Panasonic Scholarship Alumni  パナソニックスカラシップ体験者が語る未来へのメッセージ

パナソニック スカラシップとの出合いによって
大きく開かれた、学びの扉。

○オスカー・リン・ファン・ジャックさん
マレーシア出身。2019年認定→マレーシア工科大学 電子機械工学専攻→越境ECプラットフォームサービスを提供する大手企業「Shopee」に勤務

マレーシア工科大学の学部生時代にパナソニック スカラシップと出合い、大学生活が一変したと話してくれたオスカー・リン・ファン・ジャックさん。パナソニック スカラシップは2014年以降、地域密着型の活動を進め、現地の大学、職業訓練校の学生たちを支援してきました。この仕組みを活用したオスカーさんは日本への留学ではなく、現地大学で支援を受けた奨学生のひとりです。海外現地のパナソニックが運営するスカラシップのあり方について、率直な意見をうかがいました。

パナソニック スカラシップがもたらした、学びのための安心と自信

国内で最も歴史ある理工系大学であり名門として知られる、マレーシア工科大学。ここで電子機械工学を学んでいたオスカーさんは、学部在学中にパナソニック スカラシップの存在を知ったといいます。革新的で高品質な製品を手がける国際的企業が運営する奨学金は、受け取る側にも大きな安心感を与えてくれました。

「私がパナソニック スカラシップを受けたのは、学部2年生の時です。ある日偶然、大学の学生課の掲示板でポスターを目にしました。奨学金の存在を知った瞬間、“自分にはこのようなサポートが必要だ”と強く感じました。というのも、私は生活費を稼ぐためにデリバリーのアルバイトをしている、いわゆる苦学生だったので。昼休みや夕食の時間帯に多くの学生へお弁当を届ける仕事で、このために多くの時間が削られてしまっていました。パナソニック スカラシップを受けることで、経済的な制約を気にすることなく、自分が本当に情熱を注ぎたいことに集中する機会を与えられるかもしれないと感じられました。パナソニックという企業の名前は、もちろん以前から知っていました。品質の良い電子レンジや炊飯器は、マレーシアの家庭でも広く普及していますからね。でも、奨学金に応募する前に改めて企業のことを調べてみて、消費者向けの製品以外にも大きなビジネスをたくさん手がけているということを知り、“この会社なら大丈夫だ”と思いました。奨学生として認定されたあとは、“パナソニックのような国際企業に認められたんだ”という自信も湧いて、自分の中での糧になりましたね」

自身が大学で学ぶのに家族へ負担をかけたくないと、生活費をアルバイトで工面していたオスカーさん。パナソニック スカラシップと出合ってからの学生生活は、学業以外にも思いがけない経験をもたらしてくれたといいます。

「それまでアルバイトに充てていた時間を使って、国のプログラムである『ペルダナフェローシップ』に応募し、その一員に選ばれたんです。これは若者が国家統治に関する業務を体験できる、名誉あるプログラム。私は大臣と近しいところで働き、国家の開発を主導するための業務のサポートを行うという体験をすることができました。おかげでより広い視野から物事を考えられるようになりましたし、政策立案やリーダーシップに関する貴重な見識を得られたと思います」

パナソニックスカラシップによる実りある学びから生まれた新たなる夢と挑戦

現地の大学へ通う学生にはどのような支援がされていたのでしょうか。

「やはり大きかったのは経済的な支援です。金銭的の心配がありませんでした。また、パナソニック スカラシップを受けるには、大学で履修するすべての科目の平均値であるCGPAを一定以上キープしている必要があります。しかし、日本語検定などは受ける必要もなく、気持ちの負担を軽減できました。もっと学びたいと願う私にとっては、何事も心配なく学業に専念できたことは大変助かりました。パナソニック スカラシップを経験して、パナソニックは世界を舞台に社会に貢献できる優秀な人材の育成に“投資”をしていると感じました。人材を育成し、個人の成長を促し、学生の目標達成を応援するという長期的なアプローチによって、奨学生個人だけでなく、企業が属する現地の地域社会にも良い影響を与えることができていると思います」

これからも自己を高め周囲の人々から学びつつ、知識やスキル、視野を広げていきたいと話すオスカーさん。現在抱いている将来の夢は、起業家として世界をより良くするビジネスを立ち上げることなのだといいます。

「“これを解決したい”という具体的な課題は残念ながらまだ定まっていないのですが、何か社会にとって意味のある、インパクトの大きいことを成し遂げたいと願っています。個人的に満たされるだけでなく、社会全体にポジティブで永続的な影響を及ぼすことのできるビジネスを成功させたいんです。そうすることで、世界に有意義な変化をもたらし、より良い場所にするための貢献ができるのではないかと考えています」

パナソニックは、オスカーさんの住むマレーシアからは遠く離れた日本の企業。いまだ訪れたことのない日本に対し、どのようなイメージを抱いているのでしょうか。

「日本は多くのマレーシア人から好意的に見られていますよ。豊かな文化を持っていますし、最新の技術や公共交通機関の時間の正確さ、おいしい料理、美しい観光地など、魅力がたくさんありますよね。また、私はあまり詳しくないのですが、友人の多くが日本のアニメやマンガ、Jポップなどのカルチャーを熱狂的に支持しています。ほかにもマレーシア人は、自制心や礼儀正しさ、他者への敬意といった日本の価値観をとても高く評価していると思いますね。私も機会があれば、ぜひいつか日本を訪れてみたいです」

オスカーさんは、マレーシア代表として多くのコンペに参加、賞の受賞など実績を残してきています。写真は2021年全米零細企業ピッチング・コンペティションにて全国チャンピオンに輝きました。

2022年、東アジアサミット(EAS)海洋プラスチック対策ハッカソンではマレーシア代表として参加。ASEAN第3位となりました。

Anugerah Tokoh Siswa2022(全国学生リーダー賞2022)にて高等教育省長官賞を受賞。「Anugerah Tokoh Siswa」は、高等教育省が主催する名誉ある賞で、組織的な成長や国内外に大きな影響を与えるプログラムの提唱など、学生の功績を称えるものです。

今後も保ち続けたい、スカラシップとの積極的な関わり

オスカーさんは自身が奨学生として認定されたあと、後輩の学生にもパナソニック スカラシップを勧め、採用された経験が。彼の目から見て、海外現地で学ぶ奨学生が今後パナソニック スカラシップに求めるのはどういうことなのでしょうか。

「実は奨学金を受けている間、現地ではほかの奨学生と交流する機会があまりありません。お互いに知り合う機会があり、もっと交流を深められれば、自己啓発や人脈づくり、将来にとってより有益な関係が得られたのではないかと思います。互いに学び合い、成長を促し合うことのできるコミュニティがあると、パナソニック スカラシップは社会の中でもっと効果的に作用するのではないでしょうか。同じ価値観や目標を持つ仲間と協力することで、よりユニークな視点や相互成長の機会を得ることができそうですよね。何かしらのイベントでもよいですし、ネットワーキングのためのプラットフォームの整備、メンタープログラムなどによって、実現できるのではないでしょうか。もし今後そのような機会が与えられるのであれば、私もぜひ参加したいです」

世界各地でグローバルリーダーとして活躍するかつての奨学生たち。パナソニックスカラシップでは、学生時代の奨学金、研修などの支援に留まらず、終了後の同窓生同士のつながりについても積極的にサポートしています。最後に、今後スカラシップへの応募を考えている学生たちに向けて、メッセージをうかがいました。

「自分自身と自分の能力を信じ、この変化の旅に出てみてほしいです。パナソニック スカラシップは単なる経済支援ではなく、永続的な影響を与えてくれる機会になると思います。自分に対して忠実に振る舞い、情熱や深い関心、パナソニックの価値観との一致を示しましょう。今までの功績やリーダーシップの資質、地域社会への参加など、自らを際立たせるものを強調するのです。これは自分がより輝き、変わるためのチャンス。成功へと繋がる道に、幸せがありますように!」