全意欲の増進及び環境教育に関する事業を推進することで、国民の中に環境保全の健全な思想を育み、地球環境保全・自然環境の保護に寄与すること - 活動内容
環境教育等に関する企画、運営及び実施、情報の収集・提供、調査研究、知識の普及・啓発、政策の提言、個人・団体間の交流の促進、人材や指導者の育成等 - 活動地域
国内、アジア諸国 - 有給スタッフ数
18人(常勤15人、非常勤3人) - 正会員数
個人会員64人、企業・団体会員14件 - 財政規模(年間経常収入)
25,701万円 (2015年度予算)
17,649万円 (2014年度決算)
19,242万円 (2013年度決算) - ホームページアドレス
http://www.jeef.or.jp/
事業名 |
蓄積された人的リソースの再活用、新規会員・寄付者獲得のためのデータベース構築及びそれを通したビジネスモデル見直し |
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団体名 |
特定非営利活動法人アジア太平洋資料センター(PARC) |
代表者 |
大江 正章、細川 弘明 (共同代表) |
【推薦理由】
本団体は、すべての人びとが対等・平等に生きることのできるオルタナティブ(今のようでない、もうひとつの)な持続可能な社会をつくることを目指し設立された。その歴史は40年超と長く、古くは東南アジアから安価に輸入される養殖エビやバナナが引き起こす環境問題など、時代ごとに世界で起こる環境問題等の社会問題を題材に、ユニークなDVD等の媒体を制作し続けてきた。また、本団体の市民講座「自由学校」は、6~10回程度で2~5万円と決して安くない受講料にも関わらず、年間約600名超の受講生が集まるなど団体の収益の柱であり、DVD等の媒体販売と併せると約3千万円にのぼる。
しかし、2008年にフェアトレード部門の分離独立後は、ビデオ販売事業や講座事業での収益管理や販売管理等の甘さから財務状況が悪化し、債務超過が続き危機的な状況に陥っている。そこで、団体の監事に就任した中小企業診断士の指導のもとで、真剣に財務状況を改善しようとする取り組みに着手している。具体的には自由学校の講座ごとの収支等を分析し、黒字化を目指すプランを立案したり、ビデオの制作体制を見直して、年間の新作発表数を増やすなど、改革の最中で本助成へ応募された。
そのプロセスでの課題が、団体の会員、寄付者、DVD購入者、自由学校の受講生、ボランティア、インターン、各種イベント参加者など約1万人にのぼる顧客名簿がバラバラに存在していることであった。本助成ではこれを統合したデータベースを構築し、会員や寄附の獲得、媒体販売、自由学校の受講生勧誘など様々なプロモーションを十全に実施できる体制を作ろうとするものである。債務超過解消への取り組みの検証状況や、これまで育んできたソーシャルキャピタルを活用できるようなデータベース構築に期待したいとの意見が呈され採択に至った。
団体概要
- 設立(開設)
1973年(設立後 満42年) - 設立目的
国際的な経済社会問題及び人々の生活についての調査・研究を通じて、南北の経済格差や途上国の貧困、国際紛争や地球環境問題の原因を生み出す構造を解明し、日本市民に広く伝え、世界各国の市民と交流・協力することで問題を解決し、平和で平等な社会の構築を目指す - 活動内容
南北問題に関する調査研究事業、政策提言事業、情報発信事業、市民教育事業、開発教育・環境教育のための映像教材製作・普及事業、国際協力事業 - 活動地域
国内、アジア太平洋地域 - 有給スタッフ数
6人(常勤6人、非常勤0人) - 正会員数
個人会員479人、企業・団体会員2件 - 財政規模(年間経常収入)
4,490万円 (2015年度予算)
4,285万円 (2014年度決算)
4,281万円 (2013年度決算) - ホームページアドレス
http://www.parc-jp.org/
事業名 |
持続可能な経営基盤の確立で、次世代に継承 |
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団体名 |
認定特定非営利活動法人びわこ豊穣の郷 |
代表者 |
長尾 是史 (理事長) |
【推薦理由】
琵琶湖南東部に位置する赤野井湾はかつて屈指の漁場だったが、1972年以降の琵琶湖総合開発と、流域人口の増加、産業経済活動の発展に伴い富栄養化が進み、アオコが恒常的に発生するなど自然環境の悪化が懸念されていた。そのような背景の中、赤野井湾の水環境改善のために『ゲンジボタルが乱舞する故郷の再現、琵琶湖とシジミに親しむ湖辺の再現』を将来目標に掲げて、地域住民、自治会、NPO、企業、行政等の連携のもと1996年に前身となる「豊穣の郷 赤野井湾流域協議会」を発足、2004年にNPO法人として本団体が設立されている。
本団体は、会員が高年齢化して体力的に活動を継続できない会員が出始めてきていることに起因して、活動の原動力衰退だけでなく、会費・寄付の減少、経営の不安定化、組織マネジメント力の低下、情報発信の不足など様々な問題を引き起こしており、また、それらが複雑に絡まりあって解決を困難にさせている。自分達だけでは、客観的で冷静な課題分析と実効性の高い解決策の立案・実行は難しいと判断して本助成への応募に至っている。
選考委員会において、自主事業と並行して組織基盤強化に取組むための準備が必要であろうという意見が呈されたため、本助成初年度は外部アドバイザーの支援のもとで実施する組織診断に限定して助成が採択された。
これからも市民の手で琵琶湖の自然環境を再生・保全していくためには、本団体の知見と経験値が必要になるだろう。次世代へ継承できる組織体制の構築が望まれる。本助成を受けて組織課題を整理し、課題の真因を見定めるための第一ステップとしていただきたい。
団体概要
- 設立(開設)
1996年(設立後 満19年) - 設立目的
琵琶湖赤野井湾と流域の水質改善を図るとともに、地域住民の意識啓発をすすめ、水環境を守り育てるための実践活動を展開することで、豊かな生態系をとりもどし自然と人が共生できる社会の実現に寄与すること - 活動内容
ホタルの調査・飼育及び研究事業、環境保全活動の情報交換・発信事業、琵琶湖赤野井湾流域の水質、シジミなどの生態系の調査、環境保全実践学習事業 - 活動地域
滋賀県 - 有給スタッフ数
8人(常勤2人、非常勤6人) - 正会員数
個人会員261人、企業・団体会員84件 - 財政規模(年間経常収入)
1,808万円 (2015年度予算)
1,802万円 (2014年度決算)
1,747万円 (2013年度決算) - ホームページアドレス
http://www.lake-biwa.net/akanoi/
事業名 |
京都・美山の森と川を守り活かすための組織強化 |
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団体名 |
特定非営利活動法人芦生自然学校 |
代表者 |
井栗 秀直 (理事長) |
【推薦理由】
美山町は南丹市において過疎化高齢化が最も進んでいる地域である。一方で年間70万人もの観光客が茅葺きの里や田園風景などの原風景を求めて訪れている。また、清流美山川の最上流部には国内有数の希少生物の宝庫である芦生の原生林が広がっている。これらは貴重な地域の財産であり、地域の誇りでもあるが、近年「美山川」「芦生の森」は深刻な環境危機を迎えている。住民の多くはこの現状を知る機会も少なく、保全活動に取り組んでいる人・団体は点でしかない。
本団体はこれまで青少年育成活動を中心に取り組んできたが、美山町の自然環境保全ためには地域コーディネーターの機能が必要であるという認識を強く持ち始めた。しかし、青少年育成事業を担当する人材は本団体の専従職員として配置しているが、環境保全事業の組織マネジメントやコーディネートを行う人材を常勤で雇用できるほど経営が安定しているわけではない。そこで、新たな経営資源獲得のための事業開発と拡大を視野に本助成へ応募されている。
選考委員会では、組織課題の分析が弱く、団体の目指すべき方向性が曖昧であったことから、新規スタッフを雇用して事業開発に取り組むには時期尚早という意見が呈され、初年度はしっかりと組織診断に取り組むべきと、組織診断フェーズに限定して助成が決定した。
本助成を機に、外部アドバイザーの指導のもとで組織全体の診断を実施し、美山町や社会からの期待やニーズに応えられる団体像を紐解き、じっくりと課題を整理・分析して、次の組織基盤強化の準備となる有意義な一年間にしていただきたい。
団体概要
- 設立(開設)
2004年(設立後 満11年) - 設立目的
美山町の恵まれた自然と、その自然と向き合う中で育まれてきた山村の暮らしの文化をかけがえのない財産として、多くの人々とこれを学び、守り活かす活動を行い、次世代を担う子ども達へ多くの自然体験活動の機会を提供し、永続可能な社会づくりに寄与する人材を育成すること - 活動内容
子どもたちと行う野外活動事業、子どもたちと行う環境保全事業、子どもたちと行う野外活動事業や野外環境保全事業に携わる指導者育成事業、物販販売 - 活動地域
京都府南丹市美山町 - 有給スタッフ数
3人(常勤2人、非常勤1人) - 正会員数
個人会員15人、企業・団体会員0件 - 財政規模(年間経常収入)
2,295万円 (2015年度予算)
937万円 (2014年度決算)
1,911万円 (2013年度決算) - ホームページアドレス
http://ashiu.org/
事業名 |
団体の歴史的蓄積と強みを明確化し次世代へつなげる組織分離・再編に伴う組織基盤強化 |
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団体名 |
特定非営利活動法人兵庫県有機農業研究会HOAS |
代表者 |
牛尾 武博 (理事長) |
【推薦理由】
本団体は、1969年に母乳からDDT/PCBが検出されたことを契機に、兵庫県内の農業団体と消費者団体がともに健康と環境を守る農業を確立するため、有機農業の技術の推進、啓発を行なうことを目的に設立された。有機JAS法施行に伴い、2000年から有機JAS認証の登録機関となり、有機農業の生産者に寄り添った登録認定業務と併せて、日本の有機農業の普及拡大を目指した活動を継続してきた。
有機認証を取り巻く環境として、ISO17065の制約により、登録認定機関が有機農業の普及啓発活動を行なうことが厳しく制限される状況になったことで、2014年12月に認証部門と研究部門を分離するという組織再編を断行した。そうした環境変化の中で、有機JASの登録認定機関としての将来のビジョンを描きたいとの思いで本助成へ応募された。
兵庫県は有機農産物の「提携」活動(生産者が直接2者認証で消費者に届けること)の先駆的な地域であり、組織再編後のこの時期に組織基盤強化に取り組むことは時機を得ているとの評価が呈され、採択に至った。
スーパーなどの店頭で「有機農産物」や「オーガニック」の文字は増え、安全・安心な農産物へのニーズはかつてに比べると高くなっている。他方、日本の農業全体の栽培面積に占める有機農地の面積はわずかに0.4%であり、多くは海外からの輸入品である。有機農業に取り組む生産者を増やす上で、有機認証制度はともすれば足枷にもなりかねず、生産者に寄り添った登録認定団体を目指してきた団体として、40年超にわたり蓄積された経営資源を丁寧に棚卸し、今後の中期ビジョン、中期計画をしっかり練り上げ、日本の有機農業を力強く推進していく団体へとレベルアップされることを期待したい。
団体概要
- 設立(開設)
1973年(設立後 満42年) - 設立目的
有機JAS認証の登録認定機関として、有機農業の普及・発展を図り、環境保全に貢献、また、持続的な食料生産システムの確立に努力し、次世代に希望あふれる未来を残す - 活動内容
日本農林規格(JAS)に規定される農林水産省の登録認定機関としてJAS法に基づく有機農産物・有機加工食品・有機飼料の認証業務と農産物審査、有機農業の普及啓発に関する事業 - 活動地域
兵庫県を中心として全国各地 - 有給スタッフ数
4人(常勤4人、非常勤0人) - 正会員数
個人会員81人、企業・団体会員27件 - 財政規模(年間経常収入)
2,924万円 (2015年度予算)
3,132万円 (2014年度決算)
3,556万円 (2013年度決算) - ホームページアドレス
http://www.hyoyuken.org/
事業名 |
棚田保全の実践者、寄付者獲得、認定NPO法人取得のための組織診断・基盤強化事業 |
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団体名 |
特定非営利活動法人棚田LOVER’s |
代表者 |
永菅 裕一 (理事長) |
【推薦理由】
本団体は過疎化による労働力不足や鳥獣害等、様々な原因で棚田が放棄され、失われているという地域の声を聞き、棚田を将来につなげるために設立された。活動地域は兵庫県の市川町や香美町などで、学生や都市住民が棚田で田植えや稲刈りなどの農作業を体験するプログラムや大学や商店街で棚田米の試食会や販売活動を行い、農村都市交流、商店街活性化にも取り組んでいる。
設立から8年、これまでは理事長の思いで牽引し、コツコツと支援者、参加者を増やして来た。しかし、活動が広がり、年間事業規模も1千万円前後になると、組織運営を支える事務局スタッフが必要になり、そうした人材を雇用する財源確保や、スタッフの育成など、組織をマネジメントすることも求められる。まさにそうした個人事業主から組織運営への転換期に本助成へ応募された。まず初年度は外部の専門家の支援を受けて、じっくりと組織診断に取り組み、解決すべき課題の洗い出しと優先順位づけをすべきとの選考委員会の意見により、組織診断に絞っての助成となった。
理事長は大学在学中に本団体を創設し、若者が限界集落と言われる地域に根づいて棚田を守り継承して行く活動は、地域住民からも評価され、支援者も増えている。今年から事務局員として入ったスタッフ2名も若く、彼らと力を合わせ、個人事業から組織経営への転換を果たすため、しっかりと組織診断に取り組んでいただきたい。
団体概要
- 設立(開設)
2007年(設立後 満8年) - 設立目的
農村地域や棚田での農作業体験・援農活動や、棚田の多面的機能を普及啓発することで、学生と地域、都市と農山村が相互に理解し協力し合える関係を作りあげ、持続可能な循環型社会の創出に寄与すること - 活動内容
棚田の保全のための農作業体験事業、棚田の保全に向けた世論づくり・普及啓発のための事業、都市と農山村の現地交流事業、都市と農山村の情報交換のための事業 - 活動地域
兵庫県神崎郡市川町、美方郡香美町、佐用郡佐用町、大阪府、神戸市、姫路市 - 有給スタッフ数
4人(常勤2人、非常勤2人) - 正会員数
個人会員85人、企業・団体会員6件 - 財政規模(年間経常収入)
1,238万円 (2015年度予算)
1,239万円 (2014年度決算)
998万円 (2013年度決算) - ホームページアドレス
http://tanadalove.com/
事業名 |
高梁川流域の循環型社会形成のための組織基盤強化事業 |
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団体名 |
一般社団法人水辺のユニオン |
代表者 |
岡野 智博 (代表理事) |
【推薦理由】
岡山県西部を流れる高梁川は、古代から地域の森、里、海をつなぎ、その自然循環、経済循環の中で、豊かな共同体を形成してきた。戦後、倉敷市水島に重化学コンビナートができたことで、経済の中心は上流から河口域に移り、里山は荒れ、自然循環機能の低下が著しい。こうした環境変化に対して、本団体は高梁川流域の豊かな資源を活用し、地域の経済活動を促進することで、21世紀型の循環型社会を実現し、流域市民の生活の質の向上を図ることを目的に設立された。
本団体の運営を担う理事会メンバーは、設立当初は地域の名士が名を連ね、運営の実務は現在の代表理事に集中しがちであった。そうした運営体制に限界を感じ、理事メンバーを地域で事業者等として活躍する若手中心の構成へと刷新した。その影響は今後期待されるところだが、従来代表理事が一人親方的に事務局実務を切り盛りしていた状況は改善の道なかばであり、事務局体制を強化したいとの思いで本助成へ応募された。今後の組織基盤強化の方向性を見極めるために、まず初年度はじっくり組織診断に取り組むべきとの意見が呈され、組織診断フェーズに限定して、採択された。
倉敷市は高梁川の森、川、里、海までの流域の地域教育を行う「高梁川流域学校」を設立し、本団体ではその事務局業務も担っている。外部の専門家を招聘し、組織の経営資源の棚卸と、今後の基盤強化の方向性をしっかり見出すプロセスの中で、代表理事のリーダーシップのもと、より一層地域で期待され、信頼される団体として成長されることを期待したい。
団体概要
- 設立(開設)
2008年(設立後 満7年) - 設立目的
高梁川流域の現在も豊富で多様な資源を活用し、地域の経済活動を促進することで、21世紀型の循環型社会を実現し、流域住民の生活の質の向上を図ること - 活動内容
高梁川上中流域の環境保全型森林間伐活動、自然栽培の普及啓発活動、高梁川流域を歩く着地型観光「高梁川」トレイルの調査開発 - 活動地域
高梁川流域の7市3町(倉敷市、浅口市、井原市、笠岡市、総社市、高梁市、新見市、里庄町、早島町、矢掛町) - 有給スタッフ数
1人(常勤1人、非常勤0人) - 正会員数
個人会員13人、企業・団体会員6件 - 財政規模(年間経常収入)
800万円 (2015年度予算)
825万円 (2014年度決算)
1,252万円 (2013年度決算) - ホームページアドレス
http://w-union.jp/21union/
継続助成
事業名 |
真にユニークな「環境教育NPO」としての完成を目指した、事業構築力と人材育成力のステップアップ |
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団体名 |
特定非営利活動法人しずおか環境教育研究会 |
代表者 |
兼髙 里佳 (理事長) |
【推薦理由】
本団体は静岡市の里山地域をフィールドとして環境教育を中心に活動を展開している。年間財政規模は3千万円超。常勤職員6名と非常勤有給職員2名で、0歳からの乳幼児を対象とした環境教育事業を展開するなど全国的にも稀有で先駆的な活動を展開しており、当該地域の環境NPO/NGOとしては頭一つ抜けた存在である。
昨年度の助成事業では組織全体の現状分析と診断を実施し、一定の運営資金を調達できる新規事業を属人性に依存せず、生み、育てていく方法論や指針の確立に取り組んだ。結果、団体の強みを活かして自主事業「里山BASE」を構築した。「里山BASE」の企画において、大きな事業を個人の思いや勘だけでスタートさせるのではなく、企画段階から収支予測を取り入れ、実現可能性を高めている。また、「やりたいプログラムをやる」という従来の姿勢から脱却し、ターゲットのニーズに合わせた事業開発を行った。地元タクシー運輸事業者と連携して里山までの送迎をプログラムに組み込み、これまでは保護者による送迎が前提であった、小学校低学年の児童(およびその親)への長期的な環境教育の可能性を見出し始めている。
2年目となる本助成事業は、外部アドバイザーのアドバイスのもと、本団体の基幹事業として成長させたい「里山BASE」の実際の事業構築過程を職員が経験することで現実的な事業構築力を獲得し、組織内にノウハウを定着、同時にスタッフ育成の基本プロセスの確立を目指す取り組みである。
本助成事業を行うことで、都市と里山の中間地をフィールドに新たな市場を開拓し、団体独自の事業推進・人材育成スキームが構築されることを期待したい。
団体概要
- 設立(開設)
1989年(設立後 満26年) - 設立目的
市民が主体的に環境教育を研究し、実践する社会教育機関として、身近な課題に自ら気づき、考え、模索し行動できる人づくりを通じて、人と自然が調和する地域社会の実現に寄与すること - 活動内容
自然体験型環境教育プログラム事業、環境教育や自然再生を目的とした静岡県・静岡市及び県内企業からの委託 事業、静岡県・静岡市の環境学習施設の指定管理運営業務 - 活動地域
静岡市駿河区、日本平周辺の里山地域、ほか静岡県全域 - 有給スタッフ数
8人(常勤6人、非常勤2人) - 正会員数
個人会員34人、企業・団体会員0件 - 財政規模(年間経常収入)
3,484万円 (2015年度予算)
3,726万円 (2014年度決算)
3,867万円 (2013年度決算) - ホームページアドレス
http://www.ecoedu.or.jp/
事業名 |
長期目標のミッション・ビジョンの確立(中期目標実現のための体制強化) |
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団体名 |
認定特定非営利活動法人自然再生センター |
代表者 |
徳岡 隆夫 (理事長) |
【推薦理由】
島根県の中海は戦後間もなく干拓淡水化事業がスタートし、その後公共事業が中止され、豊かだった汽水域の自然環境が損なわれたままとなっている。本団体は2003年に施行された自然再生推進法に基づいて中海の自然再生を行うことを大きな目標に掲げ設立された。
昨年度の本助成では、外部専門家を招聘し、団体の組織診断に取り組み、重点課題として中長期の事業計画の策定と、これを実現するための組織体制、理事会の再構築などが見えてきた。特に重要な課題として指摘されたのは、大学の研究者など、やや専門家に偏った理事会構成を再構築することであり、理事会の強化を目的とした理事研修も実施した。研修では外部専門家から中期目標策定に向けた課題などが示され、将来の組織体制整備についても粘り強い議論を繰り返した。本助成事業では、昨年度の取り組み継続し、1.理事会・理事の強化と意識改革、2.行政・企業(CSR)との協働、外部からの支援(寄附)獲得、3.中海の応援団の設置、を行なう。
昨年度は、招聘した外部専門家と本団体理事会の間で、組織基盤強化の方向性についての見解に隔たりがあり、これを調整する事務局も相当に苦心した様子が四半期報告書や中間ヒアリングでも伺えた。外部専門家と協議して示された組織基盤強化の方向性は妥当であり、これを実現するために奮闘する1年目の取り組みが評価された結果、継続して助成することで成果が期待できるとの意見が呈され採択に至った。組織の運営体制を再構築する取り組みは、団体にとって様々に大きな負荷がかかることが予想される。引き続き理事会と事務局が心を合わせ組織基盤強化に取り組まれ、より一層地域に根付き、地域に支えられる団体へと成長していただきたい。
団体概要
- 設立(開設)
2005年(設立後 満10年) - 設立目的
良好な自然の保全、損なわれた自然の再生、大都市などでの失われた自然の創出、再生された自然環境の維持管理に関する事業を実践・サポートすることにより、これらの課題に取り組む人材の養成や技術開発に寄与し普及すること - 活動内容
自然再生協議会の支援事業、中海・宍道湖及びその流域の自然再生及び環境保全に関わる事業、汽水域の自然再生及び環境保全に関わる事業、自然再生に関わるアドバイザー事業及び人材育成事業、等 - 活動地域
中海・宍道湖周辺 - 有給スタッフ数
6人(常勤4人、非常勤2人) - 正会員数
個人会員120人、企業・団体会員0件 - 財政規模(年間経常収入)
3,545万円 (2015年度予算)
4,999万円 (2014年度決算)
5,354万円 (2013年度決算) - ホームページアドレス
http://www.sizen-saisei.org/
事業名 |
ソーシャルインパクトを出せるアドボカシー型NGOとして発展するための財政基盤と組織マネジメントの仕組み確立 |
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団体名 |
認定特定非営利活動法人環境市民 |
代表者 |
杦本 育生 (代表理事) |
【推薦理由】
本団体は地球規模の環境問題の解決に向けて地域から取り組み、社会へ創造的な提案をしていく環境NGOとして、市民、専門家が集まり発足した。消費者が商品選択を変えることで経済を変えるグリーンコンシューマー活動の普及に尽力し、グリーン購入法制定に大きな影響を与えたことは、本団体の特筆すべき実績である。
他方、収入の多くを行政等からの委託事業に依存し、団体の財政基盤の立て直しが急務である。昨年度の本助成では、財源を確保するために、寄附集めの仕組み作りと体制構築や、講師派遣事業のプロモーションツールの整備に取り組んだ。また、組織のブランドイメージ確立やファン層の掘り起こしなど、支援者拡大のためのマーケティング戦略も策定した。しかし、講師派遣事業が目に見える収益増につながっておらず、財源の安定化はまだ道半ばである。
そこで助成3年目は、「グリーンウォッシュ防止事業(環境に配慮しているように装いながら、うわべだけの環境訴求を防止する取り組み)」の収益化に向けた試行や、「環境マイスター研修認定事業(消費者に対して省エネルギーやグリーン購入などの知識、情報を適切に提供し、消費者がより環境負荷の低い製品を選択できるよう促す販売員を育成する研修事業)」の拡大展開に向けた体制構築などに取り組む。選考委員会では、助成1、2年目の成果を受けた課題設定となっており、成長の跡も見られ、もう1年の支援継続が成果の底上げを後押しできるとの意見が呈され採択に至った。助成3年目となる今年、財政状況の根本的な改善に資するような成果の必達が期待される。
団体概要
- 設立(開設)
1992年(設立後 満23年) - 設立目的
市民の主体的な活動のもと、環境教育、環境と調和したライフスタイル、および社会経済システムの調査研究及び実践普及、環境政策の提言等を行い、環境の保全、生態系の維持および持続可能な社会の創造に寄与すること - 活動内容
グリーンコンシューマー活動やグリーン購入の普及事業、「環境首都圏創造ネットワーク」事業、企業の環境の取り組みを支援する事業、等 - 活動地域
京都市内を拠点に全国各地で活動 - 有給スタッフ数
4人(常勤1人、非常勤3人) - 正会員数
個人会員61人、企業・団体会員2件 - 財政規模(年間経常収入)
2,178万円 (2015年度予算)
1,370万円 (2014年度決算)
2,338円 (2013年度決算) - ホームページアドレス
http://www.kankyoshimin.org/